南北朝鮮と中国

2016.02.18.

環球時報は2月15日から17日にわたり、3日続けて朝鮮半島に関する社説を出しました。これだけでも尋常ならざることですが、その内容も、初日が対朝鮮、2日目が対韓国そして3日目が中国の政策ということでいわば3位一体となっています。
 私はこれまでのコラムでくり返し指摘したように、中国の対朝鮮政策は、①朝鮮の人工衛星打ち上げは宇宙条約上の正当な権利であり、安保理決議によって制限することは違法かつ無効であることを中国が認識できていない、②NPTから脱退した朝鮮が核実験を強行することは、政治的道義的に非難できても、NPT違反として非難し、制裁することも国際法上違法かつ無効であること(中国としてなし得る最大限のことは、朝鮮が安心してNPTに再加入するための条件作りを行うことに尽きること)をやはり認識できていない、という2点において根本的に間違っていると思います。
 ところが中国国内では、この2点の致命的誤りを中国政府が承認せず、朝鮮の行動を断罪する立場に立っているために、メディアを含め、すべてが間違った方向に押し流されています。この状況は、日本における「朝鮮脅威論」及び「中国脅威論」にかかわる状況といくぶん似通っています。
 私が残念でならないことは、中国の国際法学者の発言が全く見られないことです。上記2点の誤りは、国際法的に極めて初歩的かつ原則的な次元の話であるだけに、中国の国際法学者の声が聞こえてこないのは摩訶不思議というほかありません。
 このような基本的認識における誤りがどのような議論を導くことになるかという好例が今回の環球時報の3つの社説だと思うのです。

<2月15日付社説「朝鮮に対する見方を変える中国人がますます増えている」>

 日本のマス・メディアと比較すれば、中国のメディアはまだ「世論」に押し流され、追随する傾向がまだそれほど顕著になっているわけではありません。しかし、この社説は、中国の対朝鮮政策の決定に当たって世論の重みを無視できない状況が生まれつつあることを指摘するものです。
 環球時報自ら指摘するように、「中国の人々の「嫌朝」は必ずしも根の深いものではなく、「嫌日」とは同じではなく、比較的簡単に氷解しやすい」次元にまだあるはずですから、人民日報・環球時報が中国の国際法上の致命的誤りを認識し、その旨を率直に認める言論を発表することによって、中国国内世論はまだ軌道修正することが可能だと思うのです。ところが、そういう根本問題には「目もくれず」、自らがつくり出した「世論」によって自らの政策が掣肘を受けることがあるという指摘を行うこの社説に対しては、私としては「おいおい、それは違うだろう」と指摘しないわけにはいきません。日本メディアとの対比でいえば、「ブルータス、お前もか」という複雑骨折の思いです。

