暗転する朝鮮半島情勢

2014.04.06.

私は、2月14日に朝鮮と韓国の間で達成された合意(「北南高位級接触」による「共同報道文」)は、朝鮮の極めて柔軟な対応によって可能となったものであり、「双方の誹謗中傷の中止」及び「適当な時期でのハイ・レベル会談」という合意内容は本年の朝鮮半島情勢の先行きに大きな期待を持たせるものだと評価しています。
 しかし、その後今日に至る事態は朝韓合意の内容を踏みにじるものであり、「米韓合同軍事演習のエスカレーション-朝鮮のミサイル発射-安保理議長の懸念表明-朝鮮の核実験警告」という今や旧知のエスカレーションによって、朝鮮半島情勢には早くも暗雲が垂れ込めるに至っています。3月30日の朝鮮外務省声明による朝鮮のイエロー・カード発出については前回のコラムで紹介しました。
 どうしてこのような事態になってしまっているのかを事実関係の推移に基づいて確認することは、今後の事態収拾・打開にとって不可欠な前提条件だと思います。私が目を通すことができる資料には限りがあります(特に韓国側の原資料が読めないことは致命傷に近い)が、手元にある資料を時系列で並べてみます(2.)。そして、そこから情勢悪化をもたらした要因を指摘したいと思います(1.)。

1.情勢悪化をもたらした要因

結論的に指摘する必要があるのは次の諸点です。
-2月14日の合意直後から朝鮮は韓国側の言動が朝鮮に対する誹謗に当たるとして不信感を深めていったこと
-朝鮮が米韓合同軍事演習に「目をつぶる」という最大限の譲歩を示して可能になった2.14合意であったにもかかわらず、米韓は例年以上の軍事演習を行うに至ったこと
-それに対抗して、朝鮮はロケット発射(これは安保理決議内容の違反を構成しない)のみならず、弾道ミサイル発射を3回行い、米韓は3月3日及び26日の分が安保理決議違反を構成するとして安保理に持ち込み、安保理議長談話(3月27日)を出させ、もともと安保理決議の効力を認めない朝鮮は、これに激しく反発したこと
-朴槿恵大統領の核セキュリティ・サミットにおける朝鮮の「並進路線」を批判した発言(3月24日)は、朝鮮にとって合意内容に対する公然たる違反、合意の否定そのものと見なされたこと

<韓国による誹謗中傷>
 朝鮮が誹謗中傷の中止という合意内容に違反するとした韓国側の言動には、韓国政府関係者の言動の他に、ビラの散布及び韓国メディアの報道内容が含まれています。しかし韓国からすれば、ビラ散布は民間団体によるものであり、韓国メディアの報道とともに憲法で保障された言論の自由に該当するものだから取り締まるすべはないということになります。この問題は水掛け論になるのですが、一つ言えることは、この問題だけだったら、事態が収拾つかなくなるような事態を招くことはなかっただろうということです。
 しかし、核セキュリティ・サミットにおける朴槿恵大統領の発言は、朝鮮からすれば絶対に容認・看過できない重大な合意違反であったことは間違いありません。経済建設と核開発の並進路線は金正恩政権のもとで打ち出されたもっとも根幹的な政策ですから、それを全面的に否定する朴槿恵発言は、朝鮮からすればレッド・カード以外の何ものでもありません。「誹謗・中傷を中止することに関する北南高位級接触の合意に彼女自身が乱暴に違反した」「朴槿恵は大きなミスを犯した」という3月26日の朝鮮祖国平和統一委員会スポークスマン談話には朝鮮の怒りの激しさが表れています。

<朝鮮の弾道ミサイル発射>
 朝鮮の弾道ミサイル発射問題は2月14日の合意内容とは直接関係するものではありません。しかし、朝鮮からすれば、米韓合同軍事演習を黙認するほどの重大な譲歩を行って2.14合意の実現を可能にしたのですから、本年の演習が自制の利いたものになるだろうという期待感が働いたとしても、それは自然なことでしょう。
 ところが実際に始まった演習では、「3月27日に始まった「双龍」訓練には1993年以降最大規模の兵力が参加し、不作法にも「平壌占領」を基本目標にして行われている」(3月30日の朝鮮外務省声明)と朝鮮が見なす、演習の質量両面にわたるエスカレーションがあったのです(重要なことは、朝鮮はそう認識したということです)。
 他者感覚を働かせて考えてみれば、このような事態に直面した金正恩指導部としては何らかの強硬な対抗措置を取らざるを得ないでしょう。短距離のロケットだけでなく、一定の飛距離を持つ弾道ミサイルの発射で対抗することは、良し悪しの次元をとりあえず横に置いて、理解できることです。
 しかし、他者感覚の持ち合わせがない米韓からすれば、これは直ちに安保理決議違反であり、米韓は当然の如く安保理に持ち込んだわけです。2.を詳しく見ていただければ分かるように、中国及びロシアは全当事者の冷静と自制を繰り返し求めていました。前のコラムでも指摘しましたように、安保理の行動に対する朝鮮の許容限界線(レッド・ライン)は極めて低く設定されていますから、中露がその点をしっかり踏まえていたならば、議長談話を出すことにも断固反対するべきでした。少なくとも、米韓合同軍事演習と朝鮮のミサイル発射との間の因果関係を踏まえた行動(朝鮮の気持ちを弁えた最低限の行動)を取るべきでした。しかし、私の知る限りでは、中露両国がそこまで踏み込んだ言動を心掛けたとは思えません。

