国民保護計画案に関する記事

2005.12.21

少し古くなるのですが、12月3日の中国新聞と朝日新聞(広島版)は、広島県国民保護協会(会長・藤田知事)が県の国民保護計画案を知事に答申したという記事を載せました。私がすごく違和感を感じたのは、中国新聞によると、、県は5月に骨子案をまとめており、上記協議会に案の審議を諮問し、「協議会委員や市町の意見、国との事前協議をふまえて計画案をまとめた」ということでした。県のホームページをチェックしてみたら、6月1日から30日にかけてパブリックコメントを求めたとあり、その募集結果について載せているのです。12月3日以前の段階で広島県のHPをチェックしたときには、そのような記載はなかったのです。パブリックコメントの内容も、わずか2ページのもので、まったく納得のいかない内容でした。上記中国新聞の記事によれば、パブリックコメントを求めたということについては触れていません。私も12月3日の記事を見たときにすぐチェックしなかったのは迂闊でした。そのことを認めた上で、やはり広島県の物事の進め方には到底納得がいきません。パブリックコメントの対象は誰であったのかすら分かりません。この点については広島県に問い合わせるつもりですが、不明瞭なことが多すぎます。

私が何故今このことを書いているかといいますと、12月13日付の沖縄タイムスを見たからです。同紙は一面トップで「沖縄県の国民保護の県案判明」という見出しで取り上げ、社会面でも極めて批判的に解説を加え、翌14日では社説で批判の論陣を展開しているのです。正直言って、沖縄タイムスと中国新聞の問題意識の落差・温度差に打たれました。中国新聞では事実関係の報道にとどまっているのに対し、沖縄タイムスは正面から国民保護計画を作ることの妥当性を問いかけているのです。私は沖縄の問題意識の高さに敬服するとともに、中国新聞の報道ぶりに象徴される広島の問題意識の低さに暗然とならざるを得ません。

広島県の国民保護計画(案)は132ページにも及ぶもので、すでに成立している鳥取県や福井県のものと比較しても圧倒的に微に入り細をうがつものになっています。広島県の国民保護計画(案)については、よくその内容を読んでからまた書きたいと思いますが、とにかく県民不在の形で進める手法には厳しい批判の声を上げる必要があると思います。