F. R. Gantmacher:Theory of Matrices I

作成日:2014-03-16
最終更新日:

概要

ロシアの数学者、Феликс Рувимович Гантмахерによる、応用数学から見た線形代数。 英訳は全2巻からなる。後半は、別ページで紹介した。

感想

この本は、岩波講座「応用数学」の「線形代数 II」のあとがきで、著者が挙げていた。 さて、 Gantmacher のことを日本語で何と読むのかわからない。ガントマハーと書かれている WEB のページがあったのでそれに従う。 まったくといって読んでいないので、目次だけ掲げる。

  1. 行列と行列演算
  2. ガウスのアルゴリズムと応用
  3. n 次元ベクトル空間の線形演算子
  4. 行列の特性多項式と最小多項式
  5. 行列の関数
  6. 多項式行列の等価変換、行列の単因子
  7. n 次元における線形演算子の構造
  8. 行列の等式
  9. ユニタリ空間の線形演算子
  10. 二次形式とエルミート形式

行列の表記

普通行列は、`((a,b),(c,d))` のように丸カッコか、`[(a,b),(c,d)]` のようにカギカッコを使う。 ところが、この本での行列は、`norm((a,b),(c,d))` のように、左右を二重縦棒で囲む表記をするので驚いた。 ちなみに行列式は `|(a,b),(c,d)|` のように左右を一重縦棒で囲む表記であり、同じである。

クリロフの方法

行列 `A` とベクトル `bb b` から、`bb b, Abb b, A^2 bb b, cdots` のように一次独立なベクトルを次々生成すると、 これらのベクトルから張られる空間は `A` の部分空間となる。これをクリロフ部分空間という。 クリロフ部分空間からは各種の結果が得られる方法が開発されている。この本ではクリロフ部分空間という命名こそされていないものの、 第7章の第8節で、Krylov's method of transforming the secular equation (永年方程式を変換するクリロフの方法)が説明されている。 ちなみに、永年方程式とは、固有値を求める特性方程式の古い言い方である。

数式記述

数式は MathJax で記述している。

書誌情報

書 名Theory of Matrices
著 者F. R. Gantmacher
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MARUYAMA Satosi