朝鮮半島情勢(中国専門家解説)

2014.05.06.

5月5日付の中国青年報は、朝鮮問題専門家である楊希雨が4月29日に中国共産党の指導下にある中華全国新聞工作者協会(略称:中国記協)が行った会合において、「十字路にある朝鮮半島情勢」と題する講演を行うとともに出席者(25ヵ国の内外記者及び大使館員)の質問に答えたとした上で、その内容を紹介しています。この記事では、楊希雨はかつて中国外交部で朝鮮半島問題弁公室主任を務め、6者協議にも数多く参加し、2005年のいわゆる9.19共同声明の起草を担当したとも紹介しています。非常に興味深い内容ですので、その内容を紹介します。

<朝鮮半島情勢の「周期的激動」>
 楊希雨は、朝鮮半島では4年ごとに危機が起こったと認識している。1994年の朝鮮半島危機に際しては、米朝が集中的な交渉を経て枠組み合意に署名した。1998年にはミサイル危機が勃発した。2002年にはウラン濃縮問題に関する米朝交渉が不調に終わり、1994年の枠組み合意が崩れ、第2次核危機が勃発した。2006年に朝鮮が第1回核実験を行った。それ以後は危機のサイクルが短くなり、2006年に6者協議が再開したが、2009年に朝鮮が第2回核実験を行った。2010年には危機がピークに達し、今日もなお未解決の天安号事件、延坪島砲撃事件が起こり、朝鮮半島は戦争すれすれの事態となった。その後危機は緩和されたが、2013年に再び暗雲が湧き起こり、朝鮮は第3回核実験を行った。朝鮮の言い方によれば、「現在は戦争をするかどうかの問題ではなく、今日するか明日するかの問題だ」ということになった。

(浅井注)
楊希雨(あるいは中国青年報記事)は努めて中立的に事実関係を紹介しています。しかし、朝鮮の3回の核実験に先立っては同国の人工衛星打ち上げがあり、それをミサイル発射として糾弾したアメリカ主導の国連安保理が朝鮮に対する非難・制裁決議を行い、朝鮮はそれに対抗して核実験を行ったという事実関係が省略されていることには大いに疑問を感じます。
 実はこの点に関して、5月5日付の朝鮮中央通信は「朝鮮の「政治力学」」と題する極めて興味深い記事を載せているのです。そこでは、「米国が圧力を加えるほど朝鮮人民はさらに強くなる、米国が核兵器で脅かせば脅かすほど朝鮮人民の打撃力もいっそう強くなる、というのが朝鮮の「政治力学」である」と評したロシア人の言葉を肯定的に紹介した上で、「平和的衛星の打ち上げを弾道ミサイルの発射と言い張り、制裁と圧迫の度合いを高め続けた米国の白昼強盗さながらの行為に立ち向かって朝鮮が3回にわたる核実験を成功裏に断行しながら核抑止力を絶え間なく強化してきた」と述べているのです。つまり、朝鮮自身が「人工衛星打ち上げ→アメリカ(主動)の制裁と圧迫→核実験」という因果関係の存在を、「政治力学」として、間接的にではありますが指摘しているのです。
 私はこの因果関係の存在(「政治力学」)に楊希雨をはじめとする中国関係者が気づいていないはずはないと思うし、この因果関係に着目することこそが朝鮮半島の非核化実現にとって重要な意味を持つと考えます(この点についてはさらに後述します)。そういう意味でも、楊希雨がことさらに(?)この点への言及を行っていないことに疑問を感じるわけです。

