原博 ソナタ第2番

無調の練習

作成日:2019-01-07
最終更新日:

ソナタ2番の位置づけ

全音ピアノピースには原博のピアノソナタ全4曲がことなるピースで収められている。第2番は番号が最も若く314番となっている。 この曲はピアノピースの中では他と異なるところが2つある。一つは作曲者からの「はじめに」が記されていることだ。 もう一つはこの曲だけ難易度が「C」(中級)扱いになっていることだ。他の3曲は「E」(上級)である。 ここでは、難易度のことをまず話題にする。

難易度はCか

正直言って、この曲の難易度が中級とは思えない。他の3曲のソナタと比べて難易度は同等でEをつけるべきだろう。ただひょっとして、 D(中級上)にはなるかもしれない。その理由を述べる。

まず、全音ピアノピースで中級とされている曲には他にどんなものがあるか。ピアノピースの裏面には全音ピアノピース一覧表が難易度(目安) とともに記されているので比較しよう。ここにはいくつかの曲が並んでていて、私が知っているものでは、オリジナルに限っていえば、 スカルラッティのソナタ ニ短調 (K.9, L.413) 、クープランの「葦」、ラモーの「ガヴォットと変奏」、サティの「ジムノペディ」、「 ジュ・トゥ・ヴ」、 ラヴェル「亡き王女のためのパヴァーヌ」、パデレフスキーのメヌエットなどがある。 どう見てもこれらより難しい。たしかに、この第2番の楽譜には細かな音符は少ないが、 調性は不確定で(主音は両端の楽章でハ音であることはわかる)、変位記号はわんさか出るわ、拍子はころころ変わるわで、 とても中級にあたるとは思えない。

あえて D (中級上)かもしれないといった理由は、外面はソナチネに見えるからだ。

まとまり度合は

全部で 20 ページある。全曲をつかみたいならまずは規模が一番小さい第3番がよいと思う。

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MARUYAMA Satosi