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last update 05/06/21

 

 

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3 本機の設計と回路図
3.1 全回路図(見にくい場合は画像コピーしてペイント等でご覧ください.

3.2

各部設計

3.3






















PT15のA級時の出力段の検討です。

@ PT15のEp−Ip動作曲線にロ−ドラインを引きプレ−ト負荷を決めます。
Epmax=350VにおいてEc≒▲20V、アイドリング85mA前後を与えるとプレート損失がPd=30Wとなり最大定格Pd=30Wとなります。

この場合のロ−ドラインは、A級の場合ポジティブ領域まで考慮に入れて、おおよその最大出力を考えます.今回は▲20Vを中心として±30Vのグリッド入力電圧を想定します.(ポジティブ領域は10V程度まで)

もちろん入力が際限がないわけではなく、ポジティブ領域までドライブした場合は当然グリッド電流が流れ始めますので、ドライブ段の能力か、もしくはGの最大損失までの、制限を受けます。
内部抵抗rpはペントードの裸の状態では0.1程度で、実使用にはDF=3以上を必要とすると、所要NFB量は無帰還のD.Fが DF=0.1の時(負荷3.5K)
 
  (0.1+1)*NFB−1=3より逆算して 所要NFB=約3.5(11dB)
 
となります。

NFB量は少ないに越したことがありません。この場合、全体ゲインが1/3.5になり、最大出力時における所要入力電圧が3.5倍必要となりますので全体のバランスを考えてNFB量を決定いたします。次の初段設計を参考にしてください。

3.4
































次に初段ですが
所要NFB=約3.5(11dB)として、

@3極管として、6AQ8、12AT7などの中μ管を使用し(μ=60前後)、Eb=350V、Ep=170V、Ec=2.5V、Ip=3mA、として構成するとゲインの検討は、増幅度約42前後として)、PT15最大出力時の入力グリッド電圧Ec=30Vとすると

30÷(42÷3.5)≒2.5V

から1.8Vrms前後で最大出力が得られそうです。

A順序が逆になりますが、このゲインと各定数の求め方です。

プレ−ト負荷をrp≒15KΩの3.5倍(通常は2倍程度)の56KΩと大きめにして6AQ8(3)のEp−Ip動作曲線にロ−ドラインを引き、Ecの変化量 △2.5付近±2.5V=△0〜△5Vでのプレ−ト電圧の変化量は60Vから270V(270v−60v=210v)ありますので 

210/5=42 

となります。Rkは2.5V/3mA=830Ω前後となります.実際にはNFB帰還側負荷を30Ωとし

800Ω+30Ω=830Ω
といたします。



*なお6AQ8のバイアス電圧が2.5Vで最大出力における所要入力電圧が2.5Vではピーク時に歪が生じるのではないかという疑問が生まれますが、6AQ8カソードの上記30Ωに対して負帰還電圧を戻しますのでクリッピングはいたしません。

調整時にNFBをかけますが、残留ノイズやダンピングファクタの不足でNFBを多めにかける場合は12AX7等検討する必要があります。

3.5














カソードフォロア段

最後に6AQ5(T)によるカソードフォロア段の設計を行います.
PT15へEc=−20Vのバイアスを与えられるように、6AQ5(T)において、Ec=−20Vになるように負荷線を求めます。
考え方は一般のプレートフォロアと同じです。カソードに入る負荷でロードラインを引きます。
今回の場合は10KΩでロードラインを引いてみますとIpに15mA程度流れ,ポジティブ側まで強力にドライブできそうです。
ここでのロードラインを引く際の通常のEbに該当する電圧ですが、プレート電圧と負荷抵抗にかけるマイナス側電圧の差になります。
トランスから供給できる電圧を勘案しますと、マイナス側供給電圧側はマイナス側へ倍電圧整流して Ek=−160V前後であり、プレート電圧を少し落としEp=215Vとすると、Ebに該当する電圧は215−(−160)=375Vあたりとなり、6AQ5(T)のEp−Ip動作曲線に375V/10KΩ=37.5mAのロ−ドラインを引いて検討します。