雪印食品 その2 (安全・安心のイメージ #03)


またもや雪の結晶をブランドマークにした加工食品が全国のスーパーの売り場から消えていく事態となっている。
犯罪という行為は許されるべき事では決してない。だからこの企業が刑事的な処分を受ける事も、社会の批判を浴びる事も仕方のない事と思う。
では何故、その企業の商品、製品がスーパーの店頭から消えるのか?何故、学校給食のメニューから急遽変更されて取り除かれなければならないのか。

繰り返すが、犯罪という行為は決して許されるべき事ではない。
だから行政の指導による営業停止処分、販売自粛、当事者及び責任者への責任追及と形のある処分、そして再発防止への何らかの厳しい対策を企業へ要求する事はもっともだと思うし、そうしてもらわなければ示しが付かないので困る。
では、何故、必要以上の制裁措置を民間の小売業者がとる必要があるのか?小売業という仕事に携わる俺としては非常に疑問に思うし、残念でならない。

すべては、イメージ先行なのである。
商品の品質にはまったく問題ないし、しかも消費者に支持を得ている売れ筋の商品が、その企業のイメージが悪いと言うだけで排除されてしまっているのである。
イメージの悪い企業の商品を扱っている事を理由に、小売業という企業として、自分のイメージを落としたくないだけなのである。
困った時こそ助け合おうという、日本人・・・いや人間として最も基本であり、重要な気持ちを忘れてはしないだろうか?
その商品を買うか買わないかは消費者が判断すればよいのである。

ボロを出した所へ寄ってたかって、まるで弱い物いじめのように、必要以上に見下した対応をする、このワイドショー的な体質、そして本質を理解しようともせずに、右へ倣えとばかりに画一的に他の大手小売業の対応に揃えてしまう企業体質。誰もおかしいとは思わないのか?

周りのみんながこうしているから、とか、そう言うのはもうやめよう。
自分はこうしたい、という強い信念を持ちたいものだ。

けなす事、批判する事、つぶす事、辞めてしまう事、安易な方向ばかりに目を向けるのではなく、支持する事、継続する事、育てる事、少しばかり難儀で困難な事でも、共存して明日につながる道を選択していきたいものだ。

2002.1.26.
2012.3.25. (タイトルを修正)


#02 狂牛病 (2001.10.14)
#01 雪印食品 (2000.7.14)




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