真空管と半導体アンプの音に、違いはあるんでしょうか?
今回は電流帰還型半導体アンプを製作してみました。真空管式アンプと聞き比べてみる試みです。DC〜150KHzまでフラットなアンプとなりました。
出力トランスがないのを差し引いても方形波の応答が驚くほど素直です。リンギングもオーバーシュートもありません。 当たり前とはいえ、参りました。 m^^m
また半導体アンプの実験を始める方々にも、この記事がご参考になれば幸いです。
どういうわけか、ネット上では半導体アンプの記事が少ないようです?
この種の半導体アンプは電源電圧の変更や、コンプリメンタリ部分をパラることで10−100W位の間ならば、比較的簡単に出力の増減を図ることができます。真空管とは考え方がかなり違います。
電流帰還型アンプの歴史は意外に古く、OP-AMPの世界でもμA741のころにはすでにLM3900系 ”ノートンアンプ” としてビデオアンプなどに現用されておりました。
1991年ごろには、現在のオーディオ用と同タイプである、高速電流帰還型アンプ PMI OP260 が発表されています。 この上下対称高速電流帰還型オペアンプの等価回路を見たときは、その斬新でシンメトリックな回路デザインに魅入ったものです。 真空管でも、半導体でも優れた製品は回路デザインも美しいものです。
オーディオに採用され始めたのは、かなり遅れてからで、1990年代半ばころからメーカー製の高価格品に上下対称電流帰還型オーディオアンプが作られるようになってきました。最近では発表されるアンプの7〜8割がこのタイプとなっています。
PMI(AD)やバーブラウン(TI)、リニアテクノロジーはこの20年余り、アナログデザイナ−にとって羨望の的となっています。 日本と違って米国はアナログエンジニアも重用されているのですね。優秀なアナログエンジニアを育てるのはたくさんの時間と失敗が必要です。
どう見てもアメリカの後追いなんですね。今後に期待しましょう。
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