朝鮮の人工衛星打ち上げと中国のスタンス

2012.04.15

*4月13日に行われた朝鮮の人工衛星打ち上げに前後して、中国の『新華社』通信(以下「新華社」)は、中国外交部報道官の記者会見での発言や「背景資料:朝鮮の衛星打ち上げレビュー」という記事を配信しています。また、金正恩体制に関しても興味深い文章を掲載しました。さらに、この問題に対する日本における動きに関しても逐次報道していて、中国側の対日関心の所在を窺うことができます。朝鮮半島情勢の帰趨のカギの一つを握る中国側の見方を理解しておくことは重要だと思いますので、テーマを分けて紹介し、私のコメントも適宜つけておきます。まずは人工衛星打ち上げに関する中国のスタンス(立場)について(4月15日記)。

<中国外交部報道官及びアジア局長の見解>

 新華社は4月13日付で、外交部の劉為民報道官が行った記者会見での発言を次のように報道しました。

 「中国側は、関係各国が冷静と抑制を維持し、接触と対話を堅持し、半島及び地域の平和と安定を協力して維持することを希望する。
 (「朝鮮が衛星打ち上げは軌道に乗らなかったことを公表したことに関して、関係国がコメントしているが、中国側はこの点に関してどのような見解であるか」という記者の質問に答えて)中国側は、朝鮮の衛星打ち上げの状況に留意しているし、関係各国の反応にも留意している。我々は、関係各国が冷静と抑制を維持し、半島及び地域の平和と安定を損なうことをせず、接触と対話を堅持し、半島及び地域の平和と安定を協力して維持することを希望する。」

 冒頭の発言と記者の質問に答えた発言とはほぼ同じ内容ですが、唯一「半島及び地域の平和と安定を損なうことをせず」という点だけが新しく加わっています。この新しい発言部分は、後でも紹介しますが、2009年の朝鮮の人工衛星打ち上げに対して、米日(韓)主導で行われた安保理での非難・制裁が朝鮮の核実験という情勢悪化を引き起こした苦い経験を踏まえたもので、米日韓に自制を求めることに重点が置かれていると見るべきでしょう。
 劉為民報道官は、4月10日及び12日にも朝鮮の人工衛星打ち上げに関して次のような発言を行っていました。

(4月10日)
 中国側は、事態の展開に対して繰り返し関心と憂慮を表明してきた。中国側は、半島及び東北アジア地域の平和と安定を維持することは各国の利益に合致するとともに、各国の共同の責任でもあると考えており、各国が大局から出発して冷静と自制を維持し、関係する国際法を確実に遵守し、半島の緊張した情勢がエスカレートすることを防止することを希望する。
 (朝鮮が第三回の核実験を行うと韓国メディアが報道したことに関して)中国側は半島の非核化プロセスを推進することを断固主張しており、この立場には変わりない。同時に中国側は、関係各国が協力して努力を払い、容易ではない半島の情勢緩和の形勢が逆転することを防止するよう(関係各国に)呼びかける。

(4月12日)
 朝鮮が衛星打ち上げを発表した問題に関する中国側の立場には変更はなく、キーワードは、大局に着眼し、冷静に自制し、共同でこの地域の平和と安定を維持することだ。
 「中国側は、このことについて関係各国と緊密な意思疎通と共同歩調(中国語:「密接溝通和協調」)を保っている。私は、専門家が朝鮮に赴いて視察研究する(中国語:「観摩」。辞書によれば、「相互研究をする」「他の優れたところを見学して研究する」という意味)とは今のところ聞いていない。」(浅井注:配信記事は、このくだりを括弧でくくっているので、「観摩」という表現を含め、中国外交部としてきわめて注意深く練り上げた上での文章であることが理解されます。)
 *この発言を報じた新華社の記事は、その後に、「朝鮮は、4月12日から16日までの間に、「銀河3号」運搬ロケットにより地球観測衛星「光明星3号」を打ち上げ、金日成生誕100周年を迎える計画である。朝鮮のこの動きは各国の大きな注目を集めており、国連、韓国、日本、アメリカなどは、朝鮮がこの計画を再考慮ないし停止することを訴え、呼びかけている。」という文章をつけ加えています。

