将棋のアマチュア初段となるための考え方を説く。
将棋の考え方というものを知った貴重な一冊であった。 「あった」と過去形で書くのは、知人に譲ってしまい手許にはないからである。 そういうわけで細部は思い出せない。それでも、いくつかのことがらは覚えている。
実戦例も主題に即して多く取り上げられている。往年の好敵手である有吉九段との対局譜もある (もちろん、内藤九段が勝った時のもの)。 私が感心したのは、大山対有吉の名人戦第1局で有吉が勝利を決めた名手▲2八飛を「玉との距離を計算する攻め合い」 という主題のもとで取り上げていたことである。
私にとって将棋初段とはひときわ重い意味があり、初段を取得することは憧れであった。 高校生のころだろうか、この本の標題を見てすぐに買った。期待にたがわず、すばらしい本だった。 この本を買って新鮮な気分になったことは今でも忘れられない。升田幸三の「寄せ方・詰め方」とともに、 印象に残っている棋書である。
その後同書を含む新しい版の「将棋連盟文庫 初段最短コース」 が毎日コミュニケーションズから復刊発売された。
書 名 | 初段最短コース |
著 者 | 内藤 國雄 |
発行日 | 1983年 |
発行元 | 日本将棋連盟 |
定 価 | 650 円(本体) |
サイズ | A5版 |
ISBN | |
備考 | その後毎日コミュニケーションズから復刊された |
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