第7ステージ(2019/8/30-9/4)

第26日(2019/8/30)とりあえず土佐入野まで

前回は梅雨明けを狙って、つまり「晴れ」を期待して行ったら暑さに負けた。
それなら適当に雨が降ったり止んだりのほうがましかな・・・と行ってみることにした。

実は、夏はお遍路のオフシーズンとのことだが、なんとしても今年中に高知県は終わりたい、いや愛媛県にも足をかけたい。

前回の終わりの地点は、土佐くろしお鉄道の土佐入野駅。
そこまで行ってしまうと歩きだしても、いい地点に宿もなく、土佐入野駅近くのホテルを予約した。
お遍路を始めた時は、野宿にも対応できるように寝袋も持参していたが、かさばるし野宿はしないことにした。


駅からホテルまでは歩いて10分。
足慣らしとしては、これぐらいでいいだろう、ってなんやねん。

予約の時に「高校生の団体が泊っていて、少しうるさいかもしれません」。
そんなんは気にもしないとは答えたが、実際は少しどころではなかった。


























早く来たので海岸まで散策。


食堂では若い男女の団体がいっぱいいた。
賑やかな声が飛び交う、青春やのう、青春。

酒も飲んで晩飯も食べ終わり風呂に入ったら急に眠気が、寝よう。




夜中の二時ごろだろうか、そうぞうしい音や声に起きた。
廊下を大声だして、集団が歩き回っている。
部屋の扉を開けたまま、大声で話をしている。
うるさくて眠れたもんではない。

しばらく我慢していたが、さすがに注意をしようと部屋を出てびっくり。
若い女の子が酔っ払って気分が悪くなったせいか、両脇をかかえられて歩いている。
酔っていない素面の男の子がいたので、責任者は誰かと聞いたら、言葉を濁す。
静かにしてほしいと文句を言っておいた。
なかなか静かにはならなかったが、朝の四時すぎにようやく静かになった。
注意がきいて静かになったというより、疲れて寝てしまったのだろう。
写真をとっておいたらよかったな。


第27日(2019/8/31)眠たいまま土佐入野から下の加江に

そのまま目がさえて、朝の海岸の写真を撮りにいった。
朝飯を食べてから、出発の用意。
チェックアウトの時にフロントの人に昨晩の事を言ったら大学生のグループだとのこと。
まあこんなもんか。

今日はこのまま西に歩き四万十川を渡り、南西方向に伊豆田峠を越すルート。
およそ24kmぐらいの距離だ。

このコースは宿が適当な間隔にない、だからルートはどうしても宿に規定されてしまう。
あるところには固まっているし、ないところはない。
今日の泊まりは下ノ加江というところにしよう、予約は後でもいいだろう。
これが裏目に出る。

百合の花を見ながら四万十大橋。


















最後の清流とのこと、実は高知県南部の川を上から見たら、どれも澄んできれいだ。
川幅は広い、渡り終わって左の堤防を歩く。

すると、田吾作といううどん屋があった。
雨がぱらっとしてきたので、入ることにする。

こういう時に何を注文するか?
店の名前の田吾作うどんはどうかな。
たぶんフラッグシップ的商品であろう、店を代表する。
注文したら野菜の煮込みうどんのような。

なかなか美味しいわ、これ素朴な味。
田舎のうどん的な雰囲気ではあるが、美味しいよ。

食べ終わって出ようとしたら雨がパラパラっと降ってる。
リュックカバーをしたが、雨具はやめとこ。


少し歩いたら大の字山。
500年の歴史がある送り火を、旧のお盆にするとのことです。

さてここでお遍路道の分岐。
歩き遍路の道の伊豆田道、もうひとつは国道の伊豆田トンネル(1620m)。
どっちが楽と言えば当然トンネル。
しかし歩き遍路道に行ってみたい、しかし雨がなあ。
山道の岩や落ち葉が雨で濡れると手こずるしと迷う。

時間的にはまだまだ12時前。
ここで歩き遍路の人と出会う。
同じように区切り遍路をしている人で、宿の予約をしていた。
今日は土曜日、観光客もいるので予約も難しいと聞いた。

ネットで探して評判にいいところ、料理のおいしそうな所は全てダメだった。
あいていそうなところがあった。
評価は3.2(満点は5)、書き込みの内容がよくない。
しかし最近の宿泊者は贅沢でから、ちょっとでも文句をつけるのかなと、電話したら宿がとれた。

