超芸術トマソン

作成日:2000-08-04
最終更新日:

1. トマソンとは

トマソンとは、赤瀬川原平さんの発見になる超芸術物体のこと。 通常の芸術では作者の意図が作品に出るが、 トマソンでは作者は表に出ない。意図しない、役に立たない細部が、見立てる者により強調される。 トマソンの名の由来は、かつてジャイアンツにいた打者、ゲーリー・トマソンから取られた。 彼はバッターボックスに立ってもヒットすら打てず、ただの扇風機と化していた。このありさまを見て、 赤瀬川さんが「超芸術」という名状しがたい概念への名前にした。

2. トマソンの分類

ここでは、私がとったトマソン(もどき)を写真で紹介する。 分類は、ちくま文庫の「トマソン大図鑑」 (無の巻、空の巻)のそれぞれに従う。

無用階段

東京都台東区上野駅(左写真)。 いわゆる「ババ・トライアングル」の一例である。 手すりがなくても通常人は入っていかない場所だ。 仮に入っていくと正面で壁にぶつかってしまうので そのため、壁にぶつからないように柵を作っている。 以前、営団地下鉄(当時)の高田馬場駅に同様の構造が見られたので、 「ババ・トライアングル」の名前がついている。 ちなみに、この命名は 魔のバミューダ海域を表す「バミューダ・トライアングル」のもじりだろう。 (2010-07-10)



東京都墨田区両国駅のホームにある階段が左写真。 格子で遮られて通行できない、謎の階段である。


この写真の奥を拡大し、コントラスト補正したのが左写真。空調機や清掃道具が見える。



その裏側がどうなっているかを示したのが左の写真。 空調機はこの2店のものであった。 ここから先は推測だが、 おそらくこの階段は大相撲のときなどに臨時改札口として設置されたものではないか。 その後、自動改札の普及でこの階段と改札口は使われなくなった。 少なくとも、2000 年にはホーム内の階段は上と同様ふさがれ、 ホーム外の入り口はシャッターが閉ざされたままだった。 そのあと、この空間を活用しないのはもったいない、という話ができたのだろう。 数年前からこれら2店が店を構えている。 以上3枚、


この他にも広島駅新幹線ホームで、地上とホームを結ぶ階段が、一部無用階段となっている。 なお、「超芸術トマソン」で紹介された物件のうち、 両国の物件として紹介された無用階段は、残念ながら今はない。

無用門

現物とは出会っていない。

ヒサシ

東京都中央区入船。

無用窓

戸田村(現:沼津市)井田。 窓というより枠なのだが、昔ここが船着き場だった頃、時刻表がここに留めてあった。

ヌリカベ

山梨県河口湖町。

原爆タイプ

越谷市。ごく薄味の痕跡。昔郵便受けがあった。


戸田村。もとは、上段がシーサイド、下段が民宿 浜屋。 もう民宿としての営業はしていないので、意図的に屋号のみ残して撤去したと思う。 ここは日ざしが強いので痕跡はあっという間になくなるだろう。


東京都中央区。ただの原爆ではないのだが...。

内面

写真にとってはいますが、まだ掲載にはいない。浴室のタイルが残っている駐車場だ。

高所

でべそ

まだ観察できていない。

ウヤマ

昔、ただ「会社」と記したドアがあった。 また「     株式会社」という縦長の看板もあった。 後者を写真に撮ろうとしてカメラを持っていくと、 既に屋号が入っていたので悔しかった。

カステラ

まだ観察できていない。

アタゴ

越谷市。かつてこの土台の上に「高架で築く明るい未来」という看板があったが、 その後高架ができてしまったため取り壊された。


東京都千代田区神田佐久間町。おそらく古典的なアタゴ、 すなわち不法駐車対策だろう。

生き埋め

まだ観察できていない。

地層

まだ観察できていない。

境界

まだ観察できていない。

ねじれ

まだ観察できていない。

阿部定

まだ観察できていない。

もの喰う木

まだ観察できていない。しかし、「植物ワイパー」の例は、いくつか観察している。 植物ワイパーについては、赤瀬川原平の「芸術原論」にある。

無用橋

以前の職場は、東京中央区の八丁堀にあった。 ここに、以前桜川だったところを埋め立てて、 浄水場、公園、勤労福祉会館などが作られた。 この川を渡る新大橋通りには、埋め立てられた川にかかる橋があった。 これを写真にとる前に、この橋が削り取られてしまった。無念。

純粋タイプ

まだ観察できていない。

蒸発

越谷市。近くにある「止まれ」の看板。 まだ赤色が抜け切れていない。


越谷市。道路標識の末路。


東京都千代田区駿河台。完全にはぬけていない。


越谷市。私の気に入りの一枚。本物はもっと美しい。


東京都中央区湊。この近辺には空を支える腕がたくさんある。


東京都中央区佃。実物もほとんど蒸発している。


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MARUYAMA Satosi