 4月10日の発言で特に注目されるのは、「関係する国際法を確実に遵守し」という文言が入っていることです。安保理決議1874が国際法の範疇に含まれるかどうかも必ずしも明確ではないと私自身は思いますが、中国外交部がこの決議を「関係する国際法」に含めているとしても、この決議だけを念頭においているのであれば、「関係する国際法」などという一般的・包括的な表現を用いる必要はないわけです。ここでは明らかに、朝鮮の宇宙開発の権利を認める宇宙条約の存在を中国外交部が念頭においていることは間違いないでしょう。であるからこそ、12日の発言においては、朝鮮の打ち上げに関する中国専門家による「観摩」という政治性を含まない言葉が慎重に選ばれるということにつながっていると理解されるのです。
 また、新華社は4月12日付の『新京報』(注)をソースとする、外交部の羅照輝アジア局長が11日にネット・ユーザーの質問に答えて行った発言を次のように紹介しています。
(注)『新京報』は、2003年に全国紙『光明日報』グループと広東に基盤がある『南方日報』グループが共同出資して北京地区で創刊した新聞であり、「社会的、道徳的、文化的責任を持った報道を行うことで、権力者には非常に煙たい新聞」(ウィキペディア)として存在感を示してきました。しかし、「(2011年)7月23日に浙江省温州市で発生した高速鉄道事故の報道統制に…あからさまに抵抗したことを受けて」「9月3日付け新聞を見ると、…新京報は2面の発行主管・主弁(発行元)の欄から南方報業・光明日報の名前が完全に消え…「中共北京市委宣伝部」の名前に変わっていた」(浅井注:ネット版『日経ビジネス』の「中国新聞趣聞~チャイナ・ゴシップス~」2011年9月7日付に掲載されている福島香織「さよなら新京報、中国メディアの行方」の文章から引用しました)とされています。そうではあるのかもしれませんが、外交部報道官の公式見解ではなく、朝鮮問題主管局長の発言をこのように詳しく報道するというところには、中国共産党直属の『人民日報』や『新華社』のような「お仕着せ」だけではない独自性を感じます。

 昨日(11日)、中国外交部アジア局長・羅照輝は、活動に参加してネット・ユーザーの質問を受けたときに、中国の専門家が朝鮮を訪問して衛星打ち上げを観察する(浅井注:ここでも「観摩」という表現になっています)とは聞いていないと述べた。
 羅照輝は、我々の理解では、平壌常駐及び国内の記者を含む中国のメディアが招待を受けて朝鮮の衛星打ち上げに関連する活動を取材することはメディアの自主的行為であり、政府の許可を得る必要はない。
 米日が朝鮮の衛星を遮り止める(中国語:「拦截」)と公言しており、朝鮮半島ではこれが原因で戦争が発生することはないかという問題に関し、羅照輝は次のように述べた。外国メディアの評論から見て、朝鮮の衛星打ち上げは今更どうにもならない段階であり、変更は難しく、国連の介入は不可避である。各国もその際における国連の反応の程度及びその国連の反応に対する朝鮮の出方に非常に注目している。情勢の展開にはなお大きな不確実性があり、注意深く見守っていくべきである。
 羅照輝は続けて次のように述べた。この数日間、関係国は朝鮮の衛星打ち上げをめぐって緊密な外交的接触を展開しており、朝鮮側も外国メディアが西海の衛星打ち上げ基地を見学するように招待した。中国側は、情勢が悪循環でエスカレートすることを防止するべく、今後も建設的な役割を発揮していくであろう。朝鮮が衛星を打ち上げれば、「文闘」は激しくなるだろう。政治的及び外交的な解決を追求するためには、各国が賢明な選択を行うことであり、「武闘」は各国の利益に合致しない。
 (以下は、ソースである『新京報』の見解として)見るところ、朝鮮半島には冷戦が残存しており、朝米及び朝韓は今なお停戦状態にあって長期にわたって対立している。これが朝鮮における長期にわたる安全感の欠如の原因であり、半島情勢がたびたび緊張する根本原因である。半島の恒久的安定を真に実現するためには、応急対処のみならず根本的措置が必要だ。当面の問題を解決することも重要だが、根本的に問題を解決するためには、国家関係を改善し、関係正常化を実現することも必要だ。