<南北ハイ・レベル会談>
南北の2.14合意の今一つの合意事項であった南北ハイ・レベル会談については、3月26日に朴槿恵大統領が行ったインタビューの中で取り上げていますが、それ以外には、朝鮮側を含め一切取り上げられていません。
再び他者感覚を働かせて考えてみれば、仮に韓国側が真剣に2.14合意を遵守することを考えていたならば、韓国民間団体によるビラ散布や韓国メディアの報道内容を規制することはできないとしても、韓国政府としては2.14合意の趣旨に合致しないものとして、遺憾表明ぐらいはできるはずです。しかし、すでに述べたように、韓国政府は杓子定規の弁解に終始したわけですから、朝鮮としては韓国政府の誠意のなさをかぎ分け、次第に不満・不信を昂じていったと考えられるのです。
南北ハイ・レベル会談についても同じで、インタビューでは口にしたけれども、核セキュリティ・サミットというもっとも重要な機会において口をつぐむ(それだけではなく「並進路線」を酷評し、否定した)のですから、朝鮮側としては朴槿恵政権が2.14合意遵守に誠意がないと感じるとしても、それは当然のことだと思います。

<2.14合意>
 結局、朝鮮から見れば、朴槿恵政権は金正恩指導部から譲歩だけを引き出して、それに見合うだけの誠意を何も示していないという結論に到達することになったのではないでしょうか。それどころか、米韓合同軍事演習の質量をエスカレートすることで、2.14合意を成果として位置づけたかったはずの金正恩指導部にとっては屈辱以外に何も残らなかったというわけです。3月26日の朝鮮祖国平和統一委員会スポークスマン談話に始まる朴槿恵名指し批判及びその後の彼女に対する激しい言辞(私も「そこまで言うか?」と思いますが)は、そういう金正恩指導部のすさまじいまでの怒りの表れでしょう。

2.2月14日から今日に至る事実関係の推移

◯ 2月14日 南北ハイ・レベル合意(共同報道文)
① 相互誹謗中止。双方の関心ある問題に関する協議継続、及びそれによる南北関係の積極的改善
② 適当な時期にハイ・レベル会談を行うこと

◯ 2月21日 朝鮮、射程距離約150キロの新型ロケット(KN-09?)4発を発射

◯ 2月24日付労働新聞「南朝鮮当局はあらゆる誹謗、中傷を中止すべきだ」
 「先日、南朝鮮軍部は北南間に誹謗、中傷を中止する問題と「対北心理戦は別個」だとし、むしろそれをより本格的に推し進めると公言した。南朝鮮の統一部も「北の人権を強調」するのは「誹謗、中傷と別個」だとし、反共和国人権騒動にさらにやっきになって執着している。保守メディアも北南関係改善のための共和国の度量の大きくて雅量のある措置を中傷、冒瀆する反共和国謀略宣伝に引き続き熱を上げている。」
「南朝鮮当局が心から北南関係の改善を願うなら、互いの誤解と不信を増大させ、対決と敵対感を鼓吹する誹謗、中傷を直ちに中止する決断を下さなければならない。」

◯ 2月25日付労働新聞署名論評
 「(キー・リゾルブ(KR)及びフォール・イーグル(FE)を「北南関係の改善と朝鮮半島の緊張緩和のために誠意ある努力を傾けている共和国に対する悪らつな挑戦」とした上で)今後も、我々は自制力と忍耐力を持って朝鮮半島の平和守護のために引き続き努力していくであろう。だが、内外の好戦狂らがわれわれの平和守護の意志を誤って判断して先に発砲するなら、民族の安全と尊厳をかけて断固と対応するであろう。」

◯ 2月27日 中国外交部華春瑩報道官発言
 (朴槿恵就任1年に際しての対朴槿恵政権評価)「朴槿恵大統領は南北関係改善に力を入れ、多くの努力を行っている。このことに対して中国側は積極的に評価している。糊塗しになってから、半島情勢は安定に向かっているが、このことは韓朝両国を含む関係国の共同の努力と密接不可分だ。韓朝双方が民族の大儀と共通の利益から出発して、不断に関係を改善し、和解協力を実現し、この地域の平和と安定に積極的に貢献することを希望する。中国は、南北関係改善に確固とした支持を提供する。」

◯ 2月27日 朝鮮、短距離弾道ミサイル4発発射(射程距離は220キロのスカッド)
 同日の米国防省スポークスマン、「米軍は今回の発射を挑発的行為とは考えていない」と表明。

◯ 3月3日 朝鮮、東海岸で2発の短距離ミサイル発射(射程距離は500キロ以上のスカッドCまたはDを改良したER) (同日付中新網は、朝鮮が保有するスカッド・ミサイルは、射程距離200キロのスカッド、300キロのスカッドB、500キロのスカッドC、700キロのスカッドDと説明)
 同日、韓国国防部スポークスマン見解
「今回の予告なしに行われた朝鮮のミサイル発射は重大な挑発行為」
「表面的には柔軟な平和攻勢をかけながら、実際上は軽率に挑発を仕掛けている」
「朝鮮が弾道ミサイル技術を利用して行うすべての発射行為は、安保理決議1874、2087、2094に違反する。また、MTCRによれば射程300キロ超のミサイルは輸出できないところ、かつてミサイルを輸出したことがある朝鮮が今回発射したミサイルは射程距離が500キロ超であり、したがってMTCR規定にも違反する。安保理に対して再度朝鮮を制裁することを提起するかどうかを考慮中。」
 同日、米国務省のサキ報道官見解
「朝鮮の行動及び意図を注視しており、安保理の上記諸決議を含む国際的義務及びコミットを朝鮮が履行するか注目している。」

