過去のQ&A

2006年11月29日(水)掲載   

今回の質問:
先日、24歳の息子が前歯を1本折ってしまいました。大きく折れていて差し歯は無理とのこと。
ブリッジかインプラントのどちらにするかで悩んでいます。それぞれの違いと利点を教えてくださ
い。(52歳 主婦) 

答え: 
 ブリッジとは、歯を失ってしまった場合、失った歯の両隣の歯を土台にして冠を入れる治療を
いいます。ちょうど、橋(ブリッジ)を掛けるような治療法なのでこの名前が付いています。保険
でできる治療ですが、土台となる歯を大きく削らなければならないことや、土台となる歯の負担
が増加することが欠点です。
 インプラントとは、手術により、人工の歯根(主にチタン)を歯を失った部分に埋め込み、歯の
代わりをさせる治療をいいます。保険適用ではありませんが、隣の歯を削る必要がなく、ほか
の歯に余計な負担が掛かりません。歯を失った場合の治療方法として、最も優れているといえ
ます。最近では治療期間も短縮される傾向にあり、条件さえ整えば、抜歯と同時にインプラント
手術を行う場合もあります。
 イプラント治療は、体にとって異物である人工歯根をあごの骨に埋め込む治療であるため、
治療を希望する際は、治療内容についてよく理解する必要があります。一度あごの骨と結合し
たインプラントはとても強固ですが、歯磨きや定期検診を怠ると、インプラント周囲炎を起こして
抜けてしまう場合があります。イプラントの耐久性は何年か、などの予後の状態には個人差が
あります。
 適切な管理により、インプラントを長持ちさせている人はたくさんいます。インプラント治療の
効果は非常に高く、歯を失った場合は、第一にインプラント治療を検討することをお勧めしま
す。
 
  
 





2006年8月23日(水)掲載 
  
今回の質問:
 1年前から自分の歯は4本残し、あとは入れ歯にしました。かみ具合は悪くないのですが、口
元の印象が変わってしまい気になっています。自分の顔に合った入れ歯を作るにはどうしたら
よいですか?(62歳 主婦) 

答え:
 まず、現在使用している入れ歯の問題点と、口元の印象をどのようにしたいのかを主治医に
伝えましょう。入れ歯が完成してからでも、ある程度の修正は可能です。
 歯を抜くとその部分の歯茎もやせてしまうので、口元にシワが寄った感じになることが多く、こ
の場合、入れ歯の歯肉部分の厚みを増加させて、口元にハリを持たせることができます。
 入れ歯を製作する治療過程で、試適(仮合わせ)の段階があります。この段階で歯の出来具
合いや色、形、入れ歯の厚みや大きさなどをチェックします。気になる点があれば、この時に
主治医に伝えます。ただし、歯を抜いたその日に入れ歯を入れる場合は、仮合わせができま
せんので、完成してから調整することになります。
 入れ歯は歯肉部分の厚みがあり、これが原因で口元に煩わしさを感じることがあります。そ
の場合は、インプラント治療が有効です。インプラント治療は、固定式の冠があごの骨に直接
入るので、入れ歯のように違和感や煩わしさを感じることがなくなります。すべての歯をインプ
ラント治療にしなくても、インプラントと入れ歯を併用して、それぞれの利点を引き出す治療も可
能です。
 歯を失った場合、その部分の歯茎もやせてしまうために口元の印象が変わってしまいます。
歯茎がやせるのを防ぐには、早期にインプラント治療を行うことが有効です。
1歯失うごとにインプラント治療で補い、歯が抜けたままの部分を作らないことが理
想的です。 
  
 





2006年5月24日(水)掲載   
今回の質問:
 左上の奥から3番目の歯が割れ「抜くしかない」と診断されて抜歯しました。ブリッジか部分入
れ歯を勧められましたが、長い目で見てどちらがいいでしょう。ほかの方法があれば教えてくだ
さい。(35歳 主婦) 

