二酸化炭素温暖化は本当か?

 

最初に断っておきますが、この主題は非常に政治的なものであり、そのような

意味あるいは意図からは私は何もここで主張するつもりはありません。

サイエンティストのはしくれとして、単純に思うことを書いてみるだけです。

しいて言えば、私は人をだますような「似非科学」はきらいです。過激な

ことを書きかけたとしたら、それは「似非科学」に対する嫌悪であるとご理解

ください。人類は環境破壊を続けてはならない(しっぺ返しをくうだけですから)、

化石燃料を浪費してはならない(氷河期が来たら困るよ)、省エネしなければ

ならないのは、当然のことです。

 

 さて、

 

二酸化炭素温暖化の話が出てきたのは10年位前からでしたか?それまでは

今地球は間氷期であってこれから氷河期に向かうのだとか、全面核戦争があると

「核の冬」がきて実質氷河期に突入してしまうのだとか、そんな話を聞いていました。

ところが、社会主義体制なるものが自己崩壊して冷戦構造がなくなると、今度は

地球は温暖化に向かっている、「このままで」いくと、****年には気温が**℃

になるとか、海面の推移が**m上昇するとか、ちょっと待てよというような怪しげな

話が始まりました。なんのこっちゃと思ってたのですが、なんのこっちゃない、「排出

権の売買」なる空気がお金を生み出すような詐欺まがいの妙なものとつながって

いるのを見て納得しました。こりゃ、「曲学阿世のの徒」による「似非科学」に基づく、

きわめて政治的(もちろんお金もかかわっているのよ)なものでしかいないと。

 

私が気温の変化とか海面の水位の変化に興味を持ったのは、二酸化炭素温暖化の

話が世間で言われるようになるよりもずっと前です。別のページにも書いていますが

人類の歴史:20万年前にアフリカで発生した現生人類がどのような環境の中で生きて

きたのかに興味を持って、氷河期、間氷期の年代とかそれに伴った現象について調べ

ていました。海面水位が気温の変化に連動して200m以上上がったり下がったりの変位

を繰り返し、最近では数1000年前に温暖期があり平均気温も今よりも何℃か高く、

海面水位も今よりも数m高く、現在は寒冷化に向かって少しずつ進んでいるということを

知っていたので、二酸化炭素温暖化の話を聞いたときにあやしいなあとしか思えなかった

のです。数千年前の温暖期を人類は難なく生き抜いてきています。むしろ怖いのは氷河期

です。氷河期が来ると、北のほうの国では人が住めなくなります。ロシアや中国北部から

何億という難民が押し寄せてきたらどうするんでしょうか?過去にも、氷河期にアフリカ以外

の地域に広がっていて死に絶えた民族はたくさんいたのではないかと想像しています。

こちらの話は、人類の歴史のページのほうで書いていく予定です。

 

ブログにも書いていますが、そのころにMichael CrichtonのState of Fearというアクションも

ののペーパーブックを読んで、その中にちりばめられている、二酸化炭素温暖化の根拠の

薄弱さについて知りました。ストーリーはつまらないけど、引用しているいろんなデータは

価値があります。そのせいか、和訳の本は出ていないようです。この本の中では、自然保護

に対する誤謬に関しても説明があり(ブログには書いていますが)、まさに目からうろこでした。

参考までに、適当に意訳したものを以下に書いておきます。

 

 