◯ 3月4日 朴槿恵大統領、離散家族の手紙交換及びテレビ面会などについて朝鮮と協議したいと表明するとともに、統一準備委員会設置を提議

◯ 3月4日付朝鮮中央通信解説「「防禦」の看板を掲げた北侵攻撃演習」
(KRとFEについて)「「作戦計画5027」による今回の軍事演習に「合わせ型抑止戦略」と「共同局地挑発備え計画」を適用している」
「「合わせ型抑止戦略」とは、共和国が核やミサイルを使用する徴候を少しでも見せれば核兵器を含むすべての軍事的手段を動員して先制打撃するという危険極まりない戦争シナリオ」
「「共同局地挑発備え計画」もやはり、米帝侵略軍が北南間の些細かつ偶発的な衝突にも介入してそれを全面戦に拡大することを基本としているもの」
「この期間、最短日時内に「平壌占領」作戦を遂行することを想定した大規模な実弾射撃演習を行うことについて隠していない。」

◯ 3月5日 中国外交部秦剛報道官発言
 (4日の朝鮮の発射に関するコメントを求められて)「現在、半島情勢はおおむね安定している。各国はお互いに力を合わせ、情勢を良い方向に発展させていく必要がある。関係国が引き続き相互関係の改善に力を入れ、互いに刺激し合うことを避け、平和と安定に有利なことを多く行い、共同で半島の平和と安定を守り、6者協議の早期再開のために有利な条件と雰囲気をつくり出すことを希望する。」
 同日 朝鮮人民軍戦略軍スポークスマン警告(同日付朝鮮中央通信)
(アメリカの非難に対して)「我々に仕かけてくる無謀な挑発が度を越えればわれわれの防御型ロケットの訓練発射があっという間に最も威力ある攻撃型ロケット発射の報復につながる」
「最近だけでも、我々の人工衛星の打ち上げをミサイルの発射だと言い張って国連の「制裁」決議というものをつくり上げることで、情勢を戦争の瀬戸際へ突っ走るようにした。今回も、米国とその追随勢力はわれわれのロケット発射訓練を口実にしていわゆる「イラン式制裁」「より徹底した封鎖」などと言って、またもや緊張を激化させる無謀な道に入ろうと画策している。これには、最近われわれの主動的な措置によって北南対話と朝日接触の兆しが現れていることに対する米国の妬みも大きく作用している。」
 同日 朝鮮国防委員会の韓国国家安全室に対する通報
韓国民間団体が朝鮮に対してビラをまいていることに不満表明。

◯ 3月6日付中国新聞網 アメリカ、安保理の行動を要求する報告を提出
 朝鮮が過去1週間のうちに2回ミサイルを発射した行動について、国連の制裁に明確かつ故意に違反するものとして「適当な行動を取る」ことを要求。
 同日 (国連消息筋が6日に明らかにしたこととして)米韓、安保理朝鮮制裁委員会に対して意見書を提出し、朝鮮の2回の短距離ミサイル発射が安保理決議違反であると非難、安保理が措置を取ることを要求。
 ただし、これを報じた7日付中新網は、朝鮮は弾道ミサイルを発射したことを認めておらず、5日の朝鮮人民軍戦略軍スポークスマン声明においてはロケット発射だとしていることを紹介。

◯ 3月7日 中国外交部秦剛報道官発言
 (朝鮮の短距離ミサイル発射は安保理決議違反と韓国が見做していることに対するコメントを求められて)「我々は、関係国が情勢の緊張緩和に有利なことを多く行い、共同で半島の平和と安定を守ることを呼びかける。これこそが大局であり、各国の利益に合致する。この勢いが維持されていくことを希望する。」

◯ 3月12日 北南高位級接触北側代表団スポークスマン談話
「北南高位級接触合意の履行が重大な岐路に立たされている」
「誹謗・中傷の先頭に立っているのが南朝鮮当局者等」
「外交部長官という者は、われわれが対話攻勢を張っているが、実際は合同軍事演習の中止を求めるなど「挑発に余念がなく」、「何の変化の動きもない」という甚だしく刺激的でごう慢無礼な妄言を吐き続けている」
「「統一部」長官という者もやはり、同族非難に狂ったあげく、我々がいわゆる約束を守らなければ「余得もない」という恥ずべきかつ鼻持ちならぬ妄言でわが軍隊と人民を憤激させている」
「「朝鮮日報」「中央日報」「東亜日報」をはじめ保守新聞がありもしない事実をねつ造して謀略報道をすれば、「KBS」「MBC」「SBS」などの放送がそれに負けずに荒唐無稽なことを付け加えて報じている」
「南朝鮮当局がいわゆる「表現および集会・結社の自由」というとんでもない弁解を並べ立ててわれわれに対する誹謗・中傷を「明確な根拠がない限り、 制限できない」というふうに振る舞うほど、無能を自らさらけ出すのはもちろん、北南関係を悪化させた責任から逃れられないということを明白に認識しなければならない」
「全同胞の大きな期待と関心の中で北南高位級接触が行われ、大事な民族的合意が成されたが、1カ月もならない間の現実はこのように想像を絶している」
「南朝鮮当局の態度と動きを厳密に注視するであろう」

