「ジプシー」の正式名称は「ロマ」である。ロマが使っている言語である「ロマニ語」の入門書。
本書 009 ページを見て、知らないことだらけだったのに気付いた。
日本で一番なじみのある、この言語の話者の呼称は間違いなく「ジプシー」だと思います。 これにはもともと「エジプト人」という意味があり、彼らがエジプトからやってきた民であるという誤解から発生した名称です。
まず、 「ジプシー」の語源が「エジプト人」であるとは知らなかった。
ヨーロッパでは「ジプシー」系統の名称で彼らを呼ぶ国々のほかに、「ツィガン」といった名称で彼らを呼ぶ国々があります。 「ツィガン」はギリシア語で「触れてはならない者」という意味があり、もともと侮蔑的な呼称です。
そうなのか。すると、サラサーテの「ツィゴイネルワイゼン」やラヴェルの「ツィガーヌ」なども、この名前が侮蔑的なものということか。知らなかった。
ロマは言語学的にインドから来た民だということが明らかになっています。
とある。これもまた知らなかった。本書は図書館で借りたのだが、この図書館の日本十進分類は 829.8 「インド諸語」であった。そういうことか。
p.012 にはこんな記述もある。
本書に登場する主人公ひろしとイサウラの親密な距離感は、我々にとっては 「よくある仲の良い男女関係」ですが、 結婚するまでは男性は男性同士、 女性は女性同士で行動することの多いロマの伝統に照らし合わせると、やや「非現実的」であるこということを最初にお断りしておきます。
いまのロマの伝統はどうなっているのだろうか。
書名 | ニューエクスプレス ロマ(ジプシー)語 |
著者 | 角悠介 |
発行日 | 2018年 3 月 5 日 |
発行元 | 白水社 |
定価 | 3600 円(本体) |
サイズ | 判 |
ISBN | 978-4-560-08735-4 |
その他 | 川口市立図書館で借りて読む |
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