広島と長崎との間の「温度差」

2005.12.14

11日に長崎でお話をする機会があり、久しぶりに訪れました。その後の懇親会で、長崎で平和研究をしている研究者や関係者の方たちのお話を伺う機会に恵まれました。とくに広島と長崎との間の「温度差」という問題について最近感じることが多かったのですが、その「温度差」が私の単なる思いこみではないことを確認することになりました。大きな収穫だったのは、「それではいけない」ということについても長崎の方たちと確認しあえたことです。長崎と広島の平和研究者の間の交流が必要だということについて全面的な賛同を頂けたことは、とても励ましになりました。12日に帰広し、その夜に広島平和研究所主催の連続市民講座でお話ししたのですが、その際、以上の感想も紹介させていただきました。

同じ原爆体験をしているのに、広島と長崎との間に十分な意思疎通と相互理解が進んでいないということは、本当に深刻なことではないかと思います。本島氏(元長崎市長)の「広島よ、奢ることなかれ」というかつての発言が、この深刻な状況を象徴しているような気がします。長崎と広島が声を一つにして日本そして世界に対して発信できないようでは、核廃絶はとても遠いことのように思うからです。

私としては、広島と長崎の平和研究機関の間の交流から始めて、少しでも両市の間の意思疎通と相互理解が進むようにしたいな、と小さな希望を持ちながら帰ってきました。