◯ 3月14日 アメリカの朝鮮敵視政策に対する朝鮮国防委員会声明(全文発表は15日)
 「我々が正常な現実的眼識と思考を持った主人がホワイトハウスに入る時まで、強い忍耐を持って待ってみようとする」
「現在のように米国の核脅威と恐喝が続く限り、自衛的核抑止力を強化するためのわが軍隊と人民の闘争は続き、その威力を誇示するためのわれわれの追加的な措置も連続取られる」
 同日 「共和国の度重なる警告にもかかわらず、南朝鮮で反統一対決狂信者らの同族に対する誹謗、中傷が度合いを超えて極点に至っていること」に関する祖国平和統一委員会スポークスマン談話
 「11日、かいらい情報院傘下「安保戦略研究所」の所長ユ・ソンオッという者は「セヌリ党」所属議員らの会である「統一経済教室」で行った特別講演で、共和国の最高の尊厳を悪らつに謗りながら「暴悪さ」「恐怖政治」などの口に乗せられない悪口を言った」
「問題は執権与党である「セヌリ党」が情報院の醜悪な誹謗、中傷に積極的に合流したことである」
「今回の挑発は、相手に対する誹謗、中傷を中止することに関する北南高位級接触の合意を露骨にひっくり返し、それに正面切って挑戦する行為である」
「かいらい保守一味の不純な挑発的行為によって、今年に入って内外の大きな関心を集めていた北南関係改善の動きが重大な障害にぶつかり、同胞の期待と希望が挫折と失望に変わっている」
「南朝鮮当局が真に信頼を築き、北南関係を改善していこうとする意思があるなら、われわれの体制を悪らつに中傷した今回の重大な挑発行為に対して謝罪するようにすべきであり、再発防止のための責任ある措置を取るべきである」

◯ 3月16日 朝鮮、射程距離約70キロのロケット25発を発射(韓国国防部)

◯ 3月20日 米軍部、「双龍」(Twin Dragons)演習を3月27日-4月7日に行うことを発表

◯ 3月22日 朝鮮、射程距離約60キロのロケット30発を発射(韓国連合参謀本部
◯ 3月23日 朝鮮、射程距離約60キロのフロッグ地対地ロケット16発を発射(韓国連合参謀本部)

◯ 3月23日 習近平・朴槿恵会談(ハーグ)

◯ 3月24日 朝鮮国連代表部副代表・李東日の記者会見
「もしもアメリカが朝鮮に対する核恫喝を停止しないならば、朝鮮は「さらなる措置」によって応えるだろう」
(具体的内容及び日時を問われて)「刮目して待っていてほしい」

◯ 3月24日 朴槿恵、核サミットで演説
「朝鮮はNPT及び国連安保理決議に違反して核兵器を研究開発しており、その能力は不断に高まっている。」
「朝鮮の核問題は核セキュリティにとっての不安材料であり、核拡散の危険をはらむ。したがって、世界の平和と安定を守るため、国際社会は朝鮮に対して核兵器を廃棄させ開ければならない。」
「世界の非核化を実現するためには朝鮮半島から始める必欧がある。」
「朝鮮の非核化は朝鮮半島の平和的統一の主要な課題であり、朝鮮の非核化を実現するためには韓国の努力だけではなく、国際社会の共同の努力が必要だ。」
「したがって、国際社会が団結一致して朝鮮の非悪かを実現することを強く呼びかける。」
 同日 米国務省のハーフ報道官発言
22-23日の朝鮮のロケット発射は安保理制裁決議に違反していない。

◯3月25日 朝鮮の核問題に関する米日韓首脳会談

◯3月25日 朝鮮祖国平和統一委員会書記局報道第1058号
「24日、かいらい軍部一味が白翎島と大延坪島をはじめ朝鮮西海の5島一帯で銃砲を撃ち、われわれの最高の尊厳と体制を謗るビラを散布する極悪な挑発行為を強行した」
「誹謗・中傷を中止することにした北南合意をひっくり返す極悪非道な挑発を強行したのは、北南関係の改善を願う民族の志向に対する露骨な挑戦行為」
「南朝鮮当局は、人間のくずと右翼保守団体を推し立てて反共和国ビラ散布を行うようにしては誹謗・中傷中止の合意を順守すべきだという我々の正当な要求に対していわゆる「言論の自由」だの、何のという詭(き)弁で弁解した」
「今回、かいらい軍部一味がわれわれの最高の尊厳と体制を中傷、冒瀆する特大型挑発犯罪を働いたので南朝鮮当局は口が十あっても弁明できなくなった」
同日 韩国国防部金珉奭報道官発言
「韓国軍が3月24日に正解の5島嶼地域で朝鮮に向けてビラをまいたという主張は事実ではなく、ビラをまいたのは韓国の民間団体である。」
「韓朝が2004年に達成して6.4合意以来、韓国政府は朝鮮に向けてビラをまいたことはない。」

