議員定数配分方法

作成日 : 2006-11-17
最終更新日 :

議員定数配分とは

議会民主制をとる組織では、地域を区分し、 その地域の中で代表者である議員を選出する。 地域内の議員数は、地域の人口(有権者)の数に比例して決めたい。 しかし、代表者の数は自然数でなければならない。 これらの条件を考慮して、妥当な方法を決める必要がある。 これが、議員定数配分といわれる問題である。

議員定数配分の方法には各種ある。 ここでは、最大剰余法とドント法を取り上げる。

以下は文献[1]に従って用語を定義する。 配分を受ける単位である都道府県、州、政党などを「県」と呼ぶ。 また、比例代表制での政党の得票数も「人口」と定義する。 問題は、議員定数を県の人口に比例して配分することである。

最大剰余法とは

これは、ハミルトン方式とも呼ばれている。 まず、県の人口の総数を議員定数で割る。これを基数と呼ぶ。 次に各県の人口を基数で割る。これを取り分と呼ぶ。 取り分のうち、小数分を切り捨てた整数分をまず各県に割り当てる。 残りの議席は、 切り捨てた小数分(剰余)が大きい順に 1 つずつ議席を割り当てる。

ドント法とは

最初に、どの県の議席も0とする。 県の人口を、(既に県が獲得した議席数 + 1)で割る。 この値を比較し、最大の県に一議席を追加する。 この操作を,議席総数に達するまで反復する. これは、人口が多い県に有利な方法といわれる。

JavaScript による計算

次のJavaScriptでは、最大剰余法とドント法の計算を行なう。 定数欄に、議員の定数を入力する。 人口欄は、カンマ区切りで各県の人口を入力する。 計算ボタンをクリックすると、 配分欄には、人口欄の順序で、各県の議員定数がカンマ区切りで表示される。

初期値は、定数が7, 人口が700, 500, 300 である。このときの配分は 3,2,2 となる。ここで、人口を変えずに定数を 8 とすると、 配分が 4,3,1 となる。 最大剰余法では、定数が1増えたにもかかわらず、 第3番目の県の定数が1少なくなっている。 これがいわゆるアラバマ・パラドックスである。 この数値例は、文献[2]から借用した。

2022-12-29 現在、下記計算はできない。

定数:
人口:
最大剰余法配分
ドント法配分

参考文献

  1. 一森哲男:ばらつきを考慮した議員定数配分方法について, 日本応用数理学会誌 Vol.16 No.3(2006) pp.265-276
  2. 有澤誠: 世論調査と選挙のパラドックス
    慶應義塾大学の有澤誠氏のサイトにあったが、現在はリンク切れのため見ることができない。 同氏の著書「パラドックスの不思議 ―論理と集合―」(朝倉書店)に同名の章があり、 内容が同書で言及されている。数値例は同書の p.75 にある表 10.2 [5] の場合に相当する。

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MARUYAMA Satosi