路面電車の元気な街

2002年12月28日正式オープン・・・各地で元気に活躍している路面電車をご紹介し、路面電車再生の要点を探っていきます。2005年10月2日、香港の路面電車の情報を追加

  日本の各地では、まだまだ路面電車が元気です。
そのような街に行くと、共通して思い当たることがあります。
  それらを探っていくうちに、実は身近に正反対の事例があるのに気づきました。
 
2005年10月2日、香港の路面電車の情報を追加しました。

 

広 島



 広島駅前です。
3系統に分かれた乗り場はとても利用しやすいです。
 手前の電車の前、柱の陰に見える不思議な物体は、実は雨天になるとJR駅との屋根の僅かな切れ目に設置する仮設テントです。
 雨でもお客が濡れなくても済むターミナルは基本中の基本ですね。





  広島に限りませんが、元気な街の路面電車は必ず頻発運転です。
時刻表がいるようではダメですね。





  広島市ご自慢の100M道路の中央を走ります。
路面電車が走りやすい道も、電車が元気になる大切な要素です。




大 阪 ・ 堺



 天王寺駅前です。
狭い道の中央に堂々としたターミナルがあります。




  堺市の中心近い妙国寺前電停です。
 分離帯で区切られた事実上の専用軌道です。道も広いので車も余裕です。右折車には評判よくないそうですが、それだけ軌道外待機のルールが守られているということでしょう。





  上町線の姫松電停です。
  安全地帯の左側は、乗用車でも通行不能な幅しか残されていませんが、それでも安全地帯を確保です。





  隣りの北畠電停も、左側はギリギリです。
  姫松のような自転車が置いていないということは、通る車もあるのでしょうか。





  住吉鳥居前の電停です。
  自動車の通行量も決して少なくない道ですが、安全地帯はしっかり確保されています。
 よく見ると、歩道がその分狭くなっています。





  阪堺電車は専用軌道が多いのも特徴です。
  専用軌道と併用軌道が交差する住吉交差点は、十文字クロスというよりは踏切のイメージですね。




  こんな道もありますが工夫でクリアーといったところでしょうか。
  ここ東玉出の北行だけがどうしても安全地帯を作れないのが、痛いところではあります。(写っている安全地帯は南行)
  でもこの悪条件の場所以外、全線全駅安全地帯設置の姿勢は見習うべきでしょう。




京 都



  京福電鉄嵐山線も、専用軌道区間の長い路線ですが、併用軌道区間はかなり狭い道も通ります。
  画像は、蚕ノ社付近の専用軌道から出てきた四条大宮行きです。





  山ノ内電停です。安全地帯設置がなくてもおかしくない道幅ですが、しっかり設置してあります。
  しかも、安全地帯の前後に信号機設置という至れり尽せりの対応です。





  ホームや安全地帯を高くすることで、ノンステップを実現しています。
  画像は、隣りの阪急大宮駅より立派?な四条大宮駅。




大 津




  地下鉄に乗っていたら地上に出て、最後に突然路面電車になってしまうのが、京阪電鉄の京津線です。
  画像は、併用軌道になる区間で、突然軌道信号が現れます。
  カーブも制限速度も路面電車そのものです。





  4両編成の大型車両が路面をしずしずとやってきます。
  昔の名鉄の犬山橋を髣髴させますが、こちらは途中に信号機もあり、立派な併用軌道です。





  浜大津駅前の交差点を直角に曲がって、駅に進入します。
  いやあ、特認を受けているだけあって、長い列車ですね。





  石山坂本線の併用軌道区間です。
  狭い道ですが、特に東側(画像の左)はまったく余裕がありません。
  他市ならば単線にしてしまうところでしょう。




東 京



  都電は全停留所に安全地帯設置でノンステップ化を実現しました。
 ホームの高さに注目。座席が高くなり通路が狭くなる低床電車より数段乗りやすいです。




  宮ノ前です。ここなどは本来安全地帯設置が難しい道幅ですが・・・・
  車の進路を曲げてしまいました。
  このように安全地帯の左側を通過できる幅が確保できなくても安全地帯を設置した例は、阪堺電車にもあります。
  なお、電停の左(画像では右)は八幡社の広い境内で、多少の道路拡幅はさほど困難には見えませんが、これでもたいした支障はないのでしょう。