朝鮮核問題は日増しに緊迫し、道筋も混乱している。朝鮮の隣国である中国は、ますます深刻な圧力と挑戦を感じることになっている。
中国民間の朝鮮核問題に対する関心も増大しつつあり、朝鮮に対する態度にはかつてない複雑な変化が見られる。抗米援朝に連なる伝統的友好から「朝鮮障壁論」を論じるものも相変わらずいるが、平壌が北京の強い反対を顧みずにくり返し核実験を行ったことは中国の国家利益に深刻な影響を及ぼし、朝鮮の政権が「人権を踏みにじる」様々な伝聞とあいまって、中国人の平壌に対する見方に影響を及ぼしている。
重要な動向の一つは、朝鮮をもはや友好国と見なさない中国人が増えていることであり、そういう人の中には、中国のお荷物さらには「ワルの隣人」と見なすものも少なくないということだ。朝鮮政策に関して立場の異なる2名の中国人学者は、環球時報の取材に対して、以上のような見方を取る中国人が60%前後、さらにはもっと多いかも知れないと推定している。
 外交は高度に専門性があるので、民意をもって具体的な外交政策の指揮棒とすることはできない。しかし、民意はまた、現代中国が外交戦略を制定するに当たっての基盤の一つである。中国外交機関が朝鮮核問題及び対朝鮮関係を処理することが極めて扱いにくいと感じているとき、我々としては、対朝鮮民意のこのような変化を一つの事実として指摘する必要があると考える。
このような変化は、中国の対朝鮮政策にかかわる世論環境を徐々に変化させつつあり、中国政府に対して対朝鮮制裁を強化することを促す圧力に転じるであろう。なぜならば、朝鮮核問題は如何に対処しようともきわめて厄介であり、半島の混乱と面倒さがおおむね同じ状況のもとでは、中国の対朝鮮政策と民意との一致度が小さくなればなるほど、国家として支払う政治的代価はますます大きくなるだろうからである。
民間の受けとめ方に関してみれば、国が一方で対朝鮮制裁を強め、もう一方で中朝関係に配慮するというバランスのとり方は、過去においては主流的民意の支持を得てきた。しかし、ある時期以来、民意には次第に変化が生まれ、国が「平壌をしてその一意孤行に対して本当の痛みを感じさせる」行動を取ることに対する支持が一つの傾向となっている。
確かに、中国の人々の「嫌朝」は必ずしも根の深いものではなく、「嫌日」とは同じではなく、比較的簡単に氷解しやすい。しかし、ほとんどの中国人は「朝鮮に対して寛大である」忍耐心と関心をいまや失っており、平壌が自らの核政策を改めることを拒むのであれば、中国民間の朝鮮に対する積み重なった恨みはますます重いものとなっていくだろう。
西側世論の長期にわたる宣伝により、いわゆる朝鮮核問題が解決できないのは「中国が制裁に応じない」からだとか、中国が平壌に対して「弱腰過ぎる」からだとかとする言説は、少なからぬ中国人に影響を及ぼしている。意識的に中国の対朝援助の規模を誇大宣伝し、中国は「輸血して自らの対立物を養っている」と宣伝する国内の一部の議論も一部の人々に影響を及ぼしている。政府が朝鮮問題について余り語らないために、似て非なる議論が世論の場ではしばしば受けてしまうことが少なくない。
朝鮮の寧辺の核実験場が中国東北地方に極めて近いことは、朝鮮核問題が中国国内で潜在的爆弾となる可能性を高めている。
 朝鮮核問題は、さらに広い領域に向かって拡散しており、極端な状況のもとでは中国の国内政治利益に損害を与える潜在的エネルギーを秘めている。そうなれば、朝鮮核問題はもはや単なる東北アジアの問題であるだけにとどまらず、さらには単なる「外交問題」であるだけにとどまらなくなる。こうした拡散の危険性に対して、中国としては速やかに対策を講じる必要がある。
朝鮮核問題に対する基本的考え方は恐らく、様々なマイナス面を比較衡量して、その軽きを取るということだろう。アメリカのアプローチは余りにも単純で、不断に朝鮮に対する圧力を強めるというものだが、このアプローチは朝鮮に対して効果がない。アメリカがこのアプローチを取っている真の目的は、韓国を強力に引きつけて中国に対する軍事圧力を強化するというより大きな戦略的効果を実現することにあるようだ。米朝韓に対してアドバイスするという中国のアプローチも余り効き目がない。我々としては、いずれか一方によって縛り付けられることを防ぎ、自らの機動性と弾力性を確保し、自らが設定したボトム・ラインの威厳を保つべきである。
朝鮮核問題に対しては枝葉末節にこだわってはならず、大戦略及び一大決心のみが主導権掌握を下支えする。「朝鮮は中国の戦略的障壁である」といった類の長年にわたって言い伝えられてきた観念については改めて考え直し、再評価する必要がある。近代以来、中国は力の上で負けることが多かったが、知恵と決意に関しては欠けることがなかった。新中国成立以来の対外戦略をふり返ってみれば、ほとんどの大きなステップはすべて成功しており、朝鮮核問題が乗り越えられない落とし穴になってはならない。