答え: 
 どの治療が適切かは、実際に診察しないと分かりませんので、それぞれの治療の利点と欠
点をお話しします。
 ブリッジにすると固定式の冠(かん)が入るので、入れ歯よりも良くかめますし、違和感も少な
いのですが、土台となる隣の歯を大きく削らなければなりません。
 一方、部分入れ歯は、バネのかかる歯を少し削らなければなりませんが、ブリッジほど大きく
削らなくてもすみます。しかし、取り外し式のため、かみ砕く能力はブリッジほど強くなく、部分
入れ歯の大きさによっては、違和感が出てしまうことがあります。 
 これらの治療方法の欠点を克服したものが、インプラント治療です。インプラント治療は、歯
を失った部分に手術により人工歯根を埋め込み、歯の代わりをさせる治療です。ブリッジのよ
うにほかの歯を削る必要がなく、入れ歯のような違和感もなく、とても良くかめるようになりま
す。
 また、残っている歯に余計な負担がかからないので、残りの歯の寿命を縮めてしまう心配も
ありません。ただし、インプラント治療は保険適用外です。経済的な負担はありますが、得られ
る効果は非常に大きく、歯を失った場合、インプラント治療が最も優れているといえます。

 どの治療方法を選択しても、長持ちさせるためには、適切なブラッシングと定期検診が必要
不可欠です。歯科医とよく相談して、治療を受けてください。
 
  
 


  

2006年1月25日(水)掲載   
今回の質問:
 全体に歯がぐらつき、物が噛(か)めません。以前、右の奥歯は重度の歯周病で、抜歯が必
要と診断を受けましたが、放置していました。歯周病の治療について教えてください(54歳 主
婦) 

答え: 
 歯周病は歯の周りの組織(歯肉・歯槽骨など)が炎症を起こして破壊され、進行すると歯が抜
けてしまう病気で、原因は歯に付いた汚れ、歯垢や歯石です。病気の進行過程で自覚症状が
あまりないため、症状が出た時には進行している人が多く、重症の場合は抜歯が必要になる
こともあります。

 治療は大まかにいうと、歯磨きと歯石の除去です。まず歯磨きは、歯科で適切な歯ブラシの
選び方とブラッシング方法の指導を受ける必要があります。ブラッシング方法は改良され、より
効果的な方法が考案されており、それを取り入れることで歯周病が劇的に改善した例も多数
あります。虫歯や歯周病は、ほとんどが適切なブラッシングによって予防できるので、一度歯
科で磨き方の指導を受けてみましょう。

 次に歯石の除去ですが、数回の通院が必要です。重症の人は、外科的な歯茎の手術が必
要なことも。歯周病の治療は時間がかかり、効果がすぐに表れるわけではありません。一通り
の治療が終了した後の定期検診も重要で、怠るとすぐ再発してしまいます。掛かり付けの歯科
で、継続して治療することが大切です。

 質問の場合、抜歯が必要だと仮定すると、抜歯後に歯を入れる治療も必要です。歯周病の
程度によってはまず仮り歯を入れ、歯周病の治療が終わってから最終的な歯(冠や入れ歯)を
作ることもあります。最終的な歯は残っている歯の状態を考慮して決められますが、残りの歯
に負担をかけないインプラント治療も選択肢の一つです。
 
  
 


 

2005年8月31日(水)掲載  
今回の質問: 
 部分入れ歯が合わないので、インプラント治療を希望していますが、不安です。治療手順や
期間について教えてください。(40歳 主婦) 

答え: 
 インプラント治療は、使用するインプラントの種類や患者さんの状態によって、手術方法や治
療期間が異なりますので、治療前に歯科医とよく相談する必要があります。
参考までに当院での治療の流れを紹介しますが、一つの目安とお考えください。

 まず、治療を希望される方には、インプラント治療の利点と欠点を詳しく説明します。次に、レ
ントゲン検査や歯型取りを行い、インプラントを埋める位置や本数を決定します。検査結果をも
とに、手術方法や治療期間、費用などの説明を行います。

 次に手術ですが、局所麻酔で行います。まず歯肉を切開し顎(あご)の骨を露出させ、専用
の器具で直径4a程度の穴を開けます。その中にインプラントを埋め込み、最後に歯肉を戻し
て糸で縫います。手術は十分な麻酔のもとで行いますので、術中の痛みはほとんどありませ
ん。また、術後の痛みも薬で抑えられる程度です。腫れは、やや出る場合がありますが、1週
間ほどで治まるでしょう(抜歯と同じ程度とお考えください)。

