6V6GT:
最大定格
プレート電圧 315V
プレート損失 12W(設計中心最大定格=RCA、GE):14W(絶対最大定格)
スクリーン電圧 285V:最大315V
スクリーン損失 2W
動作例
6V6:UL接続のデーターは発表されていません。また300Vあるいは285V付近のEp−Ip動作曲線が見当たりません。下記にppビーム結線のデーターをまとめました。
Ep |
Ec2 |
G1 |
RLp-p |
Output |
class |
250V |
250V |
−15V |
10KΩ |
10W |
AB1 |
285V |
285V |
−19V |
8KΩ |
14W |
AB1 |
300V |
285V |
−19V |
5.6KΩ |
20W |
AB1 |
6V6を設計する場合の悩みはスクリーン電圧の定格がプレート電圧に比べ30Vも低く、
@ビーム結線時、スクリーン電源供給の取り扱い
AUL使用時、スクリーン最大定格の制限から6V6の能力を最大限生かせない
というところです。当時の用途から考えれば不都合はないのですが、少々難しいものがあります。
ビーム結線
用例どおりに、最大出力14Wを求める場合には、プレート電圧 315Vのほかに、スクリーン電圧285Vを別途に用意し、かつ音楽用途にDF=3程度ほしいとなると、NFB=12dB前後かけなければなりません。
UL結線
スクリーン最大定格の制限から、プレート電圧を285Vに抑えるとすると、Po=6〜7W前後しか得られません。この場合、6AQ5を使用したほうがすっきりし、あきらめもつきます。
(苦労するなら6BQ5を使えばいい訳です。)ただ、文献によりますと UL時 Ep=315v可能と書かれたものがあります。スクリーン電圧供給に直列に抵抗を入れることで劣化が緩和されるでしょう。
AB2級
6V6も6L6と同様に+グリッド領域が広く、AB2級も視野に入ります。というより本来、トランスドライブ的な使い方が正しいのでしょう。コストが許せばトランスドライブか、大掛かりになりますが、カソードフォロアというやり方があります。
この場合出力は20W近くあり魅力的ですが、わざわざAB2を使うのなら、6L6で50W前後得られます。当時は真空管が高価であり、トランスドライブでもバランスが取れていたんですが、現在はインプットトランスが高価なので、6V6での使用例はあまり見かけません。
ビーム特性を生かす為には、6V6にカソードNFBをかけ、トランスドライブ(AB2)しますと、出力の低下が抑えられ、相応のダンピングファクターが得られます。製作は簡単で最良の選択ですが費用がかさみます。 (黒川達夫氏 現代真空管アンプ 25選 234P)
なお各文献によりますとプレート損失12Wと14Wの両方が見受けられますが、設計中心最大定格=12Wと、絶対最大定格=14Wの差異ではないかと思われます。
*1 MJ誌 1998/9 6V6GTA UL p30 黒川氏 275v 7w
*2 MJ誌 1997/5 6V6GT UL p30 松並氏 310v 9w
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