廣田薫・生駒哲一 : 確率過程の数理

作成日 : 2025-03-03
最終更新日 :

概要

「まえがき」から引用する。

(前略)本書は,理工系大学の学部高学年から大学院の学生および企業における技術者を対象として, このような確率過程の数理を基礎から応用まで学んでいただくためのテキストあるいはサブテキストである.(後略)

感想

要再読である。

各自の確認

自己回帰次数が `p` の場合のユール-ウォーカー方程式に関連して、次の恒等式が出ている。p.144 から引用する。

(前略)ここで,`A` を対称行列とすると

`[[A,B],[B^t,C]]^-1 = [[A^-1 + DE^-1D^t, -DE^-1],[-E^-1D^t,E^-1]]`

`D = A^-1 B`

`E = C - B^tA^-1B = C - B^tD`

が成り立つので(各自確認せよ)(後略)

各自確認せよ、と言われれば仕方がない。確認することにした。

`[[A,B],[B^t,C]] [[A^-1 + DE^-1D^t, -DE^-1],[-E^-1D^t,E^-1]]` =
`[[A(A^-1+DE^-1D^t) - BE^-1D^t, -ADE^-1 + BE^-1],[B^t(A^-1+DE^-1D^t) - CE^-1D^t, -B^tDE^-1 + CE^-1]]` (*)

(*) 行列のそれぞれを計算しよう。まず左上だ。ここで、`I` を単位行列とすると

`A(A^-1+DE^-1D^t) = I + A((A^-1B)E^-1D^t) = I + BE^-1D^t`

だから、(*) 行列の左上は

`A(A^-1+DE^-1D^t) - BE^-1D^t= I + A((A^-1B)E^-1D^t) = I + BE^-1D^t - BE^-1D^t = I`

となる。次に (*) 行列の右上を計算する。

`-ADE^-1 + BE^-1 = (-AD + B)E^-1 = (-B + B)E^-1 = 0`

となる。そして (*) 行列の左下を計算する。

`B^t(A^-1+DE^-1D^t) - CE^-1D^t = B^tA^-1 + (B^tD- C)E^-1D^t = B^tA^-1 -E E^-1D^t = B^tA^-1 -(A^-1B)^t = B^tA^-1 - B^t(A^-1)^t`

ここで `A` は対称行列だから `A^t = A` であり、右辺は `0` となる。

最後に(*) 行列の右下を計算する。

`-B^tDE^-1 + CE^-1 = (-B^tD+c)E^-1 = E E^-1 = I`

よって(*) は単位行列であることがわかった。以上で確認終わり。

数理工学基礎シリーズ

書誌情報

書名 確率過程の数理
著者 廣田薫・生駒哲一
発行日 2001 年 10 月 5 日 初版第 1 刷発行
発行元 朝倉書店
定価 3800 円(本体)
サイズ A5版 ページ
ISBN 4-254-28504-3
その他 草加市立図書館にて借りて読む

まりんきょ学問所数学の部屋数学の本 > 廣田薫・生駒哲一: 確率過程の数理


MARUYAMA Satosi