日本応用数理学会誌2006年3月号

作成日:2006-11-19
最終更新日:

学会誌を読む

熱方程式の逆問題

熱方程式について議論されている。無次元化された熱方程式は次の形で与えられる。

`(delu)/(delt) (x, t) = (del^2 u) / (del x^2) (x, t), quad x > 0 quad t > 0`
`u(0, t) = f(t), quad (del u)/ (del x) (0, t) = g(t), quad t > 0

物理的には無次元化する前の熱方程式で熱伝導率 `lambda` を求めることに意味がある。 むかし、学生実験でレンガの熱伝導率を熱方程式を使って求めるという課題があった。その実験は 入力として熱源を乗せたり離したりして時間に対して矩形派を作る一方で、熱電対でレンガの中の温度を複数の地点で測り、 その位置の変化による温度の変化や、時間の変化に応じた位相の変化などで熱伝導率を推定し、考察するというものであった。

どんな考察をしたのかすっかり忘れたが、時間がかかったことだけを覚えている。

それはさておき、熱方程式は逆問題にとって手ごわい相手である。どんなに正確に温度を測定しても、熱方程式そのものがもつ不安定性のため、 もっともらしい値を出すことが不可能なのだ。ではどうするか。この雑誌の記事をみれば答がわかるかもしれない。

論文誌を読む

議員定数配分問題が面白かったので、JavaScript で実装した。 議員定数配分問題を参照されたい。

なお、2009年6月号にも議員定数配分問題に関する論文がある。

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MARUYAMA Satosi