「イエローストーン公園は世界中で初めて原生自然保護がおこなわれた場所である。

ワイオミングのイエローストーン川の流域は景色がきれいなことで知られており、

芸術家たちが賛歌を歌ったり絵に描いたりした。北太平洋鉄道が景色を売り物にして

観光客を呼び込もうと、1872年に当時のグラント大統領に働きかけて200万エーカー

の土地をイエローストーン国立公園とした。


 ここに一つ問題があった。当時も(その後も)だれも原生自然保護はどのようにすれば

いいのか知らなかったことだ。それまでは、そんなことが必要であると考えた人は誰も

いなかったが、始めてみれば何とかなるだろうということで始められた。


 1903年にセオドア・ルーズベルト大統領が公園に訪れたとき、公園には狩りの獲物が

いっぱいいた。数千頭のへら鹿、水牛、黒熊、鹿、アメリカライオン、灰色熊、狼、大角羊。

このころまではそのような状態が保たれるためのルールが存在していた。その直後、

公園管理局が公園をもともとの状態に保つことだけを目的として設置された。


 しかし10年以内にルーズベルト大統領が見た景色は永遠に失われてしまった。

もともとの状態に公園を保つのが仕事の管理局局長達が公園と動物たちを保つのに

いいだろうと考えて始めたことがその原因であった。それらはみんな間違っていたのだ。


 初期の公園管理者たちは、へら鹿が絶滅しかかっていると考えてしまった。そのため

にへら鹿を捕食する動物を取り除くことによりへら鹿を増やそうとして、狼を銃で撃ったり

毒餌を用いて狼を絶滅させた。また、インディアンに対して伝統的に狩場であったにもか

かわらず公園内での狩猟を禁止した。


 その結果、へら鹿の数は増え始め、この地域の生態系に影響が出るほどに木と草を

食べ始めた。ビーバーがダムを作るために使う木が食べつくされためにビーバーがいな

くなった時に、公園の管理者たちはビーバーがこの地域の水系においていか

に重要な役割を果たしていたかを知ることになる。ビーバーがいなくなるとこの地域の川辺

の草地は干上がり、鱒やかわうそがいなくなった。土壌は浸食され、生態系はさらに変化し

ていった。


 1920年までにへら鹿は増えすぎたことが明らかになったために、今度は数千頭のへら鹿

を銃で撃って減らし始めた。しかし植物の生態系は二度と元にはもどらなかった。


 また、かつてのインディアンの狩猟がへら鹿、アメリカへら鹿、野牛の数を増えすぎないよう

に調節し、生態系を保つのに重要な役割を果たしてきたことも明らかになってきた。このことは、

新大陸に入植した最初の白人たちが目にした「手付かずの原生自然」とは実はインディアンたち

が作り上げたものであるという、より一般的な認識と同様なものである。「手付かずの原生自然」

などではなかったのだ。北アメリカの先住民たちは何千年もかかって、草を焼き、森を開墾し、

動物の数を増えすぎないよう調節しながらあるものは絶滅に追い込み、生態系を作り上げたのだ。


 今から考えると、インディアンに狩猟を禁じたのは失敗であった。しかし、これは失敗の連続の

中の一つでしかない。灰色熊ははじめ保護され、後に殺された。狼ははじめすべて殺され、後で

別の場所から持ち込まれた。動物の生態の追跡は一時停止され、後に危険とされる動物の追跡

が再開された。消火の方針が草焼きの効果を理解しないままに決まったが、後に草原を焼くことに

なった。このときに焼く温度が高すぎたために種子が残らず、後で種子を撒くことになった。」

 

 

 自然の保護を考える場合に、いったい何が保護すべき自然なのかをきちんと認識しなければ

ならないのは当然で、そこができていないと迷妄の限りを尽くすことは自然の成り行きですね。

入植した白人たちが、手付かずの自然だと思ったものが、実はアメリカインディアンたちが数千年

かけて作り上げた生態系であったこと。そのことを理解する思考能力もなく、ただインディアン達を

何も考えないで自然を破壊しかねない野蛮人と決め付け(白人はつい最近まで有色人種を同じ

人類とは思ってはいなかったという事実を忘れてはいけませんよ!)、自分たちにしか保護できない

だろうという無知な傲慢さで、破壊の限りを尽くしたのは、アメリカだけではありません。まあ、

保護しようとしたって破壊したくらいですから破壊しようとして破壊しつくしたのは数知れず。

アフリカしかり、アジアしかり、オセアニアしかり・・・。彼らが破壊したのは自然だけではなく、

その土地にあった文明も全く容赦なく破壊しつくしています。これにはキリスト教も深くかかわって

いますが、このページの趣旨からははずれちゃうので、まあこのくらいにして・・・。

上記の例に近いことは、現在でもあちこちでおこなわれていることです。特に、環境とか他民族の

生活環境を破壊しつくした人間のすぐの末裔に限って、ヒステリックに環境の保護とか人権とかを

わめく傾向が強いのは悲しいことです。私が腹が立つのは、臆面もなく自分らの父祖がした破壊の

つけを、破壊された側、あるいは破壊されかかった側にまわしてこようとしていることです。

 

 さて、話を二酸化炭素温暖化に戻して、いくつかの話題に関連させて、この話をしていこうと

思っています。つれづれなるがままに書き散らすので、きちんとしたまとまりは期待しないで

くださいまし。

 

話題1:最近、夏が暑くなったような・・・

話題2:自然は変化しないのか?(準備中)

話題3:二酸化炭素温暖化の迷妄(準備中)

話題4:怖いのは寒冷期(準備中)

話題5:人類は次の氷河期を生き延びられるか?(準備中)

 

 

(続く・・・!)

 

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