「はじめに」から引用する。
この本の解説の特徴は、統計的因果推論における一連の手法をできるだけちがいとしくみの両面から見ていくことにあります。
本書の公式ページ(www.iwanami.co.jp)も参照のこと。
要再読である。
p.125 の「表 4.1 猫へのノミの駆除薬の投薬データの表」を見てみた。個体 `i` の欄には、次の名前がある。
一見するとこれらの猫の名前はみな画家の名前から取ったように思われる。「まちす」はアンリ・マティス、「まぐりと」はルネ・マグリット、「しゃがる」はマルク・シャガール、 「あんり」は(アンリ・マティスや)アンリ・ルソー、「ぶらつく」はジョルジュ・ブラックだろう。ところが、最後の「きたへふ」は誰から取ったのだろう。 少し調べて、これはカープの往年の名投手、北別府学から由来していることがわかった。北別府学は、家庭用コンピュータゲーム用シリーズ「ファミスタ」に「きたへふ」の名前で出ている。 画家の名前の中に一人だけ野球の名投手が出てくるのを不思議に思ったが、本書の著者はカープファンであり、ファミスタをやっていたからだということで納得した。しかし、おかしい。
なお、著者がカープファンであることは、本書の p.44 における「非因果敵なシンクロ」の説明でわかる。以下引用する。
広島県のある地域に、山本学さんという 80 歳のおじいさんがいるとします。 そのおじいさんと筆者(茨城県つくば市在住)は、今までにお互いの存在すら知らず、今後も何の接点もないままに生きていくものとします。(中略)
実は、そのおじいさんと筆者には「広島カープのファン」という共通点があり(後略)
この「山本学」というおじいさんの名前は、「山本浩二」と「北別府学」から合成したのではないだろうか。ただ、80 歳という設定はわからない。 山本浩二は 1946 年生まれ、北別府学は 2023 年に死去(65歳)。広島東洋カープの前身、広島カープの設立は 1950 年である。
また、著者がファミスタをやっていたことは、p.46 の脚注 8) でわかる。この例には、毎日放課後に延々と友達とファミスタをやっていた筆者の中学時代の思い出が反映されています。
こんなことばかり書いていると、本書の目的である「統計的因果推論」ではない「非統計的、非因果的」推論ばかりしているようだ。
書名 | はじめての統計的因果推論 |
著者 | 林岳彦 |
発行日 | 2024 年 2 月 28 日 第1刷 |
発行元 | 岩波書店 |
定価 | 2900 円(税別) |
サイズ | A5 版 |
ISBN | 978-4-00-005842-1 |
NDC | |
備考 | 川口市立図書館で借りて読む |
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