その後、インプラントと骨が完全に結合するまで2カ月ほど待ち、歯型を取り、冠(かん)を被
(かぶ)せます。

 当院では基本的に手術が1回で済む方法を採用しています。ただし顎の骨の状態によって
は、手術を2回に分けて行う場合もあります。その場合、治療期間は少し長くなります。
 顎の骨と結合したインプラントはとても丈夫ですが、長持ちさせるためには、適切な歯磨きと
定期検診が重要です。
 
  
 



2005年5月25日(水)掲載 
 
今回の質問:
虫歯がひどく、歯を抜かなければならないのですが、将来インプラント治療を希望しています。
インプラントは誰にでもできるのでしょうか。     (37歳 主婦) 

答え:
インプラントとは、歯がなくなった部分の骨に、手術により人工の歯根
(インプラント)を埋め込み、その上に金属冠などを被(かぶ)せる治療を言います。
年齢や性別に制限はありませんが治療を希望される場合、いくつかの診査が必要で、
それらを総合的に判断し、治療計画を立てる必要があります。

診査項目は多数ありますが、最も重要なのは、インプラントを埋める顎(あご)
の骨の状態です。インプラントは顎の骨に穴を開け、直接骨の中に埋め込むので、
土台となる骨の量が多いほど良好な予後が期待できます。

歯を失ってから長期間経過している場合や、重度の歯周病で歯を失った場合などは、
土台となる顎の骨がやせて(吸収して)しまっている場合があり、
インプラント治療が困難なことがあります。顎の骨の高さや幅、形、硬さ(密度)、
さらに失った歯の本数やほかの歯の状態、かみ合わせの状態などを総合的に判断して、
埋め込むインプラントの本数や、最終的な被せ物の形態が決定されます。

また、全身の健康状態も治療に関係します。
程度にもよりますが、糖尿病などの代謝疾患があると、傷の治りが悪くなり、
インプラントが定着しない場合があります。喫煙も治療に悪影響を及ぼします。
さらに、インプラント治療後の歯磨きも非常に重要です。

インプラントは決して永久的なものではありません。ご自分の歯と同様に、
歯磨きを怠ると炎症を起こして抜けてしまいます。
治療に際しては、歯科医とよく相談する必要があります。 
  
 



2005年2月23日(水)掲載  
 
今回の質問: 
奥歯を抜歯してそのままにし、前歯で食事をしていますが、最近前歯の長さが長くなり、出っ歯
になった気がします。何か治療法はありますか。(45歳 主婦) 

答え: 
実際に診察させていただかないと分からない点が多々ありますので、
以降、目安とお考え下さい。 
  
上下の歯をかみ合わせると、奥歯はほぼ垂直方向にかんでいますが、前歯の場合、下の前
歯が上の前歯に向かって斜めにかんでいます。そのため、垂直方向の支え(ストップ)がなくな
り、下の前歯が上の前歯を突き上げ、出っ歯になり、歯並びに隙(すき)間ができます。また、
歯やかみ合う歯が動いてしまうので歯並びを悪くする原因になります。 
  
治療法としては、まず奥歯を治療して、しっかりと奥歯でかめるようにすることです。また、前歯
の長さが長くなったということですので、歯を支えている歯茎や歯槽骨が炎症を起こしている可
能性ががあり、歯周病の治療も必要でしょう。 
  
 前に出てしまった前歯ですが、かみ合わせやほかの歯の状態などによって治療法が異なり
ますが、矯正治療をして、歯並びを整える方法や、歯を削って被(かぶ)せ物をし、形態や歯並
びを整える方法が考えられます。被せ物による治療は、歯を削らなければなりませんが、比較
的短期間で結果を出すことができます。ただ注意していただきたいのは、前歯だけ治療して
も、奥歯のかみ合わせを回復しなければ完治しないということです。具体的な治療方法は、さ
まざまな選択肢がありますので、歯科医とよく相談の上、治療してください。 
 




