沖縄2紙の岩国市長選挙結果報道にかかわって思うこと

2008.02.12

今日(2月12日)届いた11日付の沖縄2紙の岩国市長選挙結果に関する報道を読んで、今更ながらの驚きを感じました。両紙とも一面トップ、しかも2面及び社会面でもトップで詳しく報道していました。米軍基地問題を抱える沖縄が岩国米軍基地の再編問題に強い関心を持って注目していたことをひしひしと感じました。その扱いは、地元である中国新聞を上回るものがありました。私の問題意識からすると、沖縄2紙の扱い方こそが当然であり、隣接する広島における関心の低さは異様です。

今日、広島市庁舎で5月5日に広島で開催する9条世界会議を知ってもらうための記者会見が行われました。共同代表の平岡敬前市長と一緒に記者会見に臨んだのですが、当初の出席者はわずか2名(後で2名が加わりましたが)。平岡氏が「これが広島の実情だ」と漏らした言葉が、私の気持ちそのままでした。私は冒頭発言で、「広島は核には関心があるけれども、原爆投下が9条を生む一つの重要な要素だったことに気が付いてもいない」と苦言を呈したのですが、その後の記者からの質問で、「広島で9条世界会議を開く意味は?」と質問があったのにはうんざりしました。私は皮肉を込めて、「広島には核問題にはかろうじてまだ関心があるが、憲法問題、9条にはほとんど関心がない。岩国市長選挙に対する広島の無関心のほどには深刻な気持ちにすらなる。日本の平和を真剣に考えるならば、岩国市長選挙に対してもこれほど無関心でいられるはずはなかろう」という趣旨の発言をせざるを得ませんでした。広島市が岩国市長選挙に対して明確なメッセージを発していたならば、2000票弱で負けた選挙はひっくり返せたはずです。足下から平和が突き崩されていくのを黙って見過ごしている今の広島には、つくづく「沖縄の問題意識に近づく志をもってほしい」と思わざるを得ませんでした。