◯3月26日 朝鮮、射程距離約650キロの弾道ミサイル(ノドン?)2発を発射(韓国連合参謀本部)
 同日 米国務省声明
「朝鮮の挑発行動がエスカレートしている」
「同盟国と緊密に連携して、朝鮮の「安保理決議違反行為」に対して適切な措置を取る」
同日 韓国外務省報道官声明
「朝鮮の安保理決議違反の「挑発」行為に対して安保理で適切な措置を取る」
 同日 中国外交部洪磊報道官発言
 (朝鮮が再び弾道ミサイルを発射したことに関するコメントを求められて)「我々は関係報道に留意している。現在の情勢の下では、関係国が情勢の緩和にとって有利なことを多く行い、共同で朝鮮半島の平和と安定を守ることを希望する。」
同日 ロシア外務省声明
 「朝鮮のノドン中距離弾道弾の発射に対して自制を保つことを呼びかける。」
 「情勢の緊張低減、地域の平和、安定及び互恵協力という目標を指針にしなければならない。」
 同日 米国務省ハーフ副報道官発言
 「朝鮮は朝鮮半島の緊張を激化させる行動を停止し、非核化の措置を取るべきだ。アメリカはすでに朝鮮に対して厳しい制裁措置を取ったが、朝鮮が正しい選択を行わないならば、制裁と国際社会からの孤立は免れない。」
(アメリカはさらなる制裁を取るかとの質問に対して)「現在、安保理メンバー国と問題を議論しているほか、地域の同盟国との間で適当な対応策について協議している。」

◯ 3月26日 朴槿恵、インタビュー発言(韓国連合通信社)
 「必要な時期に韓朝首脳会談を行い、朝鮮の核問題、半島の平和及び韓朝関係の発展について協議することは可能だ。」
「韓朝首脳会談は、実質的内容がある必要があり、対話のための対話であってはならない。」
「朝鮮が「経済発展と核開発の並進路線」を取ろうとしても実現できず、朝鮮が核を放棄すれば、韓国を含む国際社会は朝鮮に対して経済援助を提供するだろう。」
「韓国政府は、離散家族再会活動の定期的実現を促進し、朝鮮住民に対して人道主義的援助を引き続き行うだろう。」
「朝鮮との民間交流も強化し、双方の文化的差異をさらに縮小する必要がある。」

◯ 3月26日 朴槿恵・メルケル首脳会談
 「双方は、朝鮮が核兵器を保有することを絶対に許さず、朝鮮に核兵器を放棄して、国際社会の責任ある一員になることを促すと一致して認めた。」

◯ 3月26日 朝鮮祖国平和統一委員会スポークスマン談話
 「最近、朴槿恵はオランダで行われた第3回「核安全首脳会議」に参加して我々の核問題にとんでもなく言い掛かりをつけて甚だしく意地悪な妄言を吐いた。」
「米国の核戦争の手先である朴槿恵が上司の真似をして「核なき世界」を云々したのも笑わせることであるが、それを「北の核廃棄」から始めなければならないと言ったのはどこが始めで、どこが終わりかも判別できない無知の表れでなければ、米国と同じ根性の醜悪な正体をさらけ出すことになるだけである。」
「朴槿恵は今回、われわれの核にとんでもなく言い掛かりをつけ、並進路線まで謗ることにより、誹謗・中傷を中止することに関する北南高位級接触の合意に彼女自身が乱暴に違反した。」
「朴槿恵は大きなミスを犯した。」
「我々は、朴槿恵の田舎っぽい行動を引き続き注視するであろう。」

◯ 3月27日 韓国政府の立場表明(韓国連合通信社)
 (朝鮮が朴槿恵大統領を名指し批判したことについて)「韓国の国家指導者の正常な外交活動に対して朝鮮が不遜傲慢な発言を行ったことは韓朝間の合意に違反し、かつ、もっとも基本的な礼節をも弁えないものであり、韓国はこれに対して遺憾を表明するとともに、朝鮮がこのような無礼な行動を直ちにやめることを促す。」
 「韓国政府は朝鮮に対する誹謗中傷に直接かかわったことはない。韓国民間団体及びディアは、法律に基づく言論の自由を享受しており、政府としてはいかなる法律を以てしても彼らの行動を制止する根拠を持たない。」
 「韓国政府は、朝鮮が国際規範及び韓朝間の合意を遵守し、韓朝関係の発展及び朝鮮半島の平和を実現するために朝鮮が誠意或る行動を取ることを呼びかける。」

◯ 3月27日 中国外交部洪磊報道官発言
 (安保理が朝鮮のミサイル再発射について緊急会合を開くことに対する中国の立場を問われて)「現在の情勢の下においては、各国がすべて共同で朝鮮半島の平和と安定を守ることに力を尽くすべきである。」

◯ 3月27日 安保理(3月28日付中新網報道記事)
 「安保理は朝鮮が弾道ミサイルの発射実験を行ったことについて非公開協議を行った。安保理は朝鮮のこの行為を非難し、速やかに適当な対応措置を取ることについて一致して同意した。今回の非公開協議は30分足らずであった。3月の議長であるルクセンブルグの国連常駐代表は会合後に記者に対して、安保理メンバーは安保理決議に違反した朝鮮の行動を非難すると述べた。」
3月28日 中国外交部洪磊報道官発言
 (安保理議長の短いコメントに対する評価を問われ)「現在の情勢の下では、各国は朝鮮半島の平和と安定に有利なことを多く行うべきであると考える。」

