恥ずかしながら、先日やっと4月分の日記(1ヶ月のうち9日分のみですが)を終えました。続いて5月分に取り掛かるのが当然なのですが、6月議会に突入してしまい、またまた「日記は遠くなりにけり」になってしまいました。遅れついでにと言っては申し訳ないのですが、5月の日記の前に6月議会(24日〜26日)の概要をちょっとだけ報告させていただきます。内容は抜粋で私の記憶に基づくものですから、後日作成される会議録と一致しないところがあるかもしれません。まあ「こんなことが議会に図られているのか、発言されているのか」くらいの感じで、お目通しください。
先ず最初にお知らせするのは一般質問です。一般質問は議事日程の最後に行われますが、議員が一番準備に時間を費やし力を注いで行う質問です。今議会の質問者は12人(議長・菅議員・原野議員・実沢議員を除く全員)で、良いことだと思います。質問時間は一人50分(うち議員の持ち時間は20分)なので、2日目の議会は午後10時、3日目も夕方6時の時間までかかりました。
一般質問が「一問一答」方式になって、随分テンポよく解かりやすい質疑応答になりました。「議会改革の一つが成功している」との実感はうれしいものです。ただ多くの議員が質問の持ち時間20分をギリギリまで使っているのに対し、理事者に与えられた答弁時間30分は大抵余らせて終っています。私は「一問一答」を提案した立場から改善が必要と考え、議員の持ち時間を増やすよう(それがダメなら質疑答弁あわせて50分)要望してきましたが、なぜか自由民主党クラブ・山吹民主クラブ・公明党の反対で実現できません。
今回の一般質問で印象に残ったのはショウムナイ内容(失礼!あくまで私の主観です)ゆえに印象的だったという質問もありますが、私を含む3議員が具体に進行している開発等の“紛争“を背景に、生活環境を悪化させない町行政の取り組みを強く求めたことでした。「地区計画」等住民(特に既存の住民)を守る法令の制定が急務との意識を、やっと議会と行政が共有できたのではないかしらと感じましたが、お人よしな私の早とちりかもしれません。
もう一つ、これは理事者側の信じられない答弁準備不足が現れた例です。Y議員が行った質問に対し「広瀬一丁目○○番地の土地は行政財産」と答弁しながら、財産調書の行政財産欄に記載が無いことを説明できない事態が起きました。誤って普通財産「その他」の土地に含まれている可能性が無きにしも非ずですが、町の財産管理上、150平方メートルもの土地が不明なんて考えられません。これが事実なら、あってはならないとんでもないことです。
一方質問内容を通告しているにも拘らず答弁が出来ないということにも、開いた口がふさがりません。答えられないことは担当部局が質問項目を見落としたか、「どこかが答えるだろう」とやり過ごしたかのいずれかです。“縦割り行政”の弊害をさらけ出したこととなりました。
しかしたとえこれらのミスを犯したとしても、答弁書の最終チェックを誰かがちゃんと行っていれば防げたはずでした。部長たちは互いに「答えるのは、うちじゃない」と言った態度がアリアリで、議員からは多くの野次が飛び議場は混乱しました。結局副町長が今後の調査を約束し収まりましたが、理事者がいかに議会を軽視しているかの現実をさらけ出した一幕でした。ホンマ、甘く見られていますよね(山吹民主クラブの議員にでもこんなですから、日頃行政に厳しい私たちには・・・押して知るべしです)。
私の一般質問を紹介する前に、少々長くなってしまいました。次回日を変えて書きますので、本日はこれくらいで終わりにさせていただきます。なお質問者の通告項目一覧は次の通りです。
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昨日の続きですが、私が行った一般質問の概要をお知らせいたします。一般質問を行う議員は、約1週間前に質問の要旨を書いた「通告書」を議長に提出します。理事者は庁議において通告内容に従い答弁の担当部局を決めます。一般質問が始まる前日に、議員へ答弁書が渡されます。議員・理事者共に通告内容と答弁書の内容は読み上げます。その後は一問一答形式で、お互いの発言に対して質疑応答を繰り返していきます。
ここからは議員の調査力や資質・技量等もかなりバレバレになってしまうので、怖〜いです。おまけに20分の持ち時間をコントロールしながらなので、追及が甘かったり再質疑事項を飛ばしてしまったり、いつも終ってから反省するところ大です。いつになったら“完璧!”と自他共に認める一般質問が出来るのか・・・。解りやすく(聴いている人たちに事案の背景が理解できるように)迫り、そして実のある答弁を引き出すこと・・・ウ〜ン難しいです!これからも精進あるのみですね。
