野矢茂樹:論理トレーニング

作成日 : 2001-07-01
最終更新日:

概要

「はじめに」から引用する:

(前略)「論理」とは、言葉が相互にもっている関連性にほかならない。 (中略)それゆえ、「論理的になる」とは、この関連性に敏感になり、言葉を大きなまとまりで見通す力を身につけることにほかならない。
論理的になるためにはどうしたらよいのだろうか。基本は場数を踏むことだろう。(中略) 理の通った議論が要求される場に身をおいて、自覚的に言葉を用いていかねばならない。本書は、そのためのスタート地点を用意すべく企てられた教科書である。(後略)

索引はない。

感想

同じ著者の「論理トレーニング 101 題」の前に出た教科書。 教科書と言っても堅苦しくはない。 しかし、電車の中で流し読みできるほどできるほどやわな本でもない。 私は結局流し読みをしているが、たまには自宅でゆっくり考えたいとも思う。 特に、途中の演習問題は答がないものが大部分だから、それらの答を考えることは いい練習になるだろう。

「101題」も含めて、脚注が多い。しかも、著者の本音が見え隠れする。これが楽しい。 このような饒舌な様式は、著者特有のものか、野矢さんの時代の人たちに共通して見られるものか、 興味があるところだ。

only if

p.110 に次の記述がある。

ここで、「A だけが B を帰結する」という型の条件構造、すなわち、“only if” の条件構造を問題にしておこう。

私はこれがなかなかわからなくて、後の問題を解くときにこまったものだ。数学でよく、if and only if (iff) と言う記述の、only if のほうを問題としないといけないのだった。 この only if については、清水義夫:記号論理学でも触れられている。 (この項、p.110)。

数式記述

このページの数式は MathJax で記述している。

書誌情報

書名論理トレーニング
著者野矢茂樹
発行日2001 年 5 月 10 日(18 刷)
発行元産業図書
定価2400 円(本体)
サイズ
ISBN4-7828-0205-6
その他

まりんきょ学問所読んだ本の記録 > 野矢茂樹:論理トレーニング


MARUYAMA Satosi