中桐雅夫:会社の人事

2026-02-02

概要

主にソネット(14行詩)の形式で書かれた詩を収める。

感想

本書を手に取った理由は覚えていない。鈴木志郎康の書評だったかもしれないが、そうでない可能性が高いと思う。サラリーマンになってから本書を買って、 サラリーマンであることの悲哀をこれでもかと感じた。

ようやくサラリーマンを辞めることができた。その後、小谷敏の怠ける権利!で本書が言及されていたので読みたくなり、 書棚を探してみたが見つからない。悔しい。

その後の感想

2026-03-06 に押入れを整理していたら本書が見つかった。pp.58-59 にある「会社員」という詩から、最後の連を引用する。

目刺しのように並んでいる良心の割引者たち、
会社員ばかりの厭な日本だ。

私はここを読んでいつも落ち込んでいた。それでも、この詩集を読んで慰められたこともあった。

pp.32-33 から「会社の人事」という詩の第2連を引用する。

「あの課長、人の使い方を知らんな」
「部長昇進はむりだという話だよ」
日本中、会社ばかりだから、
飲み屋の話も人事のことばかり。

私は幸い、会社の同僚と話すときも人事の話は 5 % もなかった。だからというべきか、私が課長に昇進することは一度もなかったし、むしろ係長から降格するぐらいだった。 飲み屋で人事の話をするのは馬鹿馬鹿しいし、酒がまずくなる。この詩から遠いところに居て幸せだった、と自らを慰めることもあった。

書誌情報

書名会社の人事
著者中桐雅夫
発行日1983 年 7 月 20 日 6 刷
発行元晶文社
定価980 円
サイズ
ISBN4-7949-3513-7
その他