詰将棋解答選手権のうち、チャンピオン戦の部の 2004 年から 2019 年までの問題を、 若島氏の解説とともに掲載する。
私は1手詰でも考えてしまうような耄碌じいさんだから、チャンピオン戦の問題はもっぱら眺めるだけである。 短手数の問題はこれから解答を見ずに考えられるようにしたいと思う。
なお、若島氏がチャンピオンとなったときの自戦記がおもしろい。
また、成績優秀者に、折田翔吾氏の名前が何回か出ている。このような詰将棋選手権に出て自らを鼓舞することが、 プロ入りにつながったのではないだろうか。一方で、甲斐日向氏のように、何度も成績優秀者として名を残しながら、 年齢制限のため奨励会を退会せざるを得なくなる方もいる。問題の質の高さを感じる一方で、そんな人間的なことが気になった。
さて、本書 17 ページで若島氏が、 自作の詰将棋を次のように解説している: 「古くからある、飛不成かが出てくる基本的な図(参考図)によく似ている」。以下、本書から離れ、 この【参考図】として上がっている図面の話題とすることをお許し願いたい。 参考図はインターネットで見ることができる。 たとえば、https://sites.google.com/site/2hyakka/shogi/yumei の第19位の3番目に出てくる。
この作者不明の名作は、「小林棋好手記詰物丗一番」という書物の第30番に初めて出てくるものらしい。 有名だからインターネットを探せば図面も解答も出ているだろう、と思っていたら、 図面は出ているが解答が見当たらなかった。私の探し方が下手なのだろうか。 さいわい、13 手詰であることがわかったので、それをたよりに自分で解答を見つけたので、 私の解答が間違っていれば情報を寄せてほしい。
☗1二歩☖2一玉☗4一飛不成☖3一歩☗1一歩成☖同玉☗3一飛不成☖2一銀☗1二歩☖2二玉☗3二桂成☖同銀☗1一飛成
まで13手詰
8手めは銀以外の合駒もあるが、早詰か複数手順の詰がある(ただし角合の場合は本手順のほかは15手駒余らず詰のみあり、後述)。
なお、この13手詰を「飛車の連続不成」と紹介しているページもあるが、 私の解答では連続手ではないので気になっている。連続ということばを使うのであれば、 「攻方飛車成に対する玉方の連続歩合による打歩詰逃れ」というのがよい気がする。
また、私がもっている(指し将棋の)ソフトでこの問題の解答を答えさせたところ、 8手目の合駒が☖2一銀でなく☖2一角を答えてきて、しかもその後の手順として、 ☗1二歩☖2二玉☗2一飛成☖同玉☗4三角☖3一玉☗3二玉を示したのだった。 先ほどの15手駒余らず詰という手順はこれを指す。 古いソフトだから仕方がないのだろう。
p.74 左から4行目、「13手詰」とあるが、正しくは「15手詰」である。
同じページで左から2行目、「9手目に☗2六龍」とあるが、正しくは「11手目に☗2六龍」である。p.202 右から4行目から5行目、「☗同龍☖同玉☗4三桂成☖5一玉☗5二歩」 の手順が示されているが、「☗同龍☖同玉☗4三歩成☖5一玉☗5二歩」が正しい。
書 名 | 詳解詰将棋解答選手権 チャンピオン戦 |
著 者 | 若島 正 |
発行日 | 2020 年 2 月 29 日(初版) |
発行元 | マイナビ出版 |
定 価 | 2240円(本体) |
サイズ | 254 ページ |
ISBN | 978-4-8399-7204-2 |
その他 | 2020年2月25日 旭屋書店新越谷店にて購入 |
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