概要
「はじめに」から引用する :
(前略)熱力学ではその構造と応用をわけ,何が熱力学自身から言えることで,何がその具体的応用に当たるのかをはっきりさせようとした。 つまり,`dU = TdS - pdV` と `PV = nRT` の熱力学における意味の違いの曖昧さをなくすように努めた。(中略)統計力学は標準的な定式化を与え,古典系への応用を説明するとともに, 量子力学誕生のきっかけとなったいろいろな困難を説明した。(後略)
感想
熱・統計力学を真面目に勉強したいと思って借りたが、借りただけで何も読まずに返却期限を迎えてしまった。 もう一回出直したい。
思い出してみると、私が大学で初めて学んだ熱力学は、物理の授業ではなく化学の授業であった。 化学の授業でどうして物理みたいなことをやるのだろうかと思ったが、 物理化学という分野があることを大学に入って知った。 とにかく、熱力学では圧力 `P` や体積 `V`、内部エネルギー `U`、仕事 `W`、熱量 `Q` が出てくる。 ここまではまだいいが、さらにエンタルピー `H` やエントロピー `S`、ヘルムホルツの自由エネルギー `F`、 ギブスの自由エネルギー `G` が登場して、何がなんだかわからない世界になるのだった。
pp.13-14 から引用する。なお、ここで `X` は力、`dY` は変位であり、どちらも状態量である。また `T` は温度、`dS` はエントロピー変化である。
熱力学の理論的関係は前節で求めた \[ dU = TdS + XdY \tag{1.31} \] で完全に表現されており,これからいろいろな熱力学的関係が導かれる。
熱力学の式でこれだけ覚えればどんなに楽なことか。
p.14 から引用する。
式 (1.31) に出てくる変数,`U, T, S, X, Y, cdots` はすべて状態量であり対等であるが,式 (1.31) のように書くと `U` という関数が変数 `(S, Y)` の関係であり, その微係数が `T` と `X` であるとみることができる。つまり,`U = U(S, V)` であり \[ \begin{equation} \begin{aligned} \left( \frac{\partial U}{\partial S} \right)_V = T, \\ \left( \frac{\partial U}{\partial Y} \right)_Y = X. \end{aligned} \tag{1.32} \end{equation} \]
以上、引用したところにはいくつか誤りがある。正しくは次のようになるはずだ。
(前略)つまり,`U = U(S, Y)` であり \[ \begin{equation} \begin{aligned} \left( \frac{\partial U}{\partial S} \right)_Y = T, \\ \left( \frac{\partial U}{\partial Y} \right)_S = X. \end{aligned} \tag{1.32} \end{equation} \]
p.15 にはこんな記述がある。
(前略)少し変わったものとして粒子数と化学ポテンシャルの組み合わせ `muN` がある。 この組み合わせは粒子の存在に関してかかってくる人頭税のようなエネルギーを表しており, `mu` は系に粒子を 1 個加えるのに必要なエネルギーと考えてよい。(後略)
人頭税なのか。
誤植
p.10 の pp.7-8 で、普通,熱力学的温度よばれるものは
とあるが、正しくは、「普通,熱力学的温度とよばれるものは」
だろう。
数式記述
このページの数式は MathJax4 で記述している。
書誌情報
| 書名 | 熱・統計力学 |
| 著者 | 宮下精二 |
| 発行日 | 1993 年 4 月 30 日 初版 |
| 発行元 | 培風館 |
| 定価 | 3200 円(本体) |
| サイズ | A5 版 305 ページ |
| ISBN | 4-563-02384-1 |
| その他 | 越谷市立図書館にて借りて読む |