新しい取り組み〜地方の重要性〜

2003.02

少し時間は古くなるのですが、昨年12月に山形県の酒田にお話に伺ったときの体験談をしたいと思います。実に勇気づけられる体験をしたからです。

 正直な話、新潟まで新幹線、それからローカル線で酒田までの6時間近い旅の間、これだけ時間をかけていくのか、という気持ちに襲われたことがしばしばでした。その気持ちで伺った私を待っていたのは、政党でいえば、民主党、共産党、社民党、新社会党、労働組合でいえば、同盟系、全労連系、さらに旧総評系を網羅して組織された、有事法制反対だけに絞って一緒に戦うことになったという、びっくりするような集会でした。

私も決して数少なくない集会にお邪魔してきた経験の持ち主ですが、このような集会は近年ではまったく記憶にありませんでした。私の方がすっかり興奮してしまい、お話に力みが入ってしまって、恐縮するような内容になってしまう申し訳ないことをしました。

酒田は、例の加藤紘一の辞職によって衆議院の補選が行われ、一連の選挙のなかで唯一民主党が勝利を収めた地です。集会にはその民主党選出の国会議員も出席しており、私がお話しする前に挨拶をし、有事法正反対を明言していました。

私は、彼が座っている間に、民主党の内情はきわめて複雑であること、次の通常国会では民主党が有事法制に賛成に転じる可能性があることを述べ、その議員に、会場で述べた決意を変えないで最後まで頑張ってほしいと注文をつけ、会場から大きな拍手が起きたことを付け加えておきたいと思います。

さて、私の驚きは主催者団体の幅の広さだけには留まりませんでした。集会の後に開催された懇親会にも招待されて参加したのですが、自己紹介ということになって立ち上がってお話される方々が出身母体を紹介される段になると、民主党の代表はいませんでしたが、そのほかの政党組合の方は勢揃いだったのです。そういう体験も私の記憶にないことでした。有事法制以外には一致点があるとはいえない様々な組織を代表する人々がお酒を酌み交わし、談笑する光景には感動しました。

政治の変革は地方から、ということは、私が地方の集会にうかがうたびに、機会があればお話しすることです。それが、すでに現実のものとなっているところがあることを知ったことは、本当に感動ものでした。「政治の変革は地方から」の可能性を実感した旅でした。

RSS