2014年冒頭は明るい兆しが見えた。朝鮮の最高指導者・金正恩は積極的な新年スピーチを行い、南北関係改善を呼びかけた。その後米韓合同軍事演習はあったものの、南北の接触は積極的な進展を見せ、双方がともに望んでいた離散家族再会が実現した。楊希雨は、「道理から言えば、本年の情勢は緩和に向かうはずだったが、現在になっては当面の情勢に対して誰も楽観的にはなれない。今のところは何ごともないが、いずれ何かが起こると感じている。危機のサイクルは不断に短くなり、不確定性はますます増えている」と述べた。
 「隣国として、我々が考えなければならない深刻な問題は、朝鮮半島が数年ごとに危機を経験しなければならないのはいかなる原因によるものか、半島情勢はどうして激動して止まないのかということだ。皮肉極まりないのは、冷戦が終結したあと、朝鮮半島は冷戦期よりもさらに不安定になっている。」楊希雨は、戦略的レベルから2つの原因を分析した。第一、朝鮮半島は今日に至るもなお戦争状態にあること。朝鮮休戦協定が締結されて60年以上経っているのに、法律的技術的に言えば、現在もなお戦争状態にある。第二、朝鮮半島は相変わらず冷戦状態にあること。この2つの不正常な状態が朝鮮半島における危機を絶え間ないものとし、南北関係が起伏を重ねる根本原因だ。この2つの不正常な状態を解決しない限り、朝鮮半島の平和と安定を実現することはできない。

<朝鮮はあくまで核実験を行う>
 現在多くのものが朝鮮は本年第4回核実験を行うかどうかについて推測しているが、楊希雨はこの点について悲観的であり、朝鮮は遅かれ早かれ第4回、第5回さらには第6回の核実験を行うと考えている。なぜかと言えば、核実験を行うことは朝鮮にとっての既定の政策だからだ。技術的にも政治的にも朝鮮があくまで核実験を進めることは動かせない。まず技術面から言えば、朝鮮の核兵器計画はまだ完全に成功を収めていない。途中で止めたら今までのことは無駄になる。政治面から言えば、核実験の理由及び動機はさらに大きい。朝鮮半島の現在の不均衡な軍事力の力関係からして、核兵器開発は朝鮮が自国の安全保障を確保する根本的手段となっている。「朝鮮は核抑止力によって米韓の朝鮮に対する進攻を抑止したいのだ。」
 国際社会は朝鮮の核開発に断固反対している。楊希雨は次のように述べた。「中国の立場は明確で、昨年、金正恩の特使である崔龍海が訪中して習近平と会談した際、習近平は朝鮮半島の非核化は人心及び大勢の赴くところだとハッキリ述べた。これは、中国の指導者が朝鮮半島の核問題に関して発出した非常に明確なシグナルである。中国の朝鮮半島核問題に関する立場は、平和と安定も必要、非核化も必要ということだ。核兵器を擁する朝鮮半島は永久に真の平和と安定を得られない。現在の半島には戦争はないが、真の平和もなく、あるのは一種の「恐怖の平和」である。即ち、米韓は強力な軍事力で朝鮮の戦争発動を抑止している。同時に朝鮮は、核兵器開発を頼りに米韓の朝鮮に対する戦争発動を抑止している。双方が戦争を仕掛けないのは、相互抑止によってこの「恐怖の平和」が形成されているからである。しかしこの状況は半島の人民及び周辺国の人民の平和に対して不利である。」