  併用軌道区間には堺と同じような分離帯があります。
  道端に駐車車両があると普通乗用車でも通りにくそうですが、電車優先!電車優先! (画像は、熊野前〜宮ノ前間です)




  都電の現在の路線は、実際は大半が専用軌道です。
  これは三ノ輪終点。降車専用ホームにもちゃんと屋根があります。




豊 橋



  元名古屋市電の旧型車両ですが、広島と同じく改造で冷房化するなど接客面に遺漏はありません。

 




  豊橋駅前です。
ここでのJRや名鉄への乗り換えは、一旦ペデステリアンデッキに上がることになりますが、右にエスカレーター、左にエレベーターと地下鉄も真っ青なバリアフリー対策が完備しています。
 末端に単線区間をもつ電車にはとても見えません。

 




  軌道と車道の分離こそありませんが、広い道の中央にセンターポールの架線柱という走りやすい道です。




札 幌



  薄野終点です。
全線併用軌道ですが、雪でも平気なターミナルです。

 




  一方、夏の札幌・・・・・もちろん雨でも平気です。
おや、車道との間は花壇だったんですね。




  薄野は道幅が広いからできる?
いえいえもう一方のターミナルの南一条でもこのとおり。




  この南一条を、冬に裏から見てみましょう。
うーん、狭いですね。




  屋根の完備では途中の停留所も負けてはいません。
広島もそうですが、狭い安全地帯でも工夫次第で。




  細い雪道でも乗客優先の姿勢はうらやましいです。




香 港



  この細い道に二階建て電車が。道路の電車優先が徹底しています。 





  電停は全て鉄筋コンクリートの屋根付きです。日本でこれほど立派な電停は、見たことありません。
  一見、電車の二階からも降りれそうに見えますが、それは不可能ですので念のため。





  画像では分かりづらいですが、電車の手前の柵は、車道と軌道を隔てる分離帯です。
  ここにも電車優先が徹底しています。





番 外 編

2005年3月〜ついに廃止となった

岐 阜



  名鉄岐阜市内線の事実上の折り返しターミナルの新岐阜駅前です。
なんと屋根つきターミナルはおろか、安全地帯さえありません。
  名鉄は何とかしたかったようですが、市と県の姿勢はかたくなだったようです。





  日野橋方面行の折り返しターミナルの徹明町ですが、どう思われますか?
  緑のところは安全地帯ではなく、単なる塗装で、新岐阜駅前にあったロープさえありません。電車が到着しましたが、いましも右折したい車が1台突っ込んでくるところです。
  公共交通機関優先どころか、乗客の安全をも全く無視した行政の姿勢は、烈しく糾弾されるべきでしょう。他都市では普通にやっていることがやれないのですですから。
 (しかも、この塗装部分はつい最近まで軌道だった部分なので、安全地帯にしても車道を犠牲にするわけではないのです。)




過ぎた話ですが歴史の記録としてあえて残します・・・・・

岐阜市内線で自動車規制実験

  ついに名鉄が廃止の意向を表明した岐阜市内線ですが、新聞報道などによれば、遅ればせながらこの秋、岐阜市が自動車規制実験を始めるそうです。
  実験内容は、
 
(1)軌道への車の乗り入れを禁止
 (2)一部の交差点で車の右折を禁止
 (3)停留所の手前にポールを立てるなどして車の進入を防ぐ

などで、岐阜市によると、実験で車の渋滞で電車のダイヤが日常的に乱れている状況を改善させるほか、停留所での乗降客の安全を確保し、利用客数の変化と市内の車の流れに対する影響を見るそうです。
  名鉄は実験期間中、必要なら電車の増発にも応じるとのことですが、他都市ではとっくにやっている内容で、新味はありません。廃止表明があるまで放置していて、今更の感はあります。

(2003年2月8日)


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