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last update 05/06/06

 

 

2004/02/01

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3.

主回路図

3.1 主回路図


 デュアルFET(ペアマッチ)のフロント、ソース側にTr定電流源、次段はpnp-Tr差動アンプで2A3をダイレクトドライブします。全段直結差動ドライブです。

3.2 詳細、注意点等





ファイナル:

Ep−Ip動作曲線に1.25KΩのロ−ドラインを引きプレ−ト負荷を決めます。
ファイナルがトランス仕様のプッシュプルですが、2A3のプレートまではDCアンプです。
 ドライブ電圧が130Vp-p近く必要ですので、真空管ですとムラード型でもちょっと苦しいかもしれません。真空管で作ると一騒動ですがpnp-Trを使いますと、あっさりできてしまいます。2A3のドライブも楽々です。

 ファイナルまでDCアンプですので、フロントでは必ず前段 (たとえばCDドライブ) とコンデンサで直流を切る必要があります。ここまで直結してしまいますと、前段の直流オフセットが残っている場合は、2A3のグリッドバイアスがシフトしてしまいます。(次章の部品の項参照)

 




フロント:
 2SK389デュアルFET(ペアマッチ)のフロントは、カスケードアンプを省略してしまいました。これでも130Vp-p時、帯域が50KHZほどあります。帯域がトランス部と近接していますが、NFBをフッワとかける程度なら安定に動作しました。大量にNFBを掛ける場合は、フロントにカスケードアンプを追加すると帯域が250〜500KHZに伸びますのでお試しください。
  初段差動アンプのゲインはRL*gmで求められます。
2SK389GRのドレイン電流4mAにおけるgmを10mυとすると

2200(RL、Ω)*0.01(gm、2SK389GR 4mA)=22

で、差動片側だけしか使いませんので約10程度となります。




ドライブ:
 2段目の2AS1480-pnp差動回路はエミッタ抵抗を追加して電流帰還をかけたものです。これにより適切な増幅度と帯域になります。
 この段はエミッタ抵抗とコレクタ抵抗の比がゲインとなります。

15k÷1k=15倍

となり、初段差動カスケード段をかけ合わせると、

10×15=150倍のゲインが得られます。

 2A3所要入力電圧には130Vp-pほど必要ですのでNFBを6dBかけますと (ゲインが1/2) 、1V前後でフルドライブとなります。

 

  電源部:

   

 パワ−部の電源はタンゴMX−280、280v260mAをブリッジし、直後のリップル用電解コンデンサを10uf程度と小さめにして、ノグチ5H180のチョークインプットで2次側310v程度を得ています。チョークの後は、270uF/400V*2でフィルタします。耐圧が若干足りませんので450vにしてください。
 チョークインプット用ではないチョークをそのまま使用すると、 ”ブーン” とないてしまいますので、+B電圧が高くならない範囲内で、小容量のリップル用電解コンデンサを整流直後に入れます。今回は10ufで様子を見ています。 

 ドライブ段の電源ですが、ドライブ段用として6.3V+5Vを倍電圧整流し(約30V)、3端子レギュレータで±24V、真空管バイアス用として70Vのタップを倍電圧半波整流として185vをつくっています。破線で囲った部分は穴あき基板に組み付けています。

 2A3には交流点火とし 2.5Vを1組づつ使いますが、ペアマッチの1組を上下取り替えたりヒーター巻き線を入れ替えたり等、ハムバランスがよくなる方をとります。25Ωには並列に330Ω〜1KΩ前後の抵抗を別々にパラに入れみたりして、上下のハムバランスをとってみます。あえてVRは使いませんでしたが、使った方が球を変えたときなど楽でしょう。

 MAX280は使い勝手がいいのですが、6.3−2.5−0Vのヒーター巻き線に、5Vのタップがあれば300Bにもいいかなと思っています。直流点火なら7Vくらいはほしいところです。1000円高くてもいいんですが。残念。