 『新京報』をソースとするこの記事は、外交部アジア局長という本件問題(朝鮮の衛星打ち上げ)主管局長という要職者の発言というかたちで、外交部報道官の公式見解と軌を一にしつつ、さらに踏み込んだ中国政府の見解を紹介したものとしてきわめて貴重です。即ち、朝鮮の人工衛星打ち上げというきわめて機微な問題に関して、朝鮮による打ち上げに先立って、中国メディアの現地取材は政府の許可マターではない、打ち上げはもはや既定化している(中国政府としてもどうにもならない)、「文闘」(外交戦)は不可避だが「武闘」(文字どおりでは戦争の意味ですが、米日韓主導の安保理決議・議長声明、制裁も含まれると見るべきでしょう)は回避すべきだ、などの注目すべき発言が行われており、しかも公表されていたのです。
 また、上記記事の最終段落は『新京報』の解説ですが、朝鮮半島情勢の根本的解決のカギは米朝国交正常化にあるとしている(日本におけるように、朝鮮の挑発的姿勢に根本的な問題があるとする見方ではない)としている点も、見逃してはならないでしょう。
 もう一点注目したいのは、以上の外交部関係者の発言には、朝鮮の人工衛星打ち上げを非難する際の根拠となっている国連安保理決議1874に関する言及が一切ないことです。この問題に中国の関心がないということではあり得ません。例えば3月17日付の新華社電(北京)は、国連事務総長声明及びロシア外務省HP声明を次のように紹介しています。

 国連の潘基文事務総長は(3月)16日、スポークスマンを通じて声明を発表し、この日に朝鮮が人工衛星の打ち上げを発表したことに対して厳重な懸念を表明した。声明は改めて安保理の関連決議、とりわけ「弾道ミサイル技術を使用した打ち上げ」を禁止した決議1874を朝鮮が全面的に遵守することを訴え呼びかけた。潘基文は、朝鮮が最近行った長距離弾道ミサイル発射実験の一時停止に関するコミットメント(浅井注:2月29日の米朝合意をさすと思われます)に基づいて(打ち上げ)決定を見直すことを促した。
 ロシア外務省HPは16日に声明を発表し、朝鮮の人工衛星打ち上げ計画に対して深刻な懸念を表明した。声明では、ロシアは未だかつて朝鮮の平和的な宇宙利用の権利を否定したことはないが、国連安保理決議は朝鮮による弾道ミサイル技術を使用したいかなる打ち上げ活動をも禁止していること、この決議は国連憲章の関連規定に基づいて行われたものであり、国連のすべての加盟国は遵守しなければならないことを述べている。声明は、6者協議を復活させ、この地域の問題について政治的及び外交的な協調を進めることが朝鮮半島情勢の正常化及び安保理の対朝鮮制裁を段階的に解除する唯一の道であることを強調した。

 以上の新華社の記事を見れば、朝鮮の人工衛星打ち上げ問題において安保理決議1874が決定的に重要な位置を占めていることを、中国側が明確に認識していることは(当然のことではありますが)明らかです。特にロシア外務省の立場を念入りに紹介していることは、ロシアとともにこの安保理決議の成立に賛成票を投じて加担した中国の立場を抜きにしては考えにくいことです。
 しかし、それにもかかわらず、今回の朝鮮による打ち上げに際しては、中国としての安保理決議に関する立場を明らかにしないという点こそが、私たちとして注目すべきなのだろうと思います。そういう点では、外交部報道官の発言を紹介した4月12日付の新華社記事が末尾に「朝鮮は、4月12日から16日までの間に、「銀河3号」運搬ロケットにより地球観測衛星「光明星3号」を打ち上げ、金日成生誕100周年を迎える計画である」とつけ加えたことに改めて注目しておく必要があると思います。つまり、今回の人工衛星打ち上げは前二回と異なる「金日成生誕100周年を迎える計画」という特別な政治的意味を持ったものして中国側が捉えているということです。さらに一歩私の推測を加えるならば、中国政府としては、今回の打ち上げの政治的性格を強調することで、自らが賛成してしまった2009年の安保理決議1874を今回そのまま適用することを回避する理由にしたいという気持ちが働いているのではないかとすら考えられます。

