一松信:複素数と複素数平面

2026-06-15

概要

「はしがき」から引用する。

(前略)じつは私自身,10 年ほど前から高校と大学の数学の間隙を埋める題材として,「複素数の幾何学」といった書物を構想していた. この本字体は新規書き下ろしであるが,前半(第 5 章まで)はその折の構想を実現したものである.(後略)

感想

要再読である。

三角関数の加法定理

pp.26-28 に三角関数の加法定理というコラムがある。以下、引用する。ただし、本書の式番号の丸囲み数字は引用に当たってカッコ囲み数字に変更した。

(前略)`/_\"ABC"` (図省略)において,`/_ "A"=alpha, /_"B" = beta, /_"C" = gamma, "BC" = a, "CA" = b, "AB" = c` とする. `"C"` から辺 `"AB"` に下ろした垂線を `"CH"` とする.`"CH"` を両側から測れば \[ a \sin \beta = b \sin \alpha \tag{1} \] であり,これが正弦定理の本質的な部分である (比 `a//sin alpha` が外接円の直径に等しいことは,副次的である).

正弦定理の証明を見たのは、私が高校生のときであり、今までずっと見ていなかったかもしれなかったので、驚いた。そして、正弦定理は私は次の形で習っていたのだった。 \[ \frac{a}{\sin \alpha} = \frac{b}{\sin \beta} = \frac{c}{\sin \gamma} = 2R \]

当時は、その副次的な意味こそが大事だと思っていたのだった。恥ずかしい。

さて引用を続ける。

また `"AB" = "AH" + "BH"` すなわち \[ c = a \cos \beta + b \cos \alpha \tag{2} \] が成立する(第1余弦定理).じつはこれが正弦の加法定理なのである.すなわち (2) の `a, b, c` を,それに比例する対角の正弦におき換えれば \[ \sin \gamma = \sin( 180° - \alpha - \beta) = \sin(\alpha + \beta) = \sin \alpha \cos \beta + \sin \beta \cos \alpha \tag{3} \] である.▯

私はここで、すなわち (2) の `a, b, c` を,それに比例する対角の正弦におき換えればの理由がわからなかった。しかし、こうやって引用をしていて、その理由がわかった。 つまり、正弦定理によって、`a, b, c` は、対角の正弦に比例することがわかる。もっといえば、私が覚えていた正弦定理によれば、 `a = 2Rsin alpha, b = 2Rsin beta, c = 2R sin gamma` が成り立つことになる。これを(2) に代入すれば、`2R sin gamma = 2R sin alpha cos beta + 2R sin beta cos alpha` が得られる、 というわけだ。確かに、この三角関数の加法定理の導出にあたっては、三角形とその対角の正弦は一定である、ということのみ使われて、外接円の直径に等しいという事実は使われていないから、 副次的といわれればその通りだ。

正多角形

本書ではpp.40-41 に正多角形、特に正五角形、正七角形、正九角形の諸量に関する数値が載せられている。私は頭が弱いので、単に表示だけしてお茶を濁してしまう。

数式・図の記述

数式はASCIIMathML および MathJax4 を用いている。

書名複素数と複素数平面
著者一松信
発行日1993-08-28 第1版第1刷
発行元森北出版
定価1900 円(税別)
サイズA5版
ISBN4-627-03530-6
NDC
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