雨が激しくなってきたので、トンネルを行くことにする。濡れなくていいからね。

懐中電灯を片手に伊豆田トンネル。

車道と歩道とは段差があるので、怖くはなかった。

トンネルを抜けて山を下っていけは下ノ加江のコンビニ。
ここを過ぎれば足摺岬までコンビニはないらしい。

非常食のチーズ、缶詰を買いビール、ウィスキーのボトル。

宿はすぐそばにあった。
二時半くらいだったけど宿に入った。
どうやら客は私一人のようだ。

洗濯、風呂をすましてウィスキーでも飲もうかと、伏せてある湯のみ茶碗ほひっくり返して、ゴミがついてるなあ。
ゴミではなかった、ミジンコのような虫が数匹、もじゃもじゃ動いている。
あわてて元にもどす。
よく見ると、その周辺におるおる。

私もいい歳だから、部屋に虫がいることぐらいまあある事だとは思う。
しかしそれは、網戸の隙間から入ってきたような虫で、これは仕方がない。

しかし、ここのは湧いているのである。

風呂も入った洗濯もした他の宿は満室、もう覚悟を決めた。
ウィスキーをラッパ飲みして、とにかく酔うことだ。
そういう目で見ると布団も汚らしく見える、まだ酔いが足らんのか。
追加のウイスキーを買いに行く、晩飯の用意ができたが食欲もないが、まあ飲み込んだ。

夜中は寝返りを打たないようにして寝る、熟睡できるはずがない。
再び、今夜も眠れない一日となった。

今日の行程は24kmぐらい、真夏よりも距離はでるようになった。


第28日(2019/9/1)今日も寝不足、やっと足摺岬、38番の金剛福寺

私はサイクリングや山登りで野宿は、数多い、また仕事でいろんなホテルに泊まったけど、ここまでひどいのは初めてだ。
一泊二食6400円。
朝飯は、生玉子があったので玉子と同じ量の醤油を入れてご飯を食べた。
ご飯が保温、保温、保温を繰り返して黄色なのだ。

宿を出る時に、主人に「こんな事は言いたくないけど、掃除したらどうや」。
宿の主人は「わかりました」と返事、ネットの書き込みを知っているんだな。

今日は足摺岬の金剛福寺に。
ホテルはお遍路割引だが、一万円を超える宿。しかしこの汚い宿で6400円ならリゾートの一万円超え、どちらが安いかは明白。
足摺テルメを予約した。温泉もあるしな。

足摺岬は半島の先に半島のような形になっている。
その半島の東側を歩いていく。
このコースは海の横に入ったり出たりで景色が楽しめる。
ただお天気は、いまにも降りそうな色をしている。

歩くには、これぐらいのほうがいいとは思う。








歩き遍路道に入ったり県道を歩いたりしていると大岐の浜。

海水浴のシーズンも過ぎた9月の一日、サーファーは頑張ってる。














歩いていると「大阪 海遊館」の文字が。はて?

この道に進んでみよう。

建物がある、ここは海遊館の以布利センター。
大阪の海遊館のバックヤードとなっている。

海遊館のジンベエザメは、ここで水槽の中でのエサを食べる訓練をしてから大阪に運ばれるとのこと。
そのままでは、死んでしまうらしい。

この地が大阪とつながっているのが、うれしかった。

ここからは、歩き遍路の道。



浜辺に出る。
すいません、遍路道はどこでしょうか。
この海岸です、半分砂に埋もれながら歩いていく。後悔少し。
次に山道、結構滑る。後悔かなり、もはや戻れず。











県道27号に出て、ほっとしたらまたまた山道。
後悔はかなり大きい。












山道を歩いていたら、喫茶店があった。
それも素敵な喫茶店、突然なにか非日常のものが出現したような気持ちになった。
店の名前は「リーフィー」。

早速入ってコーヒー。
店の主人は、ここの農園の奥さんで素敵な人だ、話も弾みました。
今日は時間もあるので、ゆっくりとコーヒー。
冷たいお水までもらって後にする。

ここを後にすると両側が森の遍路道、異次元に入った感覚だ。

県道27号に出て南に。
晴れてきたと思ったら雨、また晴れてくる。


もう足摺岬は近いようだ。

と思ったら足摺岬だった。
展望台からの足摺岬。










足摺の岬は~なにもない春です。
って歌が違う。
襟裳にしても足摺にしても何もないことはない。
自然豊かなところだ。

ここから38番の金剛福寺はすぐのところ。









窪川の岩本寺から85km、札所間の最長がここ。
なかなかきれいな庭園でありました。
まだ二時を回ったところ、宿からは車で迎えに行きますとのこと、甘えよう。





電話したら五分くらいで車がきた。
当地のブランド鯖である清水鯖をいただいて、温泉につかって、ラウンジで無料のワインをお代わり。極楽じゃ。

ライブラリーで文庫本があった、それは「お遍路ガールズ」。
それを読んでいると、面白くて最後まで読んでしまった、今は朝の四時。
またもや寝不足の今回のお遍路。


第29日(2019/9/2)もときた道に戻り、下ノ加江

次の札所にはいくつかのルートがあるが、真稔庵を通る道をとろうと思った。
そうなると来た道をもどらないといけない。

昨日のスタート地点の下ノ加江に戻ろう。
予約したのは、ロッジ・カメリア
おとつい泊まった宿のすぐ近くだ。
途中のお遍路小屋でひと休み、ここは宿泊も可能なようだ。
このあたりで眠たくなってきた、このステージはどうも眠れない、眠らない。
県道27号線から昨日通った遍路道にあった喫茶店によってみたところ、OPENの看板はあったが、
店の鍵はしまっていた。残念。
たぶん用事ができて留守しているのかも。

