道新オントナ あなたの街のドクターがアドバイス


今回のお話




インプラント治療をしている場合MRI・CTは受けられる?(2011.5.18掲載
 

インプラント治療は臨床応用されてから、45年が経過しました。
現在では歯を失った場合の治療方法の第一選択となりつつあります。(但し、健康保険は適応
されません。)インプラント治療を受ける患者さんは確実に増加しており、それに伴いインプラン
ト治療に関する多くのご質問をいただくようになりました。
 
最近多いご質問は、「インプラント治療を受けたのだが、MRIやCT検査をしても大丈夫か?」
というものです。結論からお話しますと特に問題はありません。

MRI(磁気共鳴画像法)は人体に磁気を当てて画像を診断する検査です。強い磁場の中に置
かれた人体に電波を当てると、これに反応して体内の組織中にある成分が共鳴し、電波を発
します。その電波を受信して画像を作成するのです。そのため体内に磁性体(磁石に吸い寄
せられる金属)が埋め込まれている場合はMRI撮影ができません。インプラントは基本的にチ
タンで出来ています。チタンは磁気に反応しない非磁性体であるためMRI撮影が可能です。但
しインプラントの上部に磁石で着脱する入れ歯を装着している方は磁石付きの入れ歯を外して
検査を受ける必要があります(その他着脱可能な入れ歯も外します)。

また、X線を使用するCT(コンピューター断層撮影)検査にもインプラントは影響しません。CT
撮影の際も金属は外すように言われますが、これは金属アーチファクトという虚像(ノイズやエ
ラー)が写ることを防ぐためです。前述の通り、インプラントの材質はチタンであり、チタンはCT
撮影をしても殆んどアーチファクトが発生しません。つまり、インプラント治療をしていてもMRI
やCT検査には影響はありません。







口臭の原因と治療について(2010.7.25掲載


 口臭は目に見えずなかなか客観的に判断するのは難しいものです。
最近では自宅で口臭を測定できるキットも発売されており、ある程度の目安にはなるかと思い
ます。一般に、人が会話や呼吸で吐き出した息を他人が不快と感じ、悪臭と判断されるものを
「真性口臭症」と呼んでいます。

真性口臭症には、次のようなものがあります。

1, 生理的口臭 
 早朝時口臭、緊張時口臭など。人間誰しもが持つものであり、 特に心配ありません。
2, 病的口臭
 @ 口腔内の疾患が原因となるもの
 A 全身の疾患(耳鼻咽喉、呼吸器系疾患、糖尿病など)によるもの

 口臭で最も多いのは、口腔内疾患によるものであり、真性口腔症の70%〜80%を占めるといわ
れ、口腔内の疾患としては次のような状態が挙げられます。

 虫歯や、古くなってすき間の出来た詰め物、かぶせ物を放置していたため、その部分に食べ
物の残りがたまり、歯ブラシも届かないため、口臭がする。また、入れ歯が汚れていたり、歯周
病がある。舌苔(ぜったい=舌の表面に付着する白い苔状の物質)が多量に付着している。こ
の場合は舌の清掃が必要で、専用の舌ブラシを用いると効果的ですが、ガーゼ等でも清掃で
きます。
 対策は、それぞれの状態に応じて治療を行い、原因の1つ1つを除去していくことです。
また、口腔清掃指導のみで改善する口臭も少なくありません。口腔清掃指導とは単に歯ブラシ
の練習だけではありません。正しい歯ブラシの選び方、ブラッシングの時期、時間、回数、方法
などを理解すること。さらに、歯ブラシだけではどうしても磨き残しが出来てしまいますので、歯
間ブラシやフロスなどの補助清掃道具を併用することが重要です。歯磨き粉も適切なものを選
び使用することで虫歯や歯周病予防になり口臭を予防します。入れ歯は洗浄剤のみを使用し
ている方が多いのですが、入れ歯専用のブラシで清掃する必要があります。歯科を受診し指
導を受けることをおすすめします。


歯を失った部分に手術で人工歯根を埋め込む
「インプラント治療」のメリットについて(2009.11.25掲載


 
 インプラント治療とは歯を失った部分に手術により人工歯根を埋め込み、歯の代わりをさせ
る治療法です。インプラント治療にはさまざまなメリットがあります。人工歯根が失った歯の代
わりとなるので、食べものを良く噛(か)めるようになることはもちろんですが、隣の歯に負担を
かけないことも大きなメリットです。 
 