◯ 3月28日 (南朝鮮で狂気じみて働かされる反共和国ビラ散布行為により、北南関係がまたもや破局的な危機へ突っ走っていることに関連した)北南高位級接触北側代表団スポークスマン談話
 「外国に行っては同族の核問題をむやみにけなして奔走し、南朝鮮内では同族に反対するビラ散布と誹謗・中傷行為を公然とあおり立てるのがまさに、朴槿恵が主導している今日の南朝鮮当局である。」
 「南朝鮮で続いている反共和国ビラ散布行為は、貴重な民族的合意に対する露骨な破棄であり、いかなる場合にも許されない最も重大な反民族的反逆行為である。」
 「2月14日に行われた北南高位級接触で、双方は相互誹謗と中傷をしないということを民族の前で厳かに確約する歴史的な合意を成し遂げた。しかし、現実はわれわれの期待を無残に崩した。」
 「自分の目的を達成するためにうわべだけの合意を取り付けるのが朴槿恵の対話交渉術であり、「体制の特性」と「言論の自由」のような口実でない口実を持ち出して成し遂げた合意をためらわずに投げ捨てるのが朴槿恵式「信頼づくり」の特技であるのかと問わざるを得ない。」
 「度合いに越えて拡大する反共和国ビラ散布と悪らつな誹謗・中傷は、我々に宣戦を布告する公然たる戦争挑発行為である。」  「朴槿恵は、人として生きることを止めて久しい人間のくずを抱えるほど、汚らわしくて鼻持ちならぬ悪臭だけをかぐことになるであろうし、しまいには大きなゴミ捨て場の主人という汚名だけをかぶることになるであろう。」
 「全同胞が南朝鮮当局の動きを注視している。」

◯ 3月29日 労働新聞署名入り論評
 (朝鮮中央通信の導入)
 「共和国は、南朝鮮の執権者がオランダで開催された第3回「核安全保障サミット」で核問題にかこつけて我々をとんでもなく非難し、ひどい悪口を並べ立てたことに関連して、祖国平和統一委員会(祖平統)スポークスマンの回答でその不当性を暴露し、彼女の田舎っぽい行 動に注意を喚起した。」
 「ところが、これに関連して南朝鮮当局は北南間の合意に対する「重大な違反」だの、何のとして騒ぎ立て、騒動を起こしている。」
 (労働新聞論評)
 「朝鮮半島の核問題の本質についてはっきり認識もせずに体面もなく国際会議の演壇に出て我々をやたらにけなし、あらゆる雑言を並べ立てたのがまさに、南朝鮮執権者だ。」
 「南朝鮮の執権者が先頭に立って誹謗・中傷中止の合意をひっくり返し、対決を扇動するのを傍観しているわけにはいかないので我々が正しいことを言ったのだ。」
 「南朝鮮当局が我々の警告を無視し、悪意的な誹謗・中傷に引き続き執着するなら、北南関係は破局を免れない。そうでなくても現在、北南関係は南朝鮮で強行されている挑発的な「フォール・イーグル」合同軍事演習によって重大な危機に直面した。これを心配して事態の収拾に苦心する代わりに、「北の核放棄」などと言って同族に引き続き言い掛かりをつけて外部勢力との反共和国対決共助を強化するならば、いずれにしても北南関係は悲劇的事態を迎えるしかない。今後、北南関係の運命は全的に南朝鮮当局の行動いかんにかかっている。」

◯ 3月30日 (3月28日の北南高位級接触北側代表団スポークスマン談話が朴槿恵を名指し批判したこと及びビラ配布に関する)韓国政府声明
 「韓国政府は未だかつて朝鮮を誹謗中傷する行為を行ったことはない。ビラの散布に関しては、韓国の民間団体及びメディアは法律に基づく言論の自由があり、韓国政府としては干渉することはできない。」
 「国際社会が一致して朝鮮の核放棄を呼びかけているのに、朝鮮はこれを「誹謗」と称し、「常識に合わない」言葉遣いで韓国大統領を冒瀆している。韓国政府は今後も半島の平和及び信頼醸成プロセスを推進するが、朝鮮が積極的に応じることを希望する。」

