九広鉄路を行く

香港と広州を結ぶ九広鉄路の旅をご紹介します。中国国内を走る国際列車で、3社相互乗り入れの面白い区間です。



 

 まずはチケットをご紹介。座席番号を貼り付ける方式も中国そのものです。日本のJTBで予約して、現地のJTBで受け取ったものです。
1等HK$190は2800円、特等HK$230は3400円程度です。
 KCR(九広鉄路)は香港の鉄道会社。九龍半島内のシンセンとの境界までの路線を保有しています。九広直通は2往復を担当しています。
 広深鉄路は中国側の鉄道会社で、最高時速200kmの新時速2往復を含む4往復を担当しています。
 この他に広州鉄路が広州を越えて肇慶まで、一般の中国国鉄車両で1往復しています。




 香港側の出発駅は九龍半島のHung hom=紅カン(石+勘=漢字は上のチケットを参照)火車站です。チェックインカウンターも出発案内もまるで空港です。
 Hung Hom火車站のアクセスなどの紹介はココをクリック
 人影がないのはチケット完売のためで、日本で手配をする方が確実です。




 ゲートもご覧の通り完全に国際空港です。妙に澄ましている小姐がなんとも言えません。
 入るとすぐに出国ゲートがあります。駅に着いて出国を済ませるまで5分とかかりませんでした。いたってスムーズです。




 中国鉄道名物の大待合室というところです。手前の女性の買出し荷物が現代の中国風。携帯使用しているのも現代の中国風。
 でも全体にやはり雰囲気は鉄道より空港。奥には免税店もあります。



 さあいよいよホームです。停車中の列車は中国側の鉄道会社の広深鉄路の客車です。広深鉄路車は両側に機関車を付けたプッシュプル運転です。




 一等車の車内です。集団見合いの固定リクライニングシートです。なお広深鉄路の客車の特等車は新時速にしかありません。




 広州東駅の待合室です。やはりここも空港そのものの雰囲気。
その中で「鉄路免税店」の看板がが異彩を放っています。




 広州東駅のホームです。広州側も乗車前にパスポートチェックがあります。
 KCR車は機関車牽引列車で、客車は日本製のオール2階建て車両です。(機関車はバナーを見てください)




 広深鉄路車とKCR車はどちらも最高時速160kmですが、全部説明し尽くした感じの広深鉄路の車番と、シンプルなKCRの車番のコントラストが面白いです。






 これも広州東駅のホーム。KCRのシンボルマークも誇らしげですね。それにしても車両限界の広さにびっくり。



1階と2階を結ぶ階段です。KCRの特等車は3列座席なので一直線で無駄のない構造。




 天井も高く座席もゆ〜ったり♪ 網棚だって広いよ〜。




 飛行機みたいなギャレーと飛行機(あくまで中国のです)みたいな服務員の小姐。
特等はおしぼりとコーヒー、おつまみのサービスがあります。





 車窓から見えるシンセンの入境ゲートの橋です。直通車に乗らないとここで1時間待ちもあるとか。




 今回の取材をお願いしたNAGOYAEXPRESS特約のワカルカ記者です。
どうもありがとうございました。


 ワカルカ特派員の取材メモ

 ワカルカです。
 香港から広州へは日帰り出張だったため充分な取材ができず失礼いたしました。
 九龍−シンセン間は列車本数が多く往復ともノロノロ運転です、新時速あたりは可哀相な走りしかできないのでしょうね。
 服務については、国際列車ということで免税品の販売もあります、面白いところでは毛沢東写真帖、地図帳、切手セット、紙幣セットなどの販売もあります、年配の方が孫へのお土産でしょうか、けっこう売れてました。
 出入国の時間についてはガイドブックなどでは1時間程度の余裕を持って、とありますが、香港側広州東側ともに出国で5分程度、入国で15分程度とスムーズに流れていました。
 チケットの確保については1日7往復ということで常に満席状態のようです。日本で手配、或いは現地で前日に手配をするのが安心でしょう。


(背景は広州―シンセンで営業の中国国産高速列車「藍箭」の通過)