 一方、失った歯の両隣の歯を削って、固定式の冠を入れる治療をブリッジ治療といいます。
ブリッジ治療は違和感も少なく良く噛めるようになります。しかし、失った歯の両隣の歯を削ら
なければなりません。また、失った歯の分の負担が、直接両隣の歯にかかってしまいます。ブ
リッジ治療ではなく、取り外し式の入れ歯治療を選択した場合でも、失った歯の両隣の歯には
バネをかけるので、失った歯の分の負担がかかります。これらの負担は歯にとって、好ましい
ものではありません。 
 
 さらに歯周病の状態が予後に大きく影響します。歯周病とは歯を支えている組織(主に歯肉
や歯槽骨)が細菌感染により炎症を起こし破壊され、最終的には歯がグラついて抜けてしまう
病気です。程度の差はありますが、成人の約80%が罹(り)患しているといわれています。たと
えばブリッジ治療で土台となる歯や入れ歯治療でバネがかかる歯が、歯周病で少しグラついて
いる場合、失った歯の分の負担が増すことにより、さらにグラついて数年後には抜歯しなけれ
ばならなくなるケースもあります。 

 インプラント治療では、失った歯の隣の歯に全く負担をかけないので、隣の歯がますますグラ
ついてしまうことはありません。逆にインプラントでしっかり噛めることにより、隣の少しグラつい
ている歯の負担が軽減されます。同時に歯周病治療を適切に行なうことにより、軽度のグラつ
きであれば改善する場合もあります。 インプラント治療は健康保険は使えませんが、メリット
の多い治療法です。歯科医とよく相談し、上手に利用してください。






入れ歯から「インプラント治療」へ(2008.9.3掲載



人口歯根を埋め込む、違和感の少ない治療法

  歯を失った場合、次の3つの治療が考えられます。(1)失った歯の隣の歯を削って土台にし
て、固定式の金属冠をかぶせる方法(ブリッジ治療)(2)失った歯の隣の歯にバネを掛けて、
取り外し式の入れ歯を入れる方法(3)インプラント治療。

 (1)のブリッジ治療が適当か、(2)の入れ歯治療が適当かは、失った歯の本数や部位によ
って異なります。失った歯の本数が多くなるほど、入れ歯治療が適当となり、入れ歯の大きさ
(サイズ)も大きくなります。入れ歯では痛みのほか、「発音しづらい」「味が分かりづらい」など
の違和感が出てしまうことが多く、また、ブリッジ治療でも、 失った歯の隣の歯を削らなければ
ならないなどの欠点があります。

 これらの治療法の欠点を克服したものが、(3)のインプラント治療です。インプラント治療は、
歯を失った部分に、手術により人工歯根を埋め込み、歯の代わりをさせる治療です。インプラ
ント治療は隣の歯に負担をかけることはありませんし、隣の歯を削る必要もありません。ま
た、入れ歯のように痛みや発音しづらい、味が分かりづらいなどの不快感が出ることがなく、と
ても優れた治療法であるといえます。インプラント治療では、自分の歯と同じくらいのかみ心地
を得ることができます。ただし、インプラント治療に健康保険は適用されません。




長持ちさせるためにも抜歯後は早めに治療を

 インプラント治療は、手術により顎(あご)の骨に直接、人工歯根を埋め込みますので、土台
となる顎の骨の状態が良い(顎の骨の高さや幅が十分にある)ほど長持ちします。

 抜歯して長期間経過すると、顎の骨はやせてしまいます。また、たくさんの歯を失えば、それ
に比例して顎の骨もやせていきます。そのため、歯を失ったら早めに、また失った歯の本数が
少ないうちに、インプラント治療を行うことが大切です。
 
 入れ歯で長期間、苦労しているケースでもインプラント治療により、改善された例は多々あり
ます。歯科医とよく相談の上、上手にインプラント治療を利用してください。





最近のインプラント治療について(2007.12.19掲載


  インプラント治療は着実に進歩しており、世間にも広く浸透し、今では歯を失った場合の治
療方法の第一選択になりつつあります。

 入れ歯では「発音しづらい」「味が分かりづらい」などの違和感が出てしまうことが多く、また、
ブリッジ治療ですと、失った歯の隣の歯を削らなければならないなどの欠点があります。インプ
ラント治療により、これらの問題点をすべて解決することができます。最近では、患者さんから
積極的にインプラント治療を希望するケースも多くなっています。 