2004年10月20日(水)掲載   

今回の質問: 
部分入れ歯のバネが見えるのが気になります。バネのない入れ歯はありますか。また、マグネ
ットを使用する入れ歯があると聞きました。どのようなものでしょうか。(45歳 主婦) 

答え:
 部分入れ歯の場合、入れ歯の隣の歯に金属のバネを掛けて、入れ歯を安定させます。た
だ、このバネが気になる方が多いのも事実です。バネのない入れ歯にはいろいろ種類があり
ますが、健康保険は使用できませんので自費診療になります。また、残っている歯の状況や、
歯の欠損状態によって、選択できる入れ歯のタイプが異なります。代表的なものをご説明しま
す。 
  
@ バネのない部分入れ歯(コーヌス義歯)。この部分入れ歯は、従来バネがかかっていた土
台となる歯を小さく削り、まず第一の金属冠を覆(かぶ)せます。さらにその上に第二の金属冠
を覆せます。第一の金属冠は歯に、第二の金属冠は入れ歯に付いていますので、この2つの
金属冠がぴったりはまることで入れ歯が安定します。外観は入れ歯だと分かりません。また、
管理や清掃がしやすいのも利点です。 
  
A 磁石を使用した部分入れ歯(マグネット義歯)。この入れ歯は、バネの代わりに、磁石の磁
力によって、入れ歯を安定させます。そのため、土台となる歯と入れ歯の相方に磁石を埋め込
みます。土台となる歯が多少揺れ動いていても、歯を抜かずに治療できる利点があります。見
た目も入れ歯と分かりづらくなっています。 
  
 これらの部分入れ歯を作る際には、かみ合わせや歯周病の管理など口全体の将来を考慮
した治療が必要です。その治療が適当かどうかは患者さんには判断しづらいと思いますので、
歯科医と相談するとよいでしょう。 
 




2004年6月9日(水)掲載
   
今回の質問:
最近、歯茎が後退して歯が長くなり、水やお湯がしみるようになりました。治療法にはどのよう
なものがありますか?(41歳 主婦) 

答え:
 歯茎がやせて後退すると、歯の根(歯根)が出てくるため、歯が長くなったように見えます。こ
の状態を「歯根露出」といいます。 
  
 歯根露出を起こすと、冷水やお湯がしみたり、食べ物がはさまりやすくなったり、見た目が悪
くなったりと、さまざまな症状が出現します。冷水やお湯がしみる症状に対する治療は、しみる
症状を抑える薬を歯に塗布したり、露出部分に詰め物をします。それでも症状が消失しなけれ
ば、歯の神経を取る治療になります。 
  
 歯根露出を起こす原因には、さまざまなものがあります。歯周病で歯を支える骨や歯肉がや
せてしまうことも原因の一つ。また、ブラッシングの圧が強すぎたり、歯ブラシの当て方が不適
当であるなど、日常のブラッシング方法によっても起きることがあります。そのため、歯根露出
の予防法の一つとして、適切なブラッシングが挙げられます。歯根露出を起こした患者さんが
来院された場合、私はまず歯根露出を起こしにくいブラッシング方法と、適切な歯ブラシの選
び方をお話することにしています。 
  
 歯はエナメル質という非常に硬い鎧(よろい)に覆(おお)われていますが、歯根部分にはこ
の鎧がありません。そのため、露出した歯根はもろく、非常に虫歯になりやすいのです。また、
歯根は歯の神経に近いため、虫歯になると歯の神経を取らなければならないケースが多いの
です。そのため歯根部分を露出させない、また虫歯にしないように予防することは大変重要で
す。 
 




2004年3月10日(水)掲載 
  
今回の質問: 
虫歯がひどくなり、歯を残したまま治療をすることは不可能なようです。最近、インプラントとい
う言葉を聞きますが、どんな治療法ですか?(40歳 主婦) 

