瀬戸内海の静かな環境を守る住民ネットワークの集い(第1回)

2008.06.01

「瀬戸内海の静かな環境を守る住民ネットワーク」(略称「瀬戸内ネット」)は、1月20日に60名の会員で結成され、現在の会員数は160名だそうです。岩国基地における米軍再編問題に対する危機感の高まりが結成の直接的な動機だそうです。私も会員になりました。その第1回の集いが5月31日に岩国市で開かれましたので参加しました。集いには、前廿日市市長の山下三郎氏、前大竹市長の中川氏も来ておられました。最初に岩国「議員有志の会」の県議及び市議の方から、岩国基地問題に関する県政及び市政の問題点に関する報告があり、休憩を挟んで、「岩国を守る会・風」(岡田さん)、「大島の静かな空を守る会」(橋本さん)、「住民投票の成果を生かす岩国市民の会」(大沢さん)、「住民投票を力にする会」(井上さん)、「岩国基地の拡張強化に反対する広島西部住民の会」(坂本さん)、「由布町有志」などから活動の現状についての発言がありました。2月の岩国市長選挙で井原前市長が敗北したことは皆さんの運動にとっては極めて大きな痛手であったこと、しかし、その痛手を克服して運動を前進させることが極めて重要になっていることなどが異口同音に表明されたことが印象的でした。

総括発言した河井代表世話人は、会の共通の目的がとかく拡散しがちであり、拡散しすぎると意見の分岐が生ずるとする問題意識を表明した上で、以下の6点ぐらいが共通項ではないか、と発言しました。その6点とは、①艦載機の数が増えることは困る、②米軍兵の数が増えると犯罪が増えるから、それも困る、③米軍機の事故が増えることにも重大な関心を持たざるを得ない、④飛行時間の増加、夜間飛行、飛行コース、飛行高度などにも無関心ではいられない、⑤補助金をもらわないという問題、⑥米軍再編を見直す(「やめさせる」ではなく)とのことでした。
河井氏は更に、「基地廃止」というところまで踏み込むと、井原前市長もそこまでは言っていなかったことなどを考えると、この会としての共通の目的とすることにはいろいろな利害がかかわってくる、また、9条・自衛隊・安保破棄などは、やりたいのは山々だが、会としては自制しないといけないのでは、とも付言しました。総括発言として会の最後に行われたこともあり、この総括で出席した人たち(50人を超える人たちが参加していたと思います)が満足・納得したかどうかについては判断しようがありませんでした。

最後に「議員有志の会」の重岡市会議員が6月22日に開催予定の「米軍再編反対 沖縄・神奈川・岩国連隊シンポジウムin岩国」について説明する発言を行いました。同氏は、岩国市の情勢を悪化させた責任について、市会議員選挙では米軍再編反対を公約にしておきながら、選挙後わずか6カ月でそれを反故にした公明党の責任がもっとも重いと明快に問題点を指摘し、また、基地をたらい回しにする国の政策も理不尽を極めると口調激しく糾弾しました。そして有志の会が状況打開のための第一弾として行ったのが昨年12月1日の錦帯橋1万人集会であったこと、その翌日同氏は座間で行われた集会に参加して沖縄・神奈川・岩国の連帯の必要を訴えて賛同を受け、それが今回、有志の会としての第2弾の行動である6月22日のシンポへと結果したことを報告しました。
重岡議員は更に、艦載機移転問題の白紙撤回は可能かと疑問視する声もあるが、福田・岩国市長の当選は「偽」のなかの勝利であったし、米軍再編は誰が見てもおかしいわけだから、私たちとしてはおかしいものは改めさせるという信念を持つしか方法はない、「諦めない、絶対に諦めない」、身を捨てる覚悟で取り組むしかない、と熱く会場に呼びかけました。

沖縄、神奈川、岩国が連帯することは非常に重要であり、私も前に岩国の集会において強調したことがあります。その第一歩が6月22日のシンポジウムとなっぐたいかされようとしていることにとても共感しました(私は、その日はすでに約束が入っているので参加できないことがとても残念です)。また、様々な市民の運動を一致できる共通の目的の下でまとめるものとして瀬戸内ネットが機能しようとしていることについても、新しい市民運動のあり方なのであろうと思いました。