 インプラント治療が広く浸透した理由には、治療期間の短期化や高い定着率(良好な予後)
が挙げられると思います。 実際の治療期間は、患者さんの状態によって異なりますが、手術
が1回で済むインプラントを使用した場合、インプラント手術の日から2カ月程度で最終的な冠
が入ります。 また、前歯など歯が無いと審美的に問題となる部位の治療では、インプラント手
術の当日に仮の歯を被せることも可能です。
                        

  インプラント治療は、手術により顎(あご)の骨に穴を開け、直接埋め込みますので、インプ
ラントと顎の骨が早期に結合することが大切です。インプラントには、さまざまな種類があり、よ
り早く、確実に顎の骨と結合するように工夫されています。 

 インプラントは主にチタンでできていますが、骨と結合しやすくするために、チタンの表面を特
殊加工したものや、骨の成分である「ハイドロキシアパタイト」をコーティングしたものなどがあり
ます。インプラント治療の科学的根拠に基づく確実性は、多くの文献で証明されています。 

 インプラント手術に対して、恐怖心を持つ人もいると思いますが、抜歯と同程度の手術で局
所麻酔で行えます。術後の経過、痛みの出方には個人差がありますが、痛み止めを使用すれ
ば治まる程度で、痛み止めを使用しなくても済んだ例も多数あります。 

 インプラント治療に年齢や性別の制限はありません。しかし、ほかの科に通院中の人や持病
のある人は、歯科医に相談する必要があります。 また、患者さんの状態によって、インプラン
ト手術の方法、治療期間、被せる冠の種類などが異なりますので、インプラント治療を希望す
る場合は、歯科医とよく相談する必要があります。歯科医から説明を受けなければならないこ
とがたくさんありますので、よく理解してから治療を受けてください。





インプラント治療について (2007.4.25掲載)

 歯を失った場合、次の3つの治療が考えられます。
 
 1失った歯の隣の歯を削って土台にして、固定式の金属冠をかぶせる方法(ブリッジ治療)。
2失った歯の隣の歯にバネを掛けて、取り外し式の入れ歯を入れる方法。3インプラント治療。
 
 1のブリッジ治療にすると、固定式の冠が入るので、入れ歯よりも良くかめますし、違和感も
少ないのですが、土台となる隣の歯を大きく削らなければなりません。一方、2の部分入れ歯
は、バネの掛かる歯を少し削らなければなりませんが、ブリッジほど大きく削らなくても済みま
す。しかし、取り外し式のため、かみ砕く能力はブリッジほど強くなく、部分入れ歯の大きさによ
っては、違和感が出てしまうことがあります。ブリッジにしても入れ歯にしても、失った歯の隣の
歯に、どうしても負担がかかってしまいます。
 
 これらの治療法の欠点を克服したものが3のインプラント治療です。 インプラント治療は、歯
を失った部分に、手術により人工歯根を埋め込み、歯の代わりをさせる治療です。インプラント
治療は隣の歯に負担をかけることはありませんし、隣の歯を削る必要もありませんので、とて
も優れた治療法であるといえます。ただし、インプラント治療には健康保険は適用されません。
                         
 インプラント治療は、手術により顎(あご)の骨に穴を開け、直接埋め込みますので、土台と
なる顎の骨の状態が良い(顎の骨の高さや幅が十分にある)ほど長持ちします。抜歯して長期
間経過すると、顎の骨はやせてしまいます。また、たくさんの歯を失えば、それに比例して顎の
骨のやせ方も多くなります。骨のやせ方が大きい場合、インプラント治療ができない場合があ
ります。つまり、歯を失ったら早めに、また失った歯の本数が少ないうちに、インプラント治療を
行うことが大切です。 
 
 インプラント手術に対して恐怖心を持つ人もいると思いますが、抜歯と同程度の手術で、局
所麻酔で行えます。年齢や性別に制限はありません。ほかの科に通院中の人や持病がある
人は、歯科医と相談する必要があります。 インプラントを長持ちさせるためには、適切なブラ
ッシングと定期検診が必要不可欠です。また、インプラントは使用する種類により治療方法や
管理方法が異なりますので、治療中や治療後の転医は困難です。歯科医によく相談の上、治
療を受けてください。


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