ゴーゴリ:外套・鼻 |
作成日: 2019-06-13 最終更新日: |
九等官、アカーキイ・アカーキエウィッチは外套を買ったが……。この作品が新たな作品を産んでいくことになった、 「外套」、奇想天外なプロットで人を引き付ける「鼻」。
私が学生だったころ、ともだちの O くんに、「まるちゃんは情けないヤツだから、情けないヤツが出てくるゴーゴリの外套を読むといいよ」
と言われた。そんな、バカにされながら勧められた本がこの「外套」だった。社会人になったすぐのころ、1990 年ごろに岩波文庫で買った。
当時読んでみて、この主人公は確かに情けないヤツであることがわかった。今読み返してみて、永久に九等官である主人公を指して、
彼は相も変らず同じ席で、同じ地位で、同じ役柄の、十年一日の如き文書係を勤めていたので
と言われるところなど、
まさに私そのものである。
さて、その情けないヤツぶりは十分に堪能した。その後結婚して引っ越すことになり、本を大量に処分せざるを得なくなった。 文庫本は真っ先に処分の対象となった。残念ながらその処分した中にこの「外套」も含まれていた。 そしてかなり後になり、後藤明生の「挾み撃ち」を読むことになった。 そこではこの、ゴーゴリの「外套」が重要な役割を果たしているのだが、手元にはなかったのだ。残念だった。
今は、青空文庫で読みながら、この項を書いている。
書 名 | 外套・鼻 |
著 者 | ゴーゴリ |
発行日 | |
発行元 | 岩波書店 |
定 価 | |
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その他 | 処分して手元にはない |