米海軍横須賀基地への原子力空母配備に関する横須賀市民へのアンケート(神奈川新聞と沖縄タイムス)

2005.07.04

神奈川新聞(6月30日付)と沖縄タイムス(6月29日付)で、大抵のことには驚かなくなっている私も目をむく記事を読む羽目になりました。前者は、米海軍横須賀基地への原子力空母配備に関する横須賀市民へのアンケートで、反対43.4%だったのに対し、賛成・やむを得ないが44.7%だったというのです。後者は、沖縄市立中学の就業体験学習先として米軍嘉手納基地を選んだ(異議が出て、1日で中止)というものでした。

丸山真男がいう日本国民の「既成事実への屈服」の心情を深刻に思い知らされる思いでした。米軍基地が集中する神奈川と沖縄でこういう状況が現実のものになってしまったということに、なんとも言えない気持ちを味わわされます。この上、広島が核被害を想定した「国民保護に関する基本指針」に基づく「国民保護計画」を作ってしまい、広島市民がそれに強烈な反応を示すことがないような事態になってしまったならば、広島もまた横須賀と沖縄と同じになってしまいます。日本は本当に危機的な状況に直面しています。日本が危機的状況にあるということすら意識できない国民が多数を占めるに至ったという事態、これこそ日本の民主主義にとっての最大の危機ではないでしょうか。