(浅井注)
私も、朝鮮が核開発を進めるのは既定路線であり、技術上の理由から、朝鮮が今後も核実験を行うであろうとする楊希雨の判断は間違っていないと思います。しかし、政治上の理由からも核開発を進めるであろうとする楊希雨の判断には重大な留保をつけ加える必要があると思います。
 即ち、朝鮮は核開発を完成し、アメリカに対して有効な核抑止力を保有するためには、さらに少なくとも数回以上の核実験を行うことが不可欠であるというのは常識です。しかし、対米交渉上の手持ちカードが極端に限られている朝鮮としては、核実験そのものを政治的カードとして用いざるを得ないという状況があります(これはこれまでの核開発国にはない極めてユニークな要素です)。それが正に、「人工衛星打ち上げ→アメリカ(主動)の制裁と圧迫→核実験」という因果関係のサイクルとなって現れているし、5月5日付の朝鮮中央通信「朝鮮の「政治力学」」と題する記事が認める朝鮮の「政治力学」なのです。
 朝鮮が対米核抑止力を完成するためには、核実験に加え、長距離運搬手段(=ICBM)を完成することも不可欠です。朝鮮の人工衛星打ち上げがその役割を担っていることはもちろんです。アメリカがそれを阻止しようとしゃかりきになるのも理解できます。しかし、人工衛星打ち上げは宇宙条約によってすべての国に認められた権利であり、朝鮮がその権利を行使することに対しては、国連安保理がそれを禁止する決議を行うことは認められることではありません。少なくとも朝鮮としては安保理決議に縛られるいわれはないとする立場を堅持し、今後も人工衛星打ち上げを続けるでしょう。次回の人工衛星打ち上げをいつ行うかについては、金正恩の判断次第です。
 したがって、アメリカにとっての問題は、「二兎追うもの一兎も得ず」であることを認識できるか否かです。つまり、元々無理がある朝鮮の人工衛星打ち上げを抑えつけること(安保理決議)は諦め、今後行われるであろう朝鮮の人工衛星打ち上げに対しては目をつぶる(安保理決議を作らない)ことにより、朝鮮がさらなる核実験を行わないことを確保するという政策を採用することができるかどうかです。
 もっとも、アメリカの硬直した姿勢からはこのような政策転換は期待薄です。そこで中国の出方が非常に重要になってきます。つまり、繰り返して言うように、朝鮮の人工衛星打ち上げをミサイル開発として糾弾し、制裁を課そうとする安保理決議の採択自身が正当化できない代物です。そして、そういう決議採択に加担してきた中国に重大な責任があるわけです。
もちろん中国のメンツとしても、これまでの安保理決議採択に加担してきたことが間違いだったと公に認めるわけにはいかないでしょう。しかし、朝鮮自身が公認する「政治力学」に着目して、今後の朝鮮による人工衛星打ち上げに際しては、「人工衛星打ち上げ→アメリカ(主動)の制裁と圧迫→核実験」という因果関係のサイクルを断ち切り、朝鮮が核実験を行わないことを確保するために、安保理決議採択に反対すれば良いのです。
中国としては、朝鮮が人工衛星を打ち上げること自体を思いとどまらせたいところでしょうが、それは身勝手というものです。なぜならば、宇宙条約では、宇宙の軍事利用は認めませんが、宇宙の平和利用のために軍事技術や設備、手段を利用することは認めているからです。中国が打ち上げ自体を自粛するように朝鮮を説得しても、朝鮮は承服できない話しです。
この点では、イランの核開発に関するいわゆる6+1とイランとの交渉と共通する問題があります。アメリカはイランの核開発そのものを抑えつけたいのですが、イランはNPTの認める核の平和利用の権利を譲る意思はありません。中国はイランのこの権利を明確に認めています。ですから、朝鮮が宇宙条約上の正当な権利を主張することに対しても中国はそれを認めなければ話しは通りません。
 付言すれば、ウクライナ問題で米露関係が決定的に冷却化している現在、朝鮮の人工衛星打ち上げに対して安保理決議を採択することに反対する中国の立場には、ロシアも同調する可能性は大きいと思います。
 実は、5月5日付の朝鮮中央通信「朝鮮の「政治力学」」と題する記事にはさらに意味深長なくだりがあります。
「朝鮮は再び核抑止力強化の道にとどこおりなく進み、新たな形態の核実験も排除されないという宣言に時効がないということを断固と闡明した。誰も阻むことができない朝鮮のこの自衛的権利の行使が、米国にどんな災いをもたらすか、米国の政策作成者らは熟考しなければならない。朝鮮の「政治力学」を再び検討すべき時になった。」
つまり、朝鮮の核実験に関する「政治力学」はこれからも有効だと述べているのです。朝鮮としてはこれからも宇宙条約で認められた人工衛星打ち上げの権利を行使する。しかし、アメリカが朝鮮の「政治力学」に学んで目をつぶる(安保理を動かさない)ならば、朝鮮は核実験をしない、というメッセージです。この対米メッセージは当然中国(及びロシア)に対するものでもあります。つまり、中国(及びロシア)がアメリカに同調しないで安保理決議採択を阻止すれば、朝鮮は核実験を自制するというメッセージです。
私は、朝鮮が以上の「政治力学」の働きを認めている間にこそ、朝鮮半島の非核化を実現しなければならないと思います。朝鮮が経済的苦境を克服し、対米カードを他に持つようになれば、核実験を政治カードとして位置づける必要性から「解放」されるときが来るでしょう。そうなったときには、朝鮮半島の非核化実現はさらに困難を増すに違いありません。私としては、5月5日付の朝鮮中央通信記事の重要なメッセージを中国(及びロシア)が真剣に受けとめることを願わざるを得ません。