◯ 3月30日 朝鮮外務省声明
 「今日、朝鮮半島で新たな戦争を防ぎ、平和と安全を保障するための我々の真摯な努力は敵対勢力の重大な挑戦にぶつかるようになった。」
 「去る28日、国連安全保障理事会は米国の緊急要求によって開かれた非公開協議会というところで我々の正々堂々たるロケット発射訓練に不当な言い掛かりをつけて「糾弾」する不法非道な挑発行為を働いた。」
 「今年に入って我々の主動的かつ平和愛好的な誠意と努力によって、朝鮮半島に緩和の機運が生じていたことにもかかわらず、米国はとうとう膨大な侵略武力と殺人装備を引き入れて南朝鮮のかいらいと共に「キー・リゾルブ」「フォール・イーグル」合同軍事演習を開始した。その規模と危険性は、次第に大きくなって3月27日に始まった「双龍」訓練には1993年以降最大規模の兵力が参加し、不作法にも「平壌占領」を基本目標にして行われている。」
 「国と人民の安全を守り、平和を守ることを使命としているわが軍隊が重大な現事態に対応することのできる準備を抜かりなく整えるのは余りにも当然である。」
 「にもかかわらず、国連安全保障理事会が米国のヒステリックな核戦争演習は知らないふりをし、それに対応したわが軍隊の自衛的なロケット発射訓練は いわゆる「決議違反」「国際平和と安全に対する脅威」に仕立てて「糾弾」し、「適切な措置」をまたもや取ろうとするのは絶対に許せない行為である。」
 「我々が「違反」したという国連安全保障理事会の「決議」について言うならば、それは米国の対朝鮮敵視政策の所産で、わが共和国の自主権と民族の安全を乱暴に侵害し、平和的な衛星の打ち上げの権利まで奪おうとする白昼強盗さながらの要求に一貫したものである。それゆえ、我々はそれらの「決議」が発表されるやいなや、全面排撃し、我々にはそれに拘束される理由が少しもない。」
 「国連安全保障理事会が不公正に米国のシナリオに乗せられて不当極まりない「決議」を物差しにして我々の正々堂々たる権利の行使をあくまでも否定しようとするなら、朝鮮半島と地域の平和と安全の維持に寄与するどころか、緊張激化と衝突だけを招くことになるであろう。」
 「米国が自分らの戦略的利害関係から国連安全保障理事会を盗用して我々を孤立、圧殺しようとする策動に執着し続ける限り、我々も正当防衛する権利があり、その準備もすべてできている。米国が「定例的」だの、何のとして「平壌占領」などを狙って各種の核打撃手段を総動員して核戦争演習を絶え間なく行っている状況の下で、それに対処するための我々の訓練にもより多種化した核抑止力を相異なる中・長距離の目標に対して相異なる打撃力で活用するための各種の形態の訓練がすべて含まれることになるであろう。」
 「米国がこれにまたもや「挑発」の言い掛かりをつける場合に対処して敵が想像しがたい次段階の措置もすべて準備ができている。核抑止力をさらに強化するための新たな形態の核実験も、排除されないであろう。」
3月31日 中国外交部洪磊報道官発言
 (朝鮮外務省声明についてのコメントを問われて)「中国は関連する動向に関心を表明する。強調したいのは、朝鮮半島の非核化実現、半島の平和と安定維持、対話と協議を通じての問題解決を堅持する中国の立場は明確かつ確固たるものだということだ。現在の半島情勢はかなり脆弱であり、半島の平和と安定を維持することは関係各国にとって利益になる。関係各国が冷静自制を維持し、半島の平和と安定に不利なことを行わないことを促す。」

◯ 3月31日 南北砲撃
 同日 中国外交部洪磊報道官発言
 「目下、朝鮮半島情勢は緊張が増しており、中国は懸念を表明する。中国は、半島の平和と安定を損なういかなる行動にも反対であり、各国が冷静と自制を保ち、言行に注意し、情勢が繰り返しエスカレートすることを防止し、半島の平和と安定を維持することを促す。」
 同日 ロシア外務省ニュース出版局評論
 「地域の情勢が定期的に悪化するのは、毎年米韓が大規模な軍事演習を行う時期と一致している。」
 「ロシアは、北東アジアにおいて過度な軍事活動、特に、戦略爆撃機による爆撃訓練、「外国の行政中心」を占領する上陸作戦などの挑発的な活動を許さないと幾度も強調した。」
 「関係国が最大限度の自制を保ち、朝鮮半島及び周辺の情勢を危険にするいかなる声明及び行動をも防止することを、ロシアは再度断固として呼びかける。」