答え: 
 「インプラントとは歯がなくなった部分の骨に、手術により人工の歯根(インプラント体) 
を埋め込み、その上に人工の歯をかぶせる治療をいいます。従来の治療方法では 
取り外し式の入れ歯しかできなかった部位に固定式の歯(金属冠など)を入れる 
ことができる、天然の歯に近い噛み心地が得られるなどのさまざまなメリットがあり 
優れた治療方法であるといえます。 
  
 インプラント治療は、ドイツでは、歯を失った場合の治療法法の第一選択と 
なっているそうで、日本でも身近な治療になりつつあります。ただし、健康保険 
は使えないので、自費診療になります。 
グを希望される場合は、まず歯科を受診し、検査を受けてください。虫歯や歯周病 
 現在、インプラントは世界中で数十社のものが使われており、使用する場所、 
本数・最終的なかぶせものの形態などにより、治療期間や手術回数が異なります。 
手術を1回で行う方法なら2〜4ヶ月、2回行う方法なら4〜6ヶ月の治療期間が目安です。 

 インプラントを長持ちさせるポイントは、日常のブラッシング。口の中には多量の 
細菌が存在するため。インプラント周囲は常に感染の危険性があります。 
「インプラント周囲炎」を起こすと、支えている骨がやせてインプラントがだめになって 
しまうので、インプラント周辺には特別の清掃が必要です。ですから、ブラッシング 
をしたくない方にはこの治療法は適しません。日常のブラッシングをきちんとして 
インプラントを長持ちさせている人はたくさんいます。歯科医によく相談の上 
治療をしてください。 
 





2003年10月22日(水)掲載 
  
今回の質問: 
歯の色が黄ばんでいるので白くしたいのですが、自宅でできる歯の漂白があると聞きました。
どんな方法ですか?(32歳 OL) 

答え:
 歯の漂白方法(ホワイトニング)は、有髄歯(ゆうずいし=神経のある歯)と、 
無髄歯(むずいし=神経のない歯)とでは異なり、有髄歯の漂白には健康保険は 
適用されません。ご質問の自宅で行う歯の漂白(ホームホワイトニング)は、主に 
有髄変色歯を対象としたもので、保険外の治療になります。 
 
 有髄歯のホワイトニングには歯科医院で行う「オフィスホワイトニング」と、歯科医 
の指導のもと、自宅で行う「ホームホワイトニング」の2通りあり、ホワイトニング先進 
国のアメリカでは、ホームホワイトニングの方が主流になっています。ホワイトニン 
グを希望される場合は、まず歯科を受診し、検査を受けてください。虫歯や歯周病 
がある場合、先にそちらの治療を行う必要があります。 

 検査の結果、ホームホワイトニングが適応であると判断された場合、ホワイトニ 
ングに用いるマウスピースを製作するため、歯型を取ります。 

 マウスピース完成後、漂白剤が渡されますので、歯科医の指示に従い、自宅 
でマウスピース内に漂白剤を注入し、1日2時間ほど装着します。通常、2週間 
ほどで歯の漂白効果が現れます。現在では、透明感を持つ自然な歯の白さを 
得られるようになっていますが、漂白効果は永久的なものではなく、効果を持続 
させたい場合は、定期的なホワイトニングが必要です。 

 また、得られる効果は個人差がありますので、歯科医によく相談の上、治療 
されることをお勧めします。 
 





2003年7月9日(水)掲載
 
今回の質問: 
下の奥歯が歯槽膿漏で駄目になり、抜歯して入れ歯を作りました。入れ歯は初めてなので、取
り扱う時の注意点を教えてください。 

答え:
基本的な入れ歯の取り扱いについては、まず第一に清潔に保つことが大切です。 
入れ歯には汚れや細菌が付きやすく、手入れが不十分だと口腔カンジタ症 
などを起こす原因となります。口腔カンジタ症はカンジタ菌により口の粘膜が 
炎症を起こし、白くただれたり、赤く腫れたりする病気です。粘膜の痛みを伴う 
ことが多く、入れ歯での食事が困難になってしまいます。そのため清掃は大変 
重要です。 
  
 具体的には、毎食後の歯磨きと同様に、入れ歯も清掃する必要があります。 
専用の義歯用ブラシがあるので、これを用いると効果的。また、週に1〜2どは 
義歯用洗剤で洗いましょう。これで入れ歯に付いた細菌を減らすことが 
可能です。 
  