さて先ずは、私の通告書で質問の全体像を捉えていただければと思います。
一般質問通告書
<近隣住民の生活環境を著しく悪化させる「島本健康モール」ビルは、計画を見直してください>
水無瀬一丁目747-1に(有)アイワ薬品が建設を計画している「島本健康モール」は、医療機関等に貸し室を行う“メディカル・ビル”と称しています。ただし最近になって、医療のみならずエステ・美容院も明記しています。625.59平方メートルの敷地に建築面積396.49平方メートル、延べ床面積1,476.29平方メートルの建物は高さ16メートルで、長さは51メートルあります。建蔽率は67.46%、容積率は237.33%です。
今、当該ビルの建設計画が問題になっているのは、4階建てとはいうものの実質は6階建てに匹敵する高さと、当ビルと大美自治会の西側住宅(一部)の間がわずか50cmしか離れていない点にあります。目前にそそり立つ16メートルの壁が50メートルも続き、その威圧感・閉塞感は計り知れません。また言うまでも無く日照・通風の障害が発生します。さらには既存の9階建てマンション「シャリエ水無瀬」と当該ビルとにはさまれた状況下では、現況のビル風に加え予測できない風の害も心配されます。
近隣住民の切実な声に事業者は勿論ですが、町行政も真摯に耳を傾けなければなりません。「当ビルの建設に反対しているわけではない。受忍限度を超える本計画は、余りにもひどいではないか」「たとえ法的に問題がなくても、行政は民意をすくい上げる手法を示して欲しい」、さらには「新駅が出来たと喜んでいたのに、こんなことになってしまった。これでは駅なんか無かったほうがよかった」とすら、住民の皆さんは訴えています。 以上は当建設に係るごく一部の意見ですが、これら住民の思いを踏まえて以下の質問を行います。
- (1)
- 当計画の経緯を示してください。また今後はどのように進んで行くのですか。
- (2)
- さる3月12日に当該地を含む用途地域の変更が大阪府の都市計画決定により告示されましたが、当建設計画との整合性はどうでしょうか。
- (3)
- 事業主に対する近隣住民の要望を具体的に示してください。また町に対する要望はどのような内容ですか。
- (4)
- 住民要望に応えるために、町が出来る取り組みを具体的に示してください。
- (5)
- 開発等を巡っては過去にも、また現在も町営住宅跡地開発に見られるような事象が絶えません。町開発指導要綱は機能しているのでしょうか。要綱の内容や運用の見直しが必要ではないかと思います。また地区計画に係る条例制定等にも行政の積極的な取り組みが求められますが、見解を問います。
以 上通告に基づく質疑答弁のあとは、以下の事実に基づいて質しました。
- (1)
- 「島本健康モール」が用途地域変更(第一種住居地域→近隣商業地域)によってしか可能とはならない建築内容(容積率も建蔽率も第一種住居地域ではクリアできない)であることからすれば、事業主が用途地域変更前に当建築内容で行った申請(2008年1月11日)は法的に疑義が生じるのではないか。
- (2)
- 用途地域変更は都市計画法に基づく手続きを経なければならない。町内住民説明会(昨年8月に2回)や大阪府公聴会での公述(昨年10月)を経て、島本町都市計画審議会が審議をおこなったのは本年1月18日である。さらに町都市計画審議会後、府の都市計画審議会が開かれたのは2月4日であった。その後府の審議会決定が告示され、用途地域変更が有効に機能したのは3月12日である。
- (3)
- つまり町は用途地域が変更されるか否かも定かでない2ヶ月も前に、事業主の計画内容を示した申請を何の疑問も無く受け付けたということになる。これらは町 ・府の両都市計画審議会を著しく無視した事務執行ではないか。更には1月18日に開かれた町都市計画審議会で、私は「今回の用途地域変更に沿った具体の打診事例が、今現実にあるのか」と確認を求めた。行政側は「そのような打診は一切ない」と答えたが、実際は審議会の7日前には「医療関係ビル」の内容が記された申請書を受け付けている。
- (4)
- 後日私が行った大阪府建築指導室開発許可グループでの調査では、百歩譲っても「町内の状況を熟知している役場が当申請書を受け付けるのは、どうかと思う。事業主には待ってもらっても当然だ。また大阪府に経由するに当たり、島本町の意見をつけることも可能であった」と、担当者の説明があった。