山道、海岸の道はやめて県道27号は車もなく歩きやすい。






今回は雨、晴れが交互にきて汗びっしょり、雨でびっしょり。
それに蒸し暑いこと。


予約する時に「あまり早く来ないでね」と言われていたので、のんびりと歩いて3時ジャストに宿についた。




ここは二食付きで3,000円。
安いけど清潔さは問題ない。
晩飯はカレー、朝飯はパン。
コンビニも近いので、足らなければ買いにいけばいいのだ。









第30日(2019/9/3)三原村、どぶろくを飲みすぎた


次の札所は、39番の延光寺、およそ30kmの距離。
今回のステージの目的地は、高知県の西の端の宿毛、宿毛駅をゴール。なら36kmぐらいか

一気に行くのはしんどそうだから、あいだに宿を入れたい。
グーグルマップで探していたら、いいのがあった。
それは、農家民宿今ちゃん(いまちゃん)。
グーグルマップで見たら、バケツに入ったモズクガニの写真。これにひかれた。

そこまでの距離は、16kmぐらい。
昼までには着きそうだが、早すぎてもいけない。

さてさてよく寝た、晩飯が夕べの6時前ですぐ寝た。
起きたのは6時すぎ。12時間寝てた。

ロッジ・カメリアを7時半ごろに出て、31日に歩いた伊豆田トンネルにむけて歩く。
伊豆田トンネルに行く道を分岐して、真念庵を通ることにする。

真念さんは、江戸時代の人で八十八カ所のお遍路巡りを考案した人とされる。
その真念さんゆかり庵です。
ただ今は建て替え工事中で、お堂はなく更地になっています。。
募金箱にお金を入れてきました。

お遍路さん休憩所があったのでひと休み。


そうしてたら雨がふってきた。
どっかと腰をおろそう。















一時間くらいベンチで寝てたら、鳥の声も聞こえて雨もあがった。
ここから歩き遍路の道をたどる。
なかなか歩きやすい道だ。

歩き遍路の道の道にあったのが「へんろ石」、道しるべになっている。

神社があったので、昼飯と昼寝。
ここで一時間半いた。









たぶん宿はすぐそこだろう。
のんびりと歩いていたら宿はすぐにわかった







この三原町は「どぶろく特区」で、村おこしで会社を作ってどぶろくを製造販売をしている。


















ここの主人のお孫さんの男の子とネコのかつおくんと遊んでいたら、宿の主人が出てこられてビールを御馳走になった。
ビールをおかわりしてたら、次はどぶろくが出てきた。
ここで調子にのったのが失敗だった。
コップのどぶろくを一気に飲み干す、うまい。

モズクガニを湯がくにおいがしてくる、楽しみだ。ここまではよかった。
ついでくれる酒を飲んでいるうちに、気がついたら布団の上だった。

あのまま寝てしまったらしい。時刻は10時を回っている。
モズクガニはどうしたんだろう、手のにおいをかいでみたが、カニのにおいはしない。
寝てしまったんやな、残念。


そのままおやすみなさい。

第31日(2019/9/4)高知県最後の札所の延光寺から宿毛駅

ネットでの評判は、ご飯が美味しいとのことだが、残念ながらどぶろくの記憶しかない。

6時に起きて、顔をあらっていたら朝飯だよと知らせてくれた。
美味しい朝飯を食べて、一泊二食で6500円。

ここは本当の民宿らしい民宿で一日に一組の客しかとらないそうだ。
ぜひもう一度来たい。

大阪の近くなら、クラブで行きたいぐらいだ。

宿のかあさんと孫さんの男の子の見送りを受けて出発。

途中で神社の狛犬が四匹いてた。
なんか狛犬同士がなにか談合しているようで面白い。

舗装路を歩いていたら宿毛市。

延光寺さんに着きました。


















納経をすませて宿毛駅に向かっている時に、バケツをひっくり返したような雨がふってきた。
そうしたら鶴亀というレストランで昼飯。

刺身定食を食べて、雨の用意をしていたら止んだ。
雨上がりのむっとした熱気の中、宿毛駅に着きました。


次回はここからのスタート、もう愛媛県はすぐそこだ。
そうそう、道路の看板に「・・・タルト」、「じゃこてん」の字がありました。
高知県だけど、愛媛県の雰囲気もじゅうぶんだ。

大阪に帰ります。



















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