骨髄ドナー体験記 (その2 確認検査)

◆6 確認検査
day-120日。確認検査。この日初めてコディネーターさんとお会いする。待ち合わせはるT大O病院の玄関ロビー。Mさんはバンクの封筒を持って立っていた。初対面のご挨拶を済ませて、検査会場である輸血部へ。
この病院は増築に増築を重ねたのであろうか。多分一人では帰れないなと思うほどうねうねとたどった先に待っていたのは、調整医師のN先生。まだ若い女性の先生であった。
N先生は本来小児科の医師だそうだが、骨髄移植の調整医師の役をされているのは、本来業務ではなくボランティアなのだろうか。
 ゴチャッとした事務室で問診が始まる。まず、始めにコーディネーターから聞かれたのがドナーになる動機(◆7)だった。ドナーの自発的意思による提供なのかの確認らしい。
 続いて「骨髄提供者になられる方へのご説明書を」すべて読み合わせる形で、説明を受けた。ところどころで質問(◆8)を受けていただいてそのつど適切な回答をいただいた。
すべての質疑が終わったところで、採血。
献血の予備検査より少ない量であった。

◆7 ドナーになる動機
私がドナーになろうと思ったのは、献血の延長であったからだ。ではなぜ献血を続けてきたかというと、弱肉強食の自然界の中で、人間だけは死んだら灰になるだけだから。
たくさんの命を食べて生きている自分の、その肉体が誰かの命を支えることができるならと思ったから。
今考えるとかなり自己満足の世界。当時は患者さんのことなど考えていなかった。

◆8 確認検査での主な質疑回答
 確認検査で質問した主な項目は以下のとおり。
・術後アンケートでドナーになったことを後悔した人がいるが、理由は医療事故か?
 →提供したことに満足している。やや満足している。後悔している。といった選択肢からの択一なので理由は不明である。
・提供時の医療事故率は、医療が進歩している分だけ、年毎に減ってきているか?
 →医療事故の率は大きく変わっていない。
・剃毛、浣腸は絶対行うのか?
 →施術する病院による
・尿管カテーテルは麻酔が効いているうちに抜いてもらえるのか?(尿カテは痛いと聞いたことがある)
 →麻酔の効き具合、循環器系内臓の働き具合を見るためにも麻酔が解けるまでは抜かない。
・ドナーの個室料金は患者の負担か?
 →理由が理由なだけに、個室料は病院がサービスしてくれる場合がある

◆9 検査通知
day-109日。骨髄バンクの検査結果が届く。「財団の基準では問題ありませんでした」とのこと。
細かい検査結果が入っていたが、それが何を意味するのか不明である。(献血の通知でははがきの裏面に解説があるのだが)
CMV(サイトメガロウィルス) 4ミマン、HTLV−1(成人T細胞白血病ウィルス) 16ミマンなど記載されているが、これって陰性なのか陽性なのかもわからない。
HIVだけ別紙(レシートが張ってある)で陰性の結果報告。HIVの結果献血では非通知だが、骨髄移植では通知されるんだ。