東京大学教養学部統計学教室(編):統計学入門

作成日 : 2025-02-27
最終更新日 :

概要

「本書の使い方」から引用する。

本書は,「統計学」の基礎を,わかりやすくかつレベルをおとさずに解説することを主な方針とした.

執筆者は次に挙げる3氏である。中井検裕(第1章~第3章,第8章)、縄田和満(第1章、第4章、第9章~第13章)、松原望(第1章、第3章~第7章、第12章)

中井氏の専門は都市計画、都市景観。土地の値段などの項はおそらく中井氏の例によるものだろう。

感想

要再読である。

年央人口

p.10 のキャプションは「世界各国の 1986 年年央人口(単位:1000 人)」である。年央人口という用語がわからなかったので調べてみると、 「暦年1年の中央時点、すなわち7月1日の人口をいう。」とある(https://www.city.beppu.oita.jp/sisei/toukei_housei/detail252.html)。

四分位数

p.33 では次の記述がある。

よく用いられる分位点には四分位点 quartile がある. これは,小さいもの順に並び変えられたデータを4等分したときの三つの分割点であり, 第1四分位点 `Q_1` は 25 % 分位点,第2四分位点 `Q_2` は 50 % 分位点(すなわちメディアン),第3四分位点 `Q_3` は 75 % 分位点である (分位点がデータとデータの間に落ちる場合には,メディアンと同様に,その2つのデータの平均を分位点とする).

ここで、四分位点に関する「2つのデータの平均」というのが曲者で、単に足して2で割るというものではないようだ。ウィキペディアの「分位数」を参考にして正確に定義するとこうなる。 すなわち、`n` 個のデータを小さい順から並べて `x_1, x_2, cdots, x_n` とする。 第1四分位点 `Q_1` は `Q_1 = x(1 - (n + 1)//4)` と表される。ここで `x(k)` は、正の数 `k` に関する関数である。 `x(k)` の引数 `1 - 1 //4 + 1//4 n` の値 `t` が自然数であれば `x(t) = x_t` でいい。 問題は `t` が自然数でない場合である。これは `x(t) = (ceil(t) - t)x_(floor(t)) + (t - floor(t))x_(ceil(t))` で定義される `x_(t)` を使えばいい。

見かけ上の相関

p.52 の 「3.3.3 みかけ上の相関と偏相関係数」では、みかけ上の相関の意味と、みかけ上の相関か否かを判断するために使われる数値について説明されている。 なお、みかけ上の相関のほか「擬似相関」の用語も用いられる。

書誌情報

書名 統計学入門
編者 東京大学教養学部統計学教室
発行日 1991 年 7 月 10 日 初版
発行元 東京大学出版会
定価 2800 円(本体)
サイズ A5 判 ページ
ISBN 4-13-042065-8
備考 川口市立図書館で借りて読む

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MARUYAMA Satosi