本巻の「序」から引用する:
すなわち第 3 巻では,第 1 巻,第 2 巻の相対論を含む古典物理学を前提として, 第Ⅰ部で前期量子論の出現から量子力学の成立に至る過程をたどりながら, 数学的表現のもつ物理的意味を明確化することに努めた. 第Ⅱ部の前半では量子力学がミクロの諸現象をいかに見事に説明しうるかを, 簡単な例をあげて具体的に示した. 後半では輻射場の量子化から一般の場の量子論へと進んでゆく道筋を示したが, ここでは無限大の自由度をもつ系への量子力学の拡張が行なわれるわけで, その際,ほとんど不可避的に発散の困難に直面する.
私は応用物理の学生だったので量子力学は一通り学んだはずなのだが、すっかり忘れている。 ただ、高校生時代、物理は一生懸命学んだ。物理Ⅱのおしまいで前期量子論としてボーアの理論を学び、 その美しさに感動したことがある。教科書に書かれていた式の導出を何度も手で書いたものだ。 その感動を追体験したいと思って借りてみたが、やはり難しすぎた。
p.16 ではプランクの輻射公式が述べられている。この公式と、 p.13 にあるレイリー・ジーンズの公式や p.14 のウィーンの分布則との関係について、 グラフでもあればいいのに、と思ったが残念ながらなかった。これが、 格調高い岩波講座なのだろう。これらをグラフにしたものは、 逆問題の考え方で見ることができる。
p.19 では、プランクが得たプランク定数 `h` およびボルツマン定数 `k` の数値、 そしてその後の測定値が載っている。どちらも CGS 単位系である。
p.209 で「運動の恒量」という用語が出てきている。恒量とは保存量のことである。
このページの数式は MathJax で記述している。
書 名 | 岩波講座 現代物理学の基礎3 量子力学Ⅰ |
著 者 | 湯川 秀樹, 井上 健, 田中 正 |
発行日 | 1972 年 4 月 12 日 |
発行元 | 岩波書店 |
定 価 | 1400 円(本体) |
サイズ | A5版 452 ページ |
ISBN | |
その他 | 越谷市立図書館にて借りて読む |
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