<2月16日付社説「中韓は互いに分かり合うべきで、脅迫し合うことがあってはならない」>

中国が韓国のTHHAD配備に前のめりになったことに対して、朝鮮の核実験・人工衛星打ち上げに対するよりもはるかに重大な関心と警戒を示したことについては、2月9日付のコラムで紹介しました。この社説はさらに立ち入って、韓国へのTHHAD配備の中国にとって意味することは、東欧諸国へのTHHAD配備がロシアにとって意味することと同じだという極めて率直な物言いにより、韓国に対してアメリカの言いなりにならないことを明確に要求するものです。朝鮮の核ミサイルは中国の安全保障を脅かすものではないが、THHADをはじめとする在韓米軍は中国に対する脅威そのものという中国側の認識を初めて(私の知る限り)公然と表明したものです。
しかし、17日付社説が指摘しているように、朴槿恵大統領はいまや、朝鮮との全面対決路線に舵を切り、そのためにこれまでの中米間で微妙なバランスを維持するという路線をも犠牲にする姿勢を明確にしつつあるわけで、環球時報は、精一杯の表現で韓国(というより朴槿恵)に「崖っぷちから立ち戻る」ことを求めたものと言えるでしょう。

朝鮮の最新の核の動きが韓国の不安全感を高めており、ソウルが焦りを感じていることは完全に理解できるし、同情にも値する。しかし、韓国にTHHADを配備することは中国の安全保障に対する脅威となり、王毅外交部長がアメリカのこの挙を称して「敵は本能寺にあり」(中国語:「项庄舞剣意在沛公」)と述べたとおり、韓国も中国のこの受けとめ方を高度に重視するべきである。
朝鮮の無責任な行動は各国をして困難な選択に直面させているが、中韓と比べれば、アメリカ本土は朝鮮半島から遠く離れており、身動きが取りやすい。中韓は朝鮮の隣国であり、それぞれが特別な難しさを抱えており、したがって危機をコントロールするためになし得る限りのことをするべきであって、互いに脅迫し合うべきではない。これは協力して問題を解決するための基礎である。
 米韓世論は一貫して中国が「朝鮮を押さえ込む」能力があると宣伝しているが、これは重大な読み間違いである。中国は朝鮮をコントロールできないし、中国社会の平壌に対する怒りはますます募ってきているが、中国には半島問題に関して自らの国家利益があり、中朝国境を第2の「38度線」にすることはできない。韓国が中国に対して韓米並みの制裁を朝鮮に対して行うことを要求するのは、「中国を脅迫する」ということである。
駐韓米軍がTHHADを配備すれば、中国大陸をその防衛範囲内に収めることになる。これは、アメリカが東欧に配備するのは「イランの脅威を防止する」ためと称して、実はロシアを標的にするのとほぼ同じだ。韓国としては、ミサイル防衛システム配備の危機がNATO、ロシア及び東欧の間でいかに激烈な議論となっているかを想起するべきである。
我々は、中国と同じように韓国にも難しさがあることを知っている。しかし、各国は勝手なことをするべきではないのであって、一つの問題を解決するためにほかの問題をつくり出すべきではなく、ましてやより大きな問題をつくり出すべきではない。
韓国にTHHADが配備されるならば、中国社会は、解放軍が東北地方に強大な軍事的配置を行うことで対応することを必ず支持するだろう。そうなれば、韓国本土は中米の軍事的配備における駆け引きの極めてセンシティヴな地域となる可能性がある。そうなれば、韓国はさらに国家としての独立性を失い、大国間の駆け引きで主体的に動きが取れないコマとなってしまい、国家としての地位は深刻な影響を被ることになるだろう。
中韓は友好国同士であり、近年では朝鮮の頑固な核実験で中朝は疎遠になり、中韓の接近がさらに突出している。現在韓国は38度線で朝鮮と接しているが、東北アジアで状況を動かす能力がもっとも大きく、地域の戦略的資源をもっとも豊かに獲得できる国家である。韓国は、THHAD配備によってその有利な地域的立場を破壊するべきではなく、中途半端な対応によって不本意な戦略的立場に自らを追い込むべきではない。
中国の人々は、中国と朝韓との間の面倒については、常にアメリカの存在があるという本質をしっかり見極めるべきである。ワシントンの半島危機に対する態度は極めて微妙である。アメリカは長期にわたって朝鮮との平和協定締結を拒否し、平壌に対して脅迫を重ねてきた。同時に韓国の外交と安全保障を支配してきた。ワシントンには半島の冷戦体制を徹底的に終わらせることに対しては関心がなく、これこそがすべての問題の根っこである。
半島核問題は複雑にこんがらがっているので、中国がいかように動いても何かしらの副作用を伴う。このことを中国人は胸に納めておかなければならない。我々に必要なのは、一定の損害を引き受けてでもより大きな損害を回避するということだろう。
畢竟するに、中国は朝鮮半島の外にあり、アメリカは遠くにあるけれども半島に軍隊を駐留させており、何か事が起こるとすれば、アメリカが巻き込まれるのは中国よりも遅いということはあり得ない。したがって、中国としては何も懼れることはない。北京としては自らの譲れないボトム・ラインを誤解の余地なくはっきり示し、誰がそれに抵触しても絶対に代価を支払わせることを明確にするべきだ。中国は半島に事が生じることに断固反対するが、いったん起こってしまったときには、懼れずにお付き合いするという態度であるべきだ。中国が足まで水につかるときは、他のものは腰さらには首まで水につかるということを確信している。他の国々は、中国よりも「何ものをも懼れない」ように振る舞う理由はない。
以上の決意で朝鮮半島に対処すれば、すべてのことは大幅に簡単になるだろう。我々は誰かにすがる必要はなく、各国を尊重しながら理をもって忠告し、その次には力と行動によって話をするということであるべきである。

