ディジタルな画像を扱う際の前処理と形の特徴抽出に関して包括的に述べる。
8 章では角と切片線形近似がテーマになっている。ここで、切片を近似する関数を、どのような意味で最適化するか、 ということが述べられている。そこでチェビシェフ Tchebycheff のノルム `L_oo`が出てきて驚いた。
p.147 で、図形において角が基本的な特徴であることは Atteneave が示した兎の輪郭の実に単純な素描以来,
パターン認識の研究者に広く認められるものとなり,角検出の多くの研究が行われた.
とある。この研究者の正しいスペリングは Attneave である。(なお、p.194 の [1] の著者が Attineave となっているが、
これも誤りでやはり Attneave が正しい)。では、その素描は何かというと、
https://www.weizmann.ac.il/complex/tlusty/courses/InfoInBio/Papers/Attneave1954.pdf
で見ることができる。これによれば、素描は兎(ウサギ、rabbit)ではなく猫(ネコ)である。
それから、連続曲線 `y=f(x)` の任意の点 `x` における曲率は次の式で与えられると書かれている。
`((d^2y)//(dx^2)) / (1+(dy//dx)^2)^(3/2)`
にわかには信じがたいが、これは正しいようだ。ただ、それを検証するだけの力は、もはや私にはない。
数式表現、表示とも ASCIIMathML を使っている。
書名 | 画像認識の基礎1 (前処理と形の特徴抽出) |
著者 | 森 俊二、坂倉 栂子 |
発売日 | 1986 年 8 月 1 日 |
発売元 | オーム社 |
定価 | 4,500円 |
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NDC | 548.2 |
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