<6者協議は現在唯一のメカニズム>
 6者協議は10年間に顕著な成果を生まなかったが、中国は何故にこれをなお推進しようとするのか。楊希雨は6者協議の過去10年のプロセスからくみ取った基本認識として2点を紹介した。一つは、6者協議は効率が高くないが、現在までのところ、これより優れた、朝鮮半島非核化を推進するメカニズムを探し出せないということだ。つまり現在のところ唯一の実効性のあるメカニズムということだ。第二に、6者協議そのものは非核化実現のためのものだったが、そのプロセスを経る中で、朝鮮半島情勢のスタビライザーとしての予想外の機能を持っていることが分かった。「6者協議の歴史を見てみれば、6者協議が行われているときは半島情勢が安定していた。現在、核実験に関するスペキュレーションがますます緊迫化しているが、中国としてはやはり6者協議を推しすすめるべきだ。なぜならば、情勢が安定しなければ、何ごとも始まらないからだ。」
 楊希雨は、6者協議再開後は2つの教訓をくみ取るべきだと考えている。
 一つは、6ヵ国すべてが受け入れ可能で、遵守できるロードマップを制定すべきだということだ。
6者協議の進展がはかばかしくなかった最大の障害は相互不信だ。9.19共同声明を作成した当時、ロシア代表団は朝鮮代表団に対して、「朝鮮は、ソ連が20年間アメリカから得ようとして得られなかったものを獲得した」と述べたことがある。その意味は、9.19共同声明の中にはアメリカが朝鮮に対して提供した安全保障の1項があるということだ。それだけにとどまらず、アメリカはいかなる軍事手段を以てしても朝鮮を攻撃しないということにもコミットした。楊希雨は、「しかし朝鮮はそれを信じなかった」と述べた。楊希雨はさらに、「同じ道理で、朝鮮が非核化実現を承諾したのに、アメリカもこれを信頼しなかった。
ゆえにロードマップを定め、6者協議が1ステップ前に進む時に、各当事者がそのことが何を意味するか、どういう結果をもたらすかを明確にすることができるようにするのだ。即ち、約束対約束、行動対行動ということだ。」
 第二の教訓は、朝鮮半島の非核化は公平な非核化でなければならないということだ。楊希雨は、「アメリカは朝鮮がすべての核兵器と現有の核計画のすべてを放棄することを要求する。このことが6者協議の交渉決裂を招いた。ということは、我々は公平な非核化ということに対して明確な共通認識が欠けていたということだ」と述べた。

