尾崎 統・北川源四郎(編著):時系列解析の方法

作成日:2009-02-07
最終更新日:

概要

以前の放送大学教材である「時系列論」を新たに単行本化した。

感想

きちんと突き合わせたわけではないが、前著との違いは、尾崎氏担当の部分、しかも1ページほどに過ぎない。 それだけなのに値段が倍近く違う。 どうしたものだろう。誤植も少しある。

一部内容を、誤植の訂正と合わせて紹介する。次の入出力モデルがある。

`x(t) = varphi x(t-1) + theta y(t-1) + epsi (t)`

このモデルは、システムの出力 `x(t)` が、1ステップ前の出力 `x(t-1)` と、 入力 `y(t-1)` と、時刻 `t` での白色雑音 `epsilon(t)` で決まる線形システムである。 `varphi` と `theta` はパラメータである。

このようなモデルが適用される例として、河川の日流量の時系列がある。 `x(t)` をある日の河川の日流量とする。`x(t-1)` は前日の日流量であり、`y(t-1)` は、前日の降雨量である。 実際には、雨が降って増水した直後は急速に減衰するが、数日たって水位がある程度下がった後はゆっくりと減衰する。 このような減衰度の違いは、パラメータ `varphi` を定数ではなく、 非線形にすればよい。たとえば、次の通り。

`x(t) = {varphi_1 + (varphi_2 + varphi_3 x(t-1)+ cdots + varphi_k x(t-k+2)) exp(-gamma x(t-1)^2)}x(t-1) + theta y(t-1) + epsi(t)`

ここで、`varphi_i (i=1, cdots, k), gamma, theta`はパラメータである。

実は、同書では上記の式は、誤って次のように書かれている。

`x(t) = {varphi_1 + (varphi_2 + varphi_3 x(t-1)+ cdots + varphi_k x(t-2)^k)e^(-gamma) x(t-1)^2}x(t-1) + theta y(t-1) + epsi(t)`

コウホート分析について

13 章のベイズモデルにはさまざまな興味深い実例がある。コウホート分析もその一つだ。 詳しいことは下記に解説がある。

https://www.ism.ac.jp/~nakamura/cohort.htm

書誌情報

書 名時系列解析の方法
編 者尾崎 統・北川源四郎
著 者赤池弘次,石黒真木夫,尾形良彦,尾崎 統,北川源四郎
発行日XXXX 年 X 月 XX 日 初版
発行元朝倉書店
ISBN978-4-254-12585-6
定 価円(本体)
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MARUYAMA Satosi