 また、夜間は基本的には外して寝ます。入れ歯は乾燥させると、少しずつ  
変形するため、水や義歯用洗浄剤に浸けておくようにします。ただ、噛み合わせ 
の状態によっては、入れたまま寝たほうが良い場合もあるので歯科医に相談を。 
  
 入れ歯を入れると、入れ歯を支える歯茎(歯槽骨)が少しずつやせていきます。 
ご質問のように歯を抜いて入れ歯を作った場合、歯槽骨の吸収する(やせる) 
度合いが大きく、定期的な調整が必要です。また、痛みや入れ歯がゆるい 
などの症状が出たら、我慢せずに歯科を受診してください。 
 
 




2003年4月9日(水)掲載 

今回の質問:
20年位前に神経を抜いた大臼歯(だいきゅうし)あたりが、ほおの上から押すと傷みます。ま
た、歯と歯肉の間が黒ずんでいます。原因や治療法は?(39歳 主婦) 

答え: 
ご質問の症状からは、次のような原因が考えられます。 
 
@ 歯根の先端部分の炎症(歯根炎症)が原因である場合 
 
 まず、かぶせ物(金属冠など)を取り除き、歯の神経の管を通して歯根の先端 
 部分に出来た病巣の消毒を行う治療(根管治療)が必要になります。 
 症状が消失するまで消毒を行い、その後冠をかぶせたり、詰め物をする治療を 
 行います。 
  
A 歯槽膿漏(しそうのうろう=歯周病)が原因である場合 
  
 歯周病の治療(歯垢=しこうや歯石の除去など)になります。 
 歯石の除去には数回の通院が必要で、麻酔を併用しての処置をする場合 
 もあります。 
 
ご質問の場合、歯と歯肉の間が黒ずんでいるとのことなので、その部分が 
虫歯になっていたり、冠や詰め物にすき間ができている可能性があります。 
その場合、歯周病を悪化させるので、虫歯の治療や冠を新しく作り直すことが 
必要です。その他に、歯が割れていたり、ひびが入っている可能性もあります。 
また、これらの原因が複合して発症する場合もあります。いずれにしても、 
急性症状がある場合は抗生物質などの内服薬を併用した治療になるのが 
一般的です。確定診断のためには、X線撮影や歯周ポケット検査等が必要 
ですので、早めに歯科を受診してください。 
 




2003年1月29日(水)掲載
 
今回の質問: 
家族に「口臭がする」と言われて悩んでいます。どんな原因が考えられますか?
また、対策はありますか?(45歳 主婦) 

答え: 
口臭は目に見えずなかなか客観的に判断するのは難しいものです。一般に、人が 
会話や呼吸で吐き出した息を他人が不快と感じ、悪臭と判断されるものを 
「真性口臭症」と呼んでいます。真性口臭症には、次のようなものがあります。 

 
1, 生理的口臭  
 早朝時口臭、緊張時口臭など。人間誰しもが持つものであり、 
 特に心配ありません。 
 
2, 病的口臭 
 @ 口腔内の疾患が原因となるもの 
 A 全身の疾患(耳鼻咽喉、呼吸器系疾患、糖尿病など)によるもの 
  
口臭で最も多いのは、口腔内疾患によるものであり、真性口腔症の70%〜80% 
を占めるといわれ、口腔内の疾患としては次のような状態が挙げられます。 
虫歯や、古くなってすき間の出来た詰め物、かぶせ物を放置していたため、 
その部分に食べ物の残りがたまり、歯ブラシも届かないため、口臭がする。 
また、入れ歯が汚れていたり、歯槽膿漏がある。舌苔(ぜったい=舌の表面に 
付着する白い苔状の物質)が多量に付着している。この場合は舌の清掃が必要 
で、専用の舌ブラシを用いると効果的ですが、ガーゼ等でも清掃できます。 
対策は、それぞれの状態に応じて治療を行い、原因の1つ1つを除去していく 
ことです。早めに歯科医に相談を。 
 


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