安達 信明:ニューエクスプレス エスペラント

作成日: 2012-05-20
最終更新日:

概要

全 20 課でエスペラントを学ぶ。以前の「エススプレス エスペラント語」の改訂版である。

役に立ったか

従来の版の第6課の屈辱的な会話は次の会話に差し替えられている。 外国人を日本人が招いているという場面は同じだが、外国人は Carmen さん、日本人は Masao さんということになっている。

Carmen: Ĉu la domego tie certe estas la oficejo de JEI?
Masao : Ne, ĝi estas la parlamentejo de Japanio.

Carmen: あそこのビルはきっと日本エスペラント学会の事務所ですよね。
Masao : いいえ、あれは日本の国会議事堂です。

そのほか、前著に単語力アップと表現力アップのページが加えられた。 単語力アップのところで家具の項目でテレビや洗濯機があるが、これらはむしろ電化製品に属するだろうから、 この本にある以外の電化製品も含めてまとめてみた。

日本語エスペラント
テレビtelevidilo
ラジオradiorecevilo
ビデオvideoregistrilo
ステレオstreofono
洗濯機lavmaŝino
食器洗い機vazlavilo
掃除機polvosuĉilo
冷蔵庫fridujo, glaciŝranko, marvamujo
エアコンklimatizilo
扇風機ventolio

このように見ると、理念と実用との間のはざまで訳語が動いていることがわかる。 テレビはラジオと同様電波を使っていて、ラジオに映像が伴っているだけである。しかし、 ラジオはいわゆる放射線としての意味もあり、そちらを引きずっているためにradio に revecilo (受取機)をつけなければならなかった。 英語は逆に、受像機であることを表すために television set と言わなければならない(と私は40年前に教わった)。 tele が遠くであることを表す語幹であれば、ラジオを teleaŭdilo ということも可能だったはずだが、そうはなっていない。 エスペラントで遠くを表す語幹は for であり、それを厳格に採用してしまうと、tele で始まる西洋語をみんな for で置き換えねばならず、 それは得策ではないとザメンホフは判断したのだろう。

洗濯機は文字通り、洗う機械と訳されている(余談だが、ラヴマシーノという発音だけきけば、あのモーニング娘。を思い出す)。 さて食器洗い機は、器を表す語幹 vaz に洗う道具 lavilo を付けている。衣類の洗濯機で lavilo ということはないようだ。

冷蔵庫は fridujo が一般的だが、語幹 frid がほとんど使われないことばなので覚えるのには抵抗がある。 glaciŝranko は氷の入った家具という意味だが、今はむしろアイスボックスのようなものを想定すべきだろう。 となると、marvamujo、正確には malvarmigujo がいいのだろう。

ventolio は扇風機だが、ventumilo は団扇や扇子を指す。要注意。

書 名ニューエクスプレス エスペラント語
著 者安達 信明
発行日2008 年 10 月 10 日 発行
発行元白水社
定 価円(本体)
サイズページ cm
ISBN 978-4-560-07693-2
NDC

まりんきょ学問所読んだ本の記録安達 信明:エクスプレス エスペラント


MARUYAMA Satosi