雪印食品 (安全・安心のイメージ #01)


雪の結晶をブランドマークにした加工食品が全国的に売場から消えていく。
確かに問題を起こせば叩かれるのは当然の事なのだが、そのマークの付いた商品すべてが問題があるというわけではない事も事実だ。小売店が店頭から商品を撤去する時のお題目として「安全が確認されるまでは消費者を守る為の措置」などと、判ったような判らないような事を唱えているが、実の所は万が一の時に責任の一端を担がされるのが嫌なだけだったり、またイメージが悪くなって売れなくなった商品を合法的に締め出したいだけなのかもしれない。
実際の所、売場から雪の結晶マークの付いた商品が撤去されるまでは、消費者から「あんたの所はこんなものを売っていて恥ずかしくないのか?」などと正義の代行者みたいな意見を盾に、販売員に詰め寄る姿も間近に目撃した。販売員が反論出来ない事を知っていてこういう事を言ってくる奴はクズだ。日頃よっぽといじめられ続けている、立場の弱い人間なのだろう。彼にとってはこういう行為がストレス発散の場であるに違いない。
撤去後も「どれを買ったら安全なのか分からないわ」と柔らかにつぶやきながら品定めをする主婦も、きっと彼女にとっては本音のセリフなのだろうが、俺から言わせれば、日頃の自分の怠惰さを人前で露見させているに過ぎない。
安全と言う品質はイメージではなく、「目の前にあるそのもの」が全てである。日頃のイメージだけで何となく行動しているからそういう台詞がポロッと出てしまうのだ。最終的な責任は製造者でも販売者でもなく、使用者・消費者にあると言う事をもう一度各自がきちんと認識すべきだ。
多数でよってたかってぼろを出したところへ向かって攻撃の矛先を向けるのは、単なる弱い者いじめでしかない。「けしからん」と言うのは自由だが、どうしたらいいのかを考えるのは各自の責任だ。
製造者も販売者も、すべては「人」で動いている。
重大な問題を起こせば刑事的な責任負うことは免れないが、民事的な責任を負わす事よりも、救済の為にどうしたらよいかを考えたい。
困っている相手に、自分なら何が出来るかということを考えられる人間を目指したいと、俺は思う。

2000.7.14.
2012.3.25. (タイトルを修正)




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