<朝鮮の人工衛星打ち上げに関する新華社資料>

 13日の朝鮮の人工衛星打ち上げ失敗から間をおかないで、新華社は「背景資料:朝鮮の衛星打ち上げレビュー」と題して次の内容の記事を掲載しています。

 朝鮮中央通信社の(4月)13日の報道によれば、朝鮮は当日7時38分55秒(北京時間6時38分55秒)に、平安北道鉄山郡西海衛星打上場から応用衛星「光明星3号」を打ち上げたが、この地球観測衛星は予定の軌道に乗らなかった。
 20世紀80年代から、朝鮮はロケットに搭載して衛星を打ち上げる研究を開始した。今回の衛星打ち上げは、朝鮮が自主的に開発研究製造した人工衛星を宇宙空間に送り込もうとする第3回目の試みである。
 1998年8月31日に、朝鮮は、舞水端里打上場において多段階運搬ロケットにより最初の人工地球衛星「光明星1号」を打ち上げた。朝鮮は、衛星打ち上げが成功し、軌道に乗って飛行していると公表した。その後アメリカ及び韓国は、朝鮮が打ち上げたのは人工衛星だと確認したが、衛星は軌道に乗らなかったと認識した。
 2009年4月5日、朝鮮は、東海衛星打上場において「銀河2号」3段階運搬ロケットを用いて「光明星2号」試験通信衛星の打ち上げに成功した。衛星には所要の試験設備及び通信設備が搭載された。韓国国防部は当日、打ち上げられた物質は予定の軌道に乗らなかったと述べた。アメリカ軍部は、朝鮮が当日打ち上げたのはミサイルであり、すでに海中に墜落したと認めた。しかしロシアは、朝鮮が当日打ち上げたものが地球に近い軌道を回る人工衛星であるという事実を確認した。

 この「資料」記事の政治的な重要性は、今回の打ち上げ(失敗)後のタイミングで発表されたこと、そして、今回を含む過去3回の朝鮮による打ち上げをすべて人工衛星打ち上げとして取り扱っていることにあります。このことは、中国が2009年に安保理決議1874の成立に加担したことの正当性自体を客観的に問い直す意味を持っていると思います。
中国政府が公式に安保理決議1874成立に加担した過ちを認める(そして公に朝鮮に謝罪する)ということは考えにくいですが、今回の打ち上げを金日成生誕100周年祝賀計画の一環として位置づけていることと合わせ見れば、今回の打ち上げに関してさらに朝鮮を非難し、追い詰めるべく安保理常任理事国に働きかけてきた日本政府の動きに中国政府が同調しないであろうことは理解されます。むしろ中国は、朝鮮を追い込めば再び核実験もしかねない(その結果、朝鮮半島情勢がさらに緊張することは火を見るよりも明らかである)のに、見境なく朝鮮バッシングに走る日本政府を苦々しく思っているであろうことも容易に想像できます。

<中国の事態悪化のエスカレーションに対する危機感>

 中国が今回の朝鮮の人工衛星打ち上げ問題に対して深刻な危機感を持っていることの一端は、4月6日付の「新華国際」をソースとする「朝鮮は第3回核実験をしかねないことを暗示、半島は火薬の臭いが次第に強まる」と題した記事を配信したことに窺われます。その内容は次のとおりです(以下の記事で紹介されている朝鮮新報の文章については、私としては確認しえないでいることを、念のためつけ加えておきます)。