◯ 3月31日 朝鮮中央通信「より活発になる朝鮮の宇宙開発」

◯ 4月1日 朝鮮中央通信解説「南朝鮮執権者の低級な外交」
 「青瓦台の女主人朴槿恵が大統領になるやいなや、この国、あの国を訪ね回って民族に恥をかかせている。」
 「朴槿恵にいかなる初歩的な政治哲学や民族の構成員らしいところが、そして理念らしい理念があるか。」
 「南朝鮮内ででまかせにしゃべる婦女子の水準から脱せずにいるため、世人から言えること、言えないことも判別できない「低級な政治家」という後ろ指を指されて当然である。」
 「米国に行ってニューヨークの空港にたった一人の米国の政界人士も迎えに出なかったことに対して侮蔑感を覚えて憤激する代わりに、上司の機嫌を取るために議会の演壇でどもりながら上手でもない英語で言いふらして満場の嘲笑の種となり、英国とフランスへ行ってもその国の言葉で演説して鼻持ちならない振る舞いをした女である。」
 同日 労働新聞署名入り論評
 「朴槿恵の妄言と彼女の下品な行動は事理と真実を突き止める前に嫌悪感と幻滅感を覚えさせる。」
 「朴槿恵が「経済難」と言って我々をやたらに誹謗したのは同族に対する耐えがたい愚弄、冒瀆である。」
 「朴槿恵が追求する「統一」は我々の尊厳高い思想と制度を害するための反民族的な「体制統一」である。そのような凶悪な下心を抱いていながらも、「統一構想」と言ったのだから、それこそ面の皮が厚くても普通ではない。」
 「彼女がふざけたことを言って誰それに対する「支援」だの、「共同繁栄」と「同質性の回復」などと唱えたのは、元も子もないことである。」
 同日 朝鮮中央通信解説「人を笑わせることをいつまでするつもりか」
 「南朝鮮の執権者朴槿恵が大人気ない婦女子の根性を捨てず、天に唾すことを面白がっている。」
 「詐欺と父親の後光によって青瓦台のポストを占めたなら、おしゃべりな婦女子ではなく、少しでも「大統領」の真似でもすればふさわしいことだが、行く先々で体面もなく振る舞っているのだから同じ女性として決まりが悪い。」
 「朴槿恵は今回も、青瓦台で人間のくずらの悪口をそのまま書き入れた情報院のシナリオを持ち出して我々の経済難がどうだの、飢餓だの、何のとけなした。」
 「人を笑わせる女、その年になっても自分の頭の上のハエも追えない間抜けはどうにもならないようだ。」
 「朴槿恵は、人を笑わせることをそれぐらいでやめて、頭の上のハエから追う方がよかろう。」
同日 韓国政府、朝鮮を批判する再度の声明
 「朝鮮が連日、朴大統領がドイツのドレスデンで提起した「3つの提案」に対して批判し、「低俗の言葉遣い」で韓国の国家指導者の外交活動を批判することはもっとも基本的な常識にも違反している。朝鮮は慎重熟慮し、言行を慎むべきであり、韓国は朝鮮の今後の言動を関心を持って見守る。」
「朝鮮は、自らの最高の尊厳に対する批判の中止を韓国に求めておきながら、韓国指導者に対して誹謗を行うのは明らかに二重基準である。朝鮮はその前に「重要提案」を提起し、韓朝関係の改善を要求したのに、朝鮮の最近の言動は「重要提案」はそら言に過ぎないのではないかという疑問を持たさざるをえない。」

◯ 4月4日 労働新聞署名入り論評「北南関係は対決政策の玩弄物ではない」
 「内外の期待と関心を集めていた北南関係改善の流れが今、深刻な逆風にぶつかっている。」
「南朝鮮当局は、祖国に反逆した人間のくずをあおり立てて共和国の最高の尊厳と体制を悪らつに謗るビラを散布する許せない敵対行為を働いた。また、浦項一帯で米国と共に北侵先制攻撃を想定した史上最大規模の「双龍」連合上陸訓練をヒステリックに行うなど、「フォール・イーグル」合同軍事演習をさらに拡大している。」
「南朝鮮当局の挑発行為はやっと遂げられた北南合意に対する露骨な破棄であると同時に、北南関係を再び対決と戦争危機の極端へとためらうことなく追い込む無分別な妄動である。」
「南朝鮮当局は、米国と結託して今回の連合上陸訓練を史上類例のない最大の規模で強行することによって、自分らが対話ではなく、軍事的対決の道を選択しているという否定できないシグナルを送っている。」
「去る2月にあった北南高位級接触で遂げられた北と南が誹謗・中傷を中止するという歴史的な合意は、全同胞を大きく喜ばせ、国際社会の一致した歓迎を受けた。」
「しかし、南朝鮮の当局者らはわれわれの前で執権者の委任まで取り上げて誓った盟約を弊履のごとく棄てるように冷たく無視し、むしろ合意以前よりもヒステリックに挑発に執着している。」
「反逆の二の舞を引き続き演ずる者は、歴史のしゅん厳な裁きを免れない。」
 同日 労働新聞署名入り論評「正当防衛は朝鮮の固有の自主権行使」
 「最近、国連安全保障理事会がわれわれの正々堂々たるロケット発射訓練に 不当に言い掛かりをつけて「糾弾」する挑発行為を強行したのは、国際的正義に対する乱暴な蹂躙(じゅうりん)である。」
「国連安全保障理事会が公正さもなしに、米国のシナリオに乗せられて不当極まりない諸「決議」を物差しにしてわれわれの正々堂々たる自衛的権利の行 使をあくまでも否定しようとするならば、朝鮮半島と地域の平和と安全の維持に寄与するどころか、緊張激化と衝突、侵略と戦争だけを招くことになるであろう。」
「米国が国連安保理を盗用してわれわれを孤立、圧殺しようとする策動に執着し続ける限り、われわれも正当防衛の権利を手段の限りを尽くして行使するであろう。」
 同日 労働新聞署名入り論評「米国と南朝鮮軍部好戦狂らの北侵上陸訓練を糾弾」
 「今年の「双龍」訓練は以前とは比べられない史上最大の規模で強行されている。史上初めて、米軍の特殊作戦用垂直離着陸輸送機オスプレイ22機が演習に動員されて作戦遂行能力を試している。以前の「双龍」訓練は、海上からの浸透を基本にして行われた。しかし、今年は垂直離着陸輸送機を利用した空中浸透作戦まで並行して強行されている。米国と南朝鮮当局は、内外の一様な糾弾にもかかわらず、史上最大の北侵上陸訓練を強行して朝鮮半島の情勢を予測できない超緊張状態に追い込んでいる。」
「われわれが内外の好戦狂らの軍事的挑発に断固と立ち向かっていくのは、当然な自衛的権利である。」