- (5)
- 次に当建築内容が近隣住民に及ぼす生活環境の悪化について質す。先ず、この議場にいる人びとが「健康モールビル」の高さ16メートルを実感できるかということだ。議場の床から天井までが約5メートル(あらかじめ総務部長に答えられるように依頼しておきました)ということは、その約3倍の高さの壁が皆さんの目と鼻の先50cmのところでそびえることになる。しかもその壁が50メートルにわたって続く。隣接する住民の生活環境の激変悪化を、理事者自身がわが身に置き換えた答弁を求める。
- (6)
- 答弁では事業主に対する近隣住民の要望を、以下の3点に大別している。
- * 建物の階層を3階以下とすること
- * 建物は最低1.5メートル以上の離隔を取り、緑地帯を設けること
- * 新たな風害発生時には、「健康モールビル」に起因するものとして保障すること
- これらの要望事項について事業主の再検討内容が、町開発指導要綱に定めた「見解書」により提出されと聞いている。
- (7)
- 当「見解書」を踏まえて「開発審査会に諮り対処方法を検討する」とのことであるが、答弁では「事業主の見解書からは斡旋が不調に終ることもある」と述べている。このような答弁には異議がある。開発指導要綱は“絵に描いたモチ”なのか。審査会において住民要望に沿う検討を行ってもらうためにも、審査会規定に定められた住民の出席 ・意見陳述をさせるべきである。また審査会開催は安易に始めるべきではない。更には開催を行ったとしても、住民要望が実現するまで終了すべきではないことを求める。
- (8)
- 開発等を行う事業主が営利を追求するのは当たり前のことかもしれない。しかし近隣の住民を犠牲にする開発 ・建築は許されない。町行政はすべての人が泣くことの無い、特に既存の住民がある日突然に理不尽な目に遭うことだけはないように、法令の制定が必要だと認識しているか。
- (9)
- 過去においても、現在でも開発等を巡っては“紛争“が起きているし、今後も益々増加するはずである。開発指導要綱の条例化や都市計画法に定める地区計画の条例化は、いつからスタートを切るのか。またいつまでに法令整備を達成するのか。
メモ書きと記憶をたどると、だいたい以上のような内容で再質疑を重ねていきました。私が「議場の高さの3倍の壁をどう感じるか」と問うたことに対して、都市環境部長は言下に「私ならいやです」と答弁したのは、偽らざる感覚だと思います。今回の「健康モールビル」建設計画は、誰もが「あんまりや!」と感じる内容なのです。
約10年足らず前に当該地域の住民は、コの字型に建っている閑静な住宅街の真ん中に高層(9階建て)マンションを建設されてしまった経験があります。以来日照障害や風害、眺望等々生活環境の悪化に耐えて生活してきました。そこに今回再びの開発による16メートルの建築物(4階建てといいますが実際は6階建てに匹敵する高さです)、しかも今度は眼前わずか50cm!に迫るビルのよう壁が51メートルも続くのです。
ビルに隣接する東側住宅数件は、高層マンション建設後は西側の窓やベランダで一日の最大の陽光を取り入れています。しかし「健康モールビル」建設後光は全く閉ざされてしまい、1日中1年中暗く、風通しも無い劣悪な状況に陥ってしまいます。移動が出来ない80歳代のお年寄りも、このような状況下に置かれてしまうのです。両親を介護されている家族の悲痛な訴えをはじめ、突然生活の権利を奪われる住民の怒りと悲しみに、事業主は何としても応えるべきであると思います。
町行政は事業者への実効ある調整・斡旋に全力を尽くさなければなりません。副町長を会長とする開発等審査会は、前述の両親を介護されている家族の訴えをはじめ、全ての陳情書を読んでください。また直接住民の意見を聴いてください。私は行政が今、何もやっていないとなじるつもりはありません。住民の面談に要求通り応じたり、要望に対する回答の迅速化や情報提供等々努力してもらっている点は多々あります。
でも肝心の事業主への指導が実を結ばないことには、住民が劣悪な環境に陥ることは確かなのです。軸足をしっかりと住民の立つ場において下さい。お願いします。計画内容が変わらずに、このまま「健康モールビル」建設が進めば島本町は“笑い者”です。そして町は住民との信頼関係を大きく崩すことになるでしょう。
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