在日メディアを通じて発した警告
【韓国『中央日報』HP4月5日報道】タイトルは、朝鮮が「ロケット打ち上げで制裁を受けるならば、第3回核実験を行うだろう」と威嚇。  朝鮮は4月4日、4月12日から16日にロケット打ち上げを予定している朝鮮に対して、アメリカなどの国々が国連の力を動員して制裁を行うならば、朝鮮は第3回核実験を行うだろうと示唆した。
 朝鮮の立場を代表する在日本朝鮮人総聯合会の刊行物『朝鮮新報』は、「挑発に対する強硬対応措置」と題する報道の中で、「アメリカが朝鮮の「光明星3号」打ち上げを口実にして事態を荒だてるとすれば、その言動は時計の針を「(2009年)4月以後」に巻き戻すにほかならず、情勢を当時の状況に導くだろう」、「2009年5月に自衛措置として、朝鮮は国連安保理の制裁に対して第2回核実験を行った」と述べた。
 2009年4月、朝鮮は「光明星2号」衛星の打ち上げを理由として「テポドン2号」ミサイルを打ち上げた。その後、国連安保理は朝鮮に対して制裁措置を行い、朝鮮は前後して6者協議を拒絶し、(IAEA)核査察団を追放し、使用済み核燃料棒の再処理を行い、同年5月に第2回核実験を強行した。『朝鮮新報』は(以上を)解釈して、朝鮮のロケット打ち上げ後に国際社会が再び国連安保理を利用して対朝鮮制裁に踏み切るならば、朝鮮は第3回核実験を行うだろうと述べた。
 『朝鮮新報』は、「アメリカが食糧援助を取り消すことは明確に朝米合意の核心事項に違反する」と述べ、さらに「合意が破壊されれば、朝鮮側が核実験、長距離弾道ミサイル打ち上げ及びウラン濃縮活動を一時的に中止するという約束も反故になるということを意味する」と述べた。
【共同通信北京4月4日電】『朝鮮新報』の文章は、朝鮮指導部の意向を反映していると見なされている。朝鮮が衛星打ち上げを口実にして長距離弾道ミサイルの実験を行うと日米韓は見なしており、かつ、これに反対して国連安保理で対応措置を議論する意図を表明しているので、この新聞は日米韓を牽制することを意図した可能性がある。
 同新聞はさらに、2009年4月のミサイル実験当時の指揮官が新指導者・金正恩であったことを紹介するとともに、日本側がミサイル防衛を本当に実行するのであれば取り返しのつかない代償を払うことになると警告した。

 以上の新華社の配信記事だけをもって中国側の考え方を憶測するのは危険ですが、すでに紹介した中国外交部の羅照輝アジア局長の「中国側は、情勢が悪循環でエスカレートすることを防止するべく、今後も建設的な役割を発揮していくであろう。朝鮮が衛星を打ち上げれば、「文闘」は激しくなるだろう。政治的及び外交的な解決を追求するためには、各国が賢明な選択を行うことであり、「武闘」は各国の利益に合致しない。」という発言と重ねあわせてみれば、中国としては、今回の朝鮮の人工衛星打ち上げが米日韓の「武闘」仕掛けが朝鮮による再度の核実験にまでエスカレートすることをなんとか回避したいと考えていることは間違いないと思います。
 当面のカギは、中国外交部の羅照輝アジア局長も懸念を表明した国連安保理の動きと米朝合意に関するアメリカ政府の出方の2点です。アメリカが議長国を勤める安保理での動きは16日に始まる週に本格化することになっています。朝鮮に対する食糧援助に関するアメリカ政府の今後の動向に関しては、朝鮮新報の記事に関する韓国側の報道内容に信憑性があるとすれば、アメリカの食糧援助取り消しは朝鮮の核実験、長距離ミサイル実験、ウラン濃縮一時停止に関する対米約束取り消しへの導火線になるだけに、事態は予断を許しません。この二つの点にかかわる朝鮮半島情勢の今後の展開については、今後もフォローしていこうと思っています。

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