概要
本書の目次は次のとおりである。
第5章 交換子
第6章 自由群
第7章 有限群
本書は、章の途中に「問」がある。章の末尾の「問題」はない。
感想
借りてきてわかるところはないだろうなと思ったら案の定わからなかった。それでも問題をせめて一つはといておきたい。
p.117 からは交換子について記述されている。以下引用する。
群 `G` の二つの元 `x, y` に対して,`x^(-1)y^(-1)xy` を `x` と `y` の交換子といい, \[ [x, y] = x^{-1} y^{-1} xy \] と書く.以後つぎの記法が便利なので用いる: \[ x^y = y^{-1}xy \quad (x, y \in G) . \] このとき \[ (xy)^z = x^zy^z, \quad [x,y] = x^{-1}x^y (x, y, z \in G) \] が成り立つ.交換子の次の性質は,定義から直接に確かめられる:
(5.1) `[x, y] = 1 hArr xy = yx, `
(5.2) `[x, y]^-1 = [y, x], `
(5.3) `[x, y]^z = [x^z, y^z], `
(5.4) `[xy, z] = [x, z]^y[y,z], \quad [x, yz] = [x, z][x, y]^z.`
問5.1 (5.1)-(5.4) を確かめよ.
問5.1 をやってみた。
(5.1) の `rArr` を示す。`[x, y] = 1` だから定義により `x^(-1)y^(-1)xy = 1` 。左から `x` を乗じて `y^(-1)xy = x` 。さらに左から `y` を乗じて `xy = yx`。 これは右辺であるので`rArr`がいえた。次に(5.1) の`lArr` を示す。`xy = yx` に対して右から `y^(-1)` を乗じて`y^(-1)xy = x` 。さらに左から `x` を乗じて `x^(-1)y^(-1)xy = 1`。 これは左辺であるので`lArr`がいえた。
(5.2) `[x, y]^(-1) = (x^(-1)y^(-1)xy)^(-1) = y^(-1)x^(-1) y^((-1)*(-1)) x^((-1)(-1))= y^(-1)x^(-1) yx= [y, x]`。
(5.3) 左辺を計算する。`[x, y]^z = (x^(-1)y^(-1)xy)^z = z^(-1)x^(-1)y^(-1)xyz`。
右辺を計算する。`[x^z, y^z] = (x^z)^(-1)(y^z)^(-1)x^zy^z = (z^(-1)xz)^(-1) (z^(-1)yz)^(-1) (z^(-1)xz) (z^(-1)yz) = (z^(-1)x^(-1)z) (z^(-1)y^(-1)z) z^(-1)xyz = z^(-1)x^(-1)y^(-1) xyz`。
左辺と右辺が等しいので、(5.3) が成り立つ。
(5.4) 第1式の左辺を計算する。`[xy, z] = (xy)^(-1)z^(-1)xyz = y^(-1)x^(-1)z^(-1)xyz`。
第1式の右辺を計算する。`[x, z]^y[y,z] = (x^(-1)z^(-1)xz)^y (y^(-1)z^(-1)yz) = y^(-1)(x^(-1)z^(-1)xz)y (y^(-1)z^(-1)yz) = y^(-1)x^(-1)z^(-1)xyz`。
第1式の左辺と右辺が等しいので、第1式が成り立つ。
第2式の左辺を計算する。`[x, yz] = x^(-1)(yz)^(-1)xyz = x^(-1)z^(-1)y^(-1)xyz`。
第2式の右辺を計算する。`[x, z][x,y]^z = (x^(-1)z^(-1)xz) (x^(-1)y^(-1)xy)^z = x^(-1)z^(-1)xz (z^(-1)x^(-1)y^(-1)xyz) = x^(-1)z^(-1) y^(-1)xyz`。
第2式の左辺と右辺が等しいので、第2式が成り立つ。
以上は単に計算するだけだったが、思ったより時間がかかってしまった。というのも、`(xy)^(-1)` が `x^(-1)y^(-1)` ではなく `y^(-1)z^(-1)` であることをすっかり忘れてしまっていたからだ。恥ずかしい。
数式記述
このページの数式は MathJax4 で記述している。
書誌情報
| 書名 | 群論Ⅱ |
| 著者 | 近藤武 |
| 発行日 | 1976 年 9 月 2 日 第1刷 |
| 発行元 | 岩波書店 |
| 定価 | |
| サイズ | A5版 117-238 ページ |
| ISBN | |
| その他 | 岩波講座 基礎数学 草加市立図書館にて借りて読む |