早治大学の文学部唯野教授の授業とドタバタ劇。
p.13 で、主人公の唯野と友人の牧口が会話をする場面がある。
あきれている唯野を、牧口は睨みつけて言った。「蟇目のやつが、たれこみやがったな」
「そ。大正解。あのチューバッカみたいに巨大な代物から聞いたの。でも、おれでよかったんだよ。おれは誰にも言わないからね」
このチューバッカとは何か。その後、あるきっかけで映画『スター・ウォーズ』のいわゆる旧3部作を DVD で見て、 やっとわかったのだった。 そういえば、本書には R2-D2 もダース・ベイダーも出て来る。
p.49 にこんなくだりがある。
(前略)特に早治大学文学部の教授は全員が、饒舌、自己主張、偏見、我欲妄執といった側面から見る限りドストエフスキイ的人物ばかりであって、 会議室の隅のロッカーがカラマーゾフ家の食堂に通じているのではないかと唯野はしばしば想像するのだ。(後略)
ここを読んで、そういえば、ドストエフスキーの小説は一度も通読できていないことを恥ずかしく思い、いつかは『カラマーゾフの兄弟』を読もうと決心するのだった。
この本を読んだ数十年後、やっと『カラマーゾフの兄弟』を読むことにした。
書名 | 文学部唯野教授 |
著者 | 筒井 康隆 |
発行日 | 1990 年 1 月 26 日 第1刷 |
発行元 | 岩波書店 |
定価 | 1262 円(本体) |
サイズ | |
ISBN | 4-00-002015-3 |
その他 |
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