『きのこ雲の下から、明日へ』を出版された女優の斉藤とも子さんとご一緒になる機会

2005.11.06

10月30日に名古屋であった集会で、原爆小頭症の方と家族の「きのこ会」に関する本『きのこ雲の下から、明日へ』を出版された女優の斉藤とも子さんとご一緒になる機会に恵まれました。この本のことは前から気になっていました(孫娘のミクにも、「小頭性」という名の付いた障害があることも気になっていた大きな要因の一つでした)ので、斉藤さんにお会いする前にしっかりと読みました。「きのこ会」に集う人々・サポートしてきた人々の苦労と困難が凝縮された形で描写されており、広島の被爆者の今ひとつの悲惨な現実を感じずにはすまない内容でした。ちなみに斉藤さんは、井上ひさし「父と暮せば」の美津江役を舞台で演じたことでもよく知られている方です。

斉藤さんは、私がミクのことをお話ししたことに関心を示してくださり、自宅に戻られてから、私やのりこのホームページを読んでくださいました。そして早速私にメールを寄せられ、「きのこ会」の60歳誕生日の集まりに、のりこ、ミクと一緒に私が参加するように招待してくださいました。とてもありがたいお誘いで、是非参加したいと思っています。

斉藤さんの本には、きのこ会の活動(その一つは、行政が原爆小頭症の方及びその家族に対して生活保障を行うことを求める運動が含まれる)に対して被爆者から批判の声が投げかけられたという指摘もあります。私も、まだ7ヶ月の広島滞在ではありますが、「被爆者」と一括して物事を考えることは難しいという印象を持つようになっている中でしたので、斉藤さんの以上の指摘がとくに印象強く感じられました。

先頃終了した国会では、「障害者自立支援法」が成立してしまっています。障害者全員が強く反対していたにもかかわらず、「応益負担」原則という新自由主義の自己主張のこれ以上ない悪法です。原爆小頭症の方たちやミクのような重度の障害者にとっては、命を取り上げられるに等しいものなのです。原爆小頭症の方やサポートしている方たちと知り合うことによって、私が学ぶことは非常に多いだろうと、皆さんにお会いできる日を待ち望む気持ちでいます。