<2月17日付社説「中国は東北の軍事配備を強化して半島の混乱発生を防ぐ必要がある」>

この社説は、中国が考えている新しい安保理決議の内容に関して一定の示唆を与えるものです。すなわち、社説の「核兵器及び戦略ミサイルの研究開発を継続する朝鮮の能力を破壊することを促すために力を尽くして貢献する」という具体的発言は、王毅外交部長を含め、中国政府関係者からはまだ表明されていません。もちろん、中国政府は、くり返し、制裁決議の目標は朝鮮核問題の話し合いによる解決を促すことにおかれるべきだという立場を表明しています(2月16日にオーストラリアのビショップ外相との戦略対話後に共同記者会見に臨んだ王毅外交部長発言)ので、この社説の対朝強硬姿勢を余り過大に見るべきではないと思いますが、今後の安保理審議での中国政府の対応を考える上での参考材料として留意しておく必要はあると思います。 しかし、この社説のより大きな注目点は、THHAD配備及び朝鮮半島有事に対する中国の軍事的対応のあり方について具体的な提言を行っていることです。欧州正面で起こりつつある「新冷戦」(ロシアのメドヴェージェフ首相)と類似した状況(軍拡競争)が朝鮮半島を焦点にして起こる危険性があることを、この社説は示唆しています。
私としては、このような深刻な状況に備える以前に、中国政府の間違った認識を正すことによってもっと建設的な対応ができるはずではないかと思うのですが、この社説は、初動を間違えるとどのような悲喜劇が起こりかねないかということを示す端的な題材となってしまっています。

