「はじめに」から引用する。
本書では、データ分析の考え方で最も基本になる「因果関係の見極め方」について、 数式を使わず、具体例とビジュアルな描写を用いて解説していきます。
なかなか面白い。いろいろ思うところはあるが、詳しくは原論文を見るのがいいのだろう。
気になったのは、p.194 から取り上げられている事例で、「パネル・データ分析の例:バラマキの景気刺激策は駆け込み需要を増やしただけ?」
という節に書かれたことである。アメリカ政府は 2008 年に景気刺激策として「ぽんこつ車買い替え支援プログラム」を行なった。このプログラムの効果があったか、
アメリカの教授たちが検証した結果が紹介されている。p.196 で教授たちは、「この景気刺激策は一時的に駆け込み需要を生んだだけで、
結果的には需要の総計を増加させはしなかった」
と結論づけている。
本書の p.195 では、教授たちは、このプログラムの影響を強く受けた地域を介入グループと定義し、影響をあまり受けなかった地域を比較グループと定義しました。
とあるのだが、強く受けた地域と影響をあまり受けなかった地域をどのように分けたのかが、気になる。わかるような気もするし、わからないような気もする。
書名 | データ分析の力 因果関係に迫る思考法 |
著者 | 伊藤公一朗 |
発行日 | 2018 年 2 月 10 日 10 刷 |
発行元 | 光文社 |
定価 | 780 円(税別) |
サイズ | 新書版 |
ISBN | 978-4-334-03986-8 |
NDC | |
備考 | 川口市立図書館で借りて読む |
まりんきょ学問所 > 統計活用術 > 統計の本 > 伊藤公一朗:データ分析の力 因果関係に迫る思考法