<朝鮮の生存可能性は高い>
 楊希雨は次のように述べた。「米韓は何度も中国に対して事態の急変に対処する計画を検討するという問題を提起してきた。朝鮮が崩壊した場合に米中韓が如何に対処するかというものだ。しかし中国は、その提案は真剣な検討に値するものとは考えていない。」楊希雨は、一国の外交政策を仮定の上に立案するとすれば、そういう政策は極めて当てにならないものだと考えている。
 楊希雨は、朝鮮の今後については二つの対立した見方があると述べた。一つは、朝鮮は崩壊と生存維持の間で苦闘しているとするものだ。米日韓はこの見方だ。もう一つの見方は、朝鮮は生存と繁栄との間で苦闘しているとするものだ。楊希雨は後者の見方を支持しており、朝鮮が生存を維持する可能性は極めて大きいが、繁栄に向かう可能性は低いと見ている。「朝鮮は2020計画を公表し、2020年には世界でもっとも発達した国家に建設するとしたが、それを実現するのはかなり難しいだろう。しかし、対朝鮮政策は第二の見方に基づいて考えるのがより現実的かつ実行性が高い。」
 楊希雨は、朝鮮の国内政策においては静かな変化が現れつつあると考えている。2つの戦略的変化と概括できる。第一の変化は権力の中心が軍から党中央に移りつつあるということだ。党中央はますます健全になり、機能もますます大きくなっている。すべての重要な政策決定が党中央によって行われるようになっている。第二の変化は朝鮮の戦略的重心が軍事第一から経済優先に移りつつあるということだ。

(浅井注)
 私は朝鮮問題の専門家でもなんでもありませんが、金正恩体制になってから、朝鮮労働党の重みが増しつつあるという印象を、朝鮮中央通信の日本語版を読む中で強めてきました。楊希雨の以上の発言に接して、自分の印象が的外れではなさそうだということを実感します。
 そのついでに(?)言えば、最近韓国や中国で関心を集めている崔龍海の去就についてもヒントが得られるのではないかと感じています。私自身も崔龍海がNo.2と理解してきただけに、最近の人事で黃炳誓が躍り出て人民軍総政治局長の座に座り、崔龍海の肩書が労働党中央書記となったことは意外でした。しかし、労働党の比重が金正恩体制のもとで強まっているということを前提にして考えれば、崔龍海は党務に専念することになったという理解も可能だと感じています。

 楊希雨は、朝鮮半島情勢は近年迅速に変化しつつあり、歴史的、構造的な変化の前夜に入りつつあると述べた。朝鮮半島の平和システムを作ることは朝鮮の核問題を解決するための基本的な枠組みだ。この枠組みのもとで朝鮮半島情勢を安定させるためには6者協議を復活させ、スタビライザーの役割を発揮させなければならない。
 6者協議を復活させる上での当面の障害は無条件復活か条件付き復活かという問題だ。朝鮮は無条件復活を望み、米日韓は条件付き復活を要求しており、中国は双方の距離を縮めることに努力しているところだ。楊希雨は次のように述べた。
 「条件付きかなしかについて妥協が達成できないとすれば、やり方を変えて取引するという手も考えられる。いくつかの点で基本的な共通認識を達成することを試みるのはどうだろうか。第一、6者協議は結果志向でなければならず、必ず成果がなければならない。第二、交渉でまとまった成果は後戻りできないものでなければならない。第三、プロセスは持続できるものでなければならない。これらのいくつかのカギとなる原則について共通認識が達成できれば、再開する6者協議が意味あるものであることを保障できる。以上のことは、再開前にIAEAの人員による寧辺での現地査察をしなければならないとか、朝鮮が核実験及びミサイル実験の見合わせをまずコミットしなければならないとかの問題よりも合意を達成しやすいはずだ。というのは、これらの具体的な問題に関しては、6者協議再開後に話し始めれば良いことであり、交渉前に朝鮮に履行を迫るとすれば困難度が増すからだ。」
 以上をまとめれば、話し合いが始まりさえすれば希望が出てくるということであり、現在の如く条件付きかなしかで果てしなく論争しているならば、永遠に結果がついてこないということだ。

(浅井注)
 楊希雨の最後の発言は恐らく、中国が米韓に対して働きかけている6者協議再開のための内容を反映していると思います。それは、非核化は公平なものでなければならないという、これまでの6者協議から中国が学んだ前述の教訓内容をも反映するものです。もっとも私としては、中国が、公平さというこのような基本的なポイントを、今にして教訓として学んだとしていること自体がかなり驚きでした。