韓国の朴槿恵大統領は16日議会で演説し、朝鮮の「極端な挑発」を非難し、THHADミサイル防衛システム配備協議開始は平壌を威嚇するためだと宣言した。朴槿恵は「(核兵器開発は)朝鮮政権の崩壊を加速する」というまれに見る激しい表現を使用し、これは韓国の対朝鮮政策の決定的変更を表すものだと世論に受けとめられている。
アメリカは、半島周辺に軍事配備を増強しており、核空母、攻撃型原潜、戦略爆撃機がすでに到着し、あるいは近く到着する予定で、アメリカが朝鮮に対して「外科手術的」軍事攻撃を行う可能性があるという推測も世論の場で流布されるようになっている。少なからぬアナリストはこれを心理戦だろうと見なしているが、「半島の緊張した情勢が質的エスカレーションを示している」、「深刻な軍事衝突が勃発する可能性が次第に増加している」という見方では多くが一致している。
中国は半島に動乱が起こることを明確に反対しているが、最終的に朝鮮核問題が平和的に解決できるか否かは中国の一方的な努力及び意思によって決まるものではない。中国としては、半島の最悪な状況に具えて周到な準備を行うべきである。
各国が中国の忠告に耳を貸さないのであるから、半島情勢が変化して戦乱が起こったときには、中国が各国に対して道義的責任を負ういわれはなく、中国が戦略的備えを行う出発点は第一に自らの国家的利益及び安全を守ることであるべきであり、この点については各国にはっきりさせておく勇気を持つべきである。
朝鮮に対しては、中国は安保理がさらに厳しい制裁決議を採択することを断固支持し、決議内容を真剣に履行するべきだ。中国としては、核兵器及び戦略ミサイルの研究開発を継続する朝鮮の能力を破壊することを促すために力を尽くして貢献する必要がある。平壌がこのことに対して如何に反対しようとも、中国としては動揺するべきではない。
韓国に対しては、THHAD配備に対する我々の反対を明確に伝え、韓国が聞き入れず配備を堅持する場合には、ロシアがアメリカのミサイル防衛システムを東欧諸国が配備したときに取った対応を考慮するべきだ。すなわち、中国としては、東北方面に突破能力がさらに高いミサイルをさらに多く配備し、配備されたTHHADシステムに対する最高級の戦略的マークを行うべきだ。
アメリカに対しては、ハッキリと伝わる形で、THHADシステムが主に中国に対するもので、また、アメリカが半島周辺に展開する軍事的配備の相当部分は中国を標的にしたものであると我々が見なしていることを明らかにする必要がある。中国の反応は全方位であるべきであり、軍事費の比率を大幅に高くし、戦略ミサイルの研究と配備を加速し、先進的ミサイルの数を増やすことによって中国の信頼できるデタランスを維持するようにするべきである。
半島に万一戦乱が起こった場合、中国の民意は、中国が受ける脅威の度合いに応じていかなる行動を取るかを決定することを支持するだろう。中国の人々にとっての最大の関心は、戦乱が鴨緑江を越えてはならないということであり、その中には、核汚染の拡散を含む汚染が入り込まないこと、大量の難民が押し寄せないことが含まれる。そのほか、中国人は、38度線が軍事行動によって破られることを望んでおらず、国が東北アジアの現状を維持することを支持するだろう。
ある学者が環球時報に語ったことだが、米韓が朝鮮に対して外科手術的攻撃を実施する場合には、朝鮮が反撃する可能性は極めて大きく、韓国は被害を被り、駐韓米軍基地も安全であるとは限らない。朝韓米3国はともにそれぞれの代価を支払う必要があるだろう。米韓が38度線を突破して全面的軍事行動を取るときには、米韓は中国が軍事的に関与するリスクを考慮に入れる必要がある。我々は、この学者の分析を支持する。
指摘しておく必要があるのは、6者協議が失敗したとき、米朝は喧嘩両成敗であるが、半島問題のカギを握っている大国として、アメリカの責任はさらに大きい。アジア太平洋の大戦略という角度から見る時、朝鮮核危機が引き延ばされて解決しないのは、アメリカが東北アジアを支配し、中国の台頭に面倒を添えるために起こした局面であるということであり、我々は枝葉末節にこだわる余りこの全体的視点を忘れることがあってはならない。
中国は、東方区方面の軍事配備を強化し、迅速な対応能力を高める必要があるが、そうすることによって、各国が軽挙妄動する前に冷静に考えることに役立つだろう。中国としては、中国が国家利益を守る確固たる決意をもっていることを各国に確信させるべきだ。その国家利益とは何かに関しては、各国が分かっていることを確信する。