「まえがき」から引用する
(前略)本書は「製造現場におけるヒューマンエラー対策」に重点を置き、現場で活用しやすい内容になっています。読者各位において製造不具合の改善にお役に立つことを願っています。(後略)
pp.20-21 はヒューマンエラーの誘因・起因・現象について述べられている。そのなかで、ヒューマンエラーの累計の一つにスリップがある。そういえばこのスリップは、 ノーマン「誰のためのデザイン」でも出ていたことを思い出した。
まったくどうでもいいことなのだが、奥付にある初版発行日が和暦(元号)を用いている。元号は数字の連続性がないので、元号が変わった日付どうしを比較するときに間隔の把握が困難だ。 その結果ミスを誘発しやすいと思う。ヒューマンエラーを防ぐためには和暦より西暦がよいと思うのだが、どうだろう。
我ながらどうでもいいことだと思うのだが、本書の p.172 の COLUMN 9 の表題が「神は細部に宿る…ヒューマンエラー防止の要」となっているので、ケチをつけるともいえるし、細部にこだわるともいえると思う。
なお、指差呼称活動について、本書を読んで初めて知ったことがある。p.172 から引用する。
この活動は、明治末年に国鉄の神戸鉄道管理局で、当時目が悪くなった機関手が、機関助手に何度も信号の確認をしていたのを、 同乗した同局の機関車課の上司が見て、機関手の目が悪いことに気がつかずに、素晴らしい安全活動であると賞賛し、この安全確認方法をルール化したものといわれています。
私も昔、工場の敷地の中で勤務していた時、工場所内は指差呼称を徹底するように言われていた。だから今でもたまに、横断歩道を渡るときに軽い指差呼称をすることがある。この指差呼称活動が国鉄の神戸鉄道管理局発祥ということを知り驚いた。 神戸といえば兵庫である。兵庫で思い出すのは、2005年(平成17年)4月25日に起きた福知山線脱線事故だ。この事故を思い出すたび、やるせない思いにとらわれる。
書名 | なるほど! これでわかった 図解 よくわかる これからのヒューマンエラー対策 |
著者 | 吉原靖彦 |
発行日 | 平成 29 年(2017 年)10 月 20 日 初版 |
発行元 | 同文舘出版 |
定価 | 1800 円(本体) |
サイズ | A5 版 ページ |
ISBN | 978-4-495-53831-6 |
その他 | 川口市立図書館で借りて読む |
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