副題は「歴史・名曲・名演奏家」。
p.213 には、なかなか過激なことが書かれている。特に、カッコ内に注目してもらいたい。以下、引用する。
今世紀になってチェロ演奏の水準が非常に向上し,一流のチェリストも数多く現われるようになったためだと思われるが, 20 世紀の最高の作曲家たちの多くがチェロのための作品を書くことに興味を持ってきた。 このことについては 152 頁 ~ 164 頁を参照していただきたい。 チェリストたちが演奏に挑戦さえすれば,この楽器のための新しい作品は存在しているのである。 もちろんそれらの曲の演奏に挑戦している人もいる。 (ボッケリーニやハイドン,サンサーンス, ドヴォルザークの協奏曲やベートーヴェンやブラームスのソナタなどの演奏を 10 年位禁止する宣言をすべきだと思うことがある)。
私自身、それほどチェロリサイタルに行ったことがないので申し訳ないのだが、このカッコ内の宣言は大賛成だ。 ただ、フォーレのソナタが禁止リストに入っていると困る。こう思っていたのだが、 フォーレのソナタは 152 頁 ~ 164 頁に入っている。 ということは、新しい作品とみなされている、ということだろう。
さきに挙げた、152 頁から 164 頁には、「20 世紀,1960 年までの作品」ということで、 主な作曲家と作品が掲げられている。そのなかで、 フランスの作曲家は、次の通り列挙されている。この訳書では元の綴りのまま表記されているが、私は天邪鬼だからカタカナに直した。
他にも候補はあると思う。たとえば、ルイ・ヴィエルヌのチェロソナタはいいと思う。
書 名 | チェロの本 |
著 者 | エリザベス・カウリング |
訳 者 | 三木 敬之 |
発行日 | 1989 年 6 月(第1刷) |
発行元 | シンフォニア |
定 価 | 3000 円(本体